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1日1分の呼吸法

1日1分の呼吸法 ★★★★★

ストレスをなくすことは出来ないが、ストレスと上手く付き合うことは出来る。
そのためには呼吸が大事だという趣旨。

呼吸の重要性が十分理解でき、具体的な方法も記述されているので実践しやすい。
スピリチュアルなところに踏み込むところで、もしかしたら本を置く人もいるかもしれない。
しかし、中村天風の天風哲学を読んだ者としては当然なこととして受け容れられた。

残念なのは、”つねに”、”つらい”、”おこなう”等々ひらがなで書いてあり読みづらいので、もうちょっと漢字を使っていただきたかった。

病気で悩んでいる人にお勧め。特にガンで悩んでいる方にお勧めだ。
自分がガンになったら真っ先に診てもらいたいと思う著者(医師、病院経営)だっと思った。

p.3 はじめに
では「呼吸法」で何が出来るのか。それは、人間が誰でも潜在的にもっている「いのちのエネルギー」を引き上げ、どのようなストレスの多い場面にあっても動じることのない、ゆうゆうとした心を養うことです。

一昨日読んだ9割の病気は自分で治せる - How Many Books Do You Have?に書いてあった”自己治癒力を高める”ことかな。

p.4 はじめに
ただし、深い呼吸と言っても、ラジオ体操のように「はい、息を大きく吸って」といった、”吸う息”を重視した深い呼吸は、かえって緊張状態を増大させてしまいます。吸う息というのは、人と争ったり、怒りを爆発させたりするときに、からだを臨戦態勢にもっていくための息だからです。

日常的に吸う息に重点を置いた呼吸をしていると、ちょっとしたストレスにも過敏に反応するようになります。

p.8 はじめに
しかし、呼吸法はそうした消極的な養生ではなく、志を高く持って、日々、からだの内なるいのちのエネルギーを向上させていく、いわば「攻めの養生」です。今日よりもより良い明日へ向けて、一歩ずつ前進していくのが目標です。
つまり、自分の生き方を完成させていくことが「攻めの養生」の要諦で、その結果としてストレスとうまくつきあっていく術を身につけることが出来ます。

ストレスをなくすことは出来ないし、適度なストレスは生き甲斐にもなるので、ストレスとうまくつきあっていくことが大事とのこと。

p.19 自分が変わると、周りのも自然に変わっていく
しかし、たいていの人はストレスの多い「場」で悩んでいても、簡単に別の「場」に移ることも出来ず、必死で耐えているのが現状ではないでしょうか。

そうしたストレスに悩む人から不満や愚痴を聞いたとき、私は何時も次のようにお話しします。
「あなたがとても苦しい状況にあることはよくわかりました。でも、あなたもその場の当事者の一人であることを忘れてはいけません。いい場を作るには、自分も努力する必要があるのですよ

自分自身の生命場に蓄えられたいのちのエネルギーを高めることによって、ストレスに動じないこころを養うのです。いのちのエネルギーが向上すると、こころが安定して、多少のストレスがあっても気にならなくなります。

理不尽な上司、性格の悪い仕事仲間という「場」を、いい「場」にするには自分が変わらないといけない。
これもパニック障害を克服したかたの回答が素晴らしい - How Many Books Do You Have?にあったギブ&ギブに通じる。
なんか今までに読んできた、ネット上の文や本の内容がどんどんリンクしてきた。
多読もなかなか良いな。

p.25 適度なストレスはあった方がいい
日常の様々なストレスは、この自然治癒力を絶えず刺激し、戦力の衰えを防ぐことに一役買っていると思われます。

ストレスも一概には悪者とは言えないか。

p.35 現代のストレスは自律神経をかく乱する
自律神経は自律制御で動いているため、一度バランスが崩れてしまうと回復させるのなかなか困難です。
しかし、唯一、私たちが自らの意志で自律神経に働きかけることが出来る方法があります。それが「呼吸法」なのです。
息を吸うと交感神経が活性化されます。逆に、息を吐くと今度は副交感神経が活性化されるしくみになっています。そこで副交感神経を優位に働かせる手段として、今注目されているのが、吐く息を重視した呼吸法です。
意識して深くゆっくり「息を吐く」ことによって、おいてきぼりをくらっていた副交感神経が働き、交感神経とのバランスが回復していきます。

これもどこかで読んだ。息を吐くことは副交感神経を優位にし、息を吸うことは交感神経を優位にする。

p.53 呼吸は生きるためのもの、呼吸法は養生法
生きるための呼吸をさらに一歩進め、呼吸を”意識的”にコントロールすることによって養生法として進化させたのが「呼吸法」です。

呼吸と呼吸法の違い。

p.55 呼吸法をおこなうための3つの柱
調身
調身とは、姿勢を整えることです。
呼吸法をするときは、上半身の力が抜けて、下半身に力がみなぎった姿勢が良いとされています。具体的には両足を肩幅に開いて立ち、両膝をゆるめ、肩の力を抜きます。頭頂に糸がつけられ、天からつりさげられているようなイメージの姿が理想です。「上虚下実」と呼ばれる状態です。このように姿勢を整えると、臓器が全て本来の場所に治まった安定感を体感できます。

調息
調息は、呼吸を整えること。すなわち呼吸法のことです。
まず鼻からすーっとゆっくり息を吐き、息を全て吐ききったら、今度はその反動で息を吸います。呼吸をすることに対して、常に意識を向けることが大きなポイントとなります。

調心
調心は、こころを整えるとこを意味します。
雑念を無くして何かに集中している状態が理想です。無念無想ではなく、先入観を持たないニュートラルなこころが要求されます。何か一つの事象やものを頭に思い浮かべます。モンゴルの草原など。
このとき、目をつぶらずに半分開いた状態(半眼)でおこなうと、意識を内部へ向けやすくなります。
調心で大切なのは、目的意識を持たないということです。たとえば、「この呼吸法で慢性疾患を乗り越えるんだ」といった思いが強いと、それは雑念となり、ときには心身に変調をきたす要因ともなります。

調心はヨガの瞑想と似てる。

p.57 「丹田」を意識するのがポイント
ですから、結果的に腹式呼吸になっていますが、丹田」を意識するところが、腹式呼吸とは大きく異なります

つまり丹田は、いのちのエネルギーが湧き出る源泉だと思っていただければいいでしょう。

これに対して腹式呼吸は、横隔膜と腹筋を大きくリズミカルに動かすことで、内臓に対するマッサージ効果を期待するものです。呼吸の度に腹圧が変動し、お腹や胸の血液の流れがよくなって、脳にもいい影響を与えます。その結果、体の緊張が緩んでリラックスします。

p.63 ストレスや不安を抑える「セロトニン」を増やす
呼吸法は、ストレスと関係の深いセロトニン神経にもよい影響を与えることが、東邦大学の有田秀穂氏の研究で明らかにされています。
セロトニン神経は、ストレスや不安を抑えると同時に、過剰な高揚感も抑えるという両極端の働きがあり、通常はその微妙なさじ加減で、こころのバランスが平静に保たれています。

セロトニンの本「セロトニン脳」健康法―呼吸、日光、タッピング・タッチの驚くべき効果 - How Many Books Do You Have?でも呼吸(腹筋呼吸)を推奨していた。

p.65 ストレスや不安を抑える「セロトニン」を増やす
中国・春秋戦国時代(紀元前7〜前3世紀)に編纂された書物『荘子』の中に、次のような記述があります。
「真人の息は踵を以てし、衆人の息は喉を以てす」
真人とは、悟りを開いた仙人のような人を示します。そうした卓越した人物は、足の裏から大地の気を吸い上げ、頭のてっぺんまで達するような深く大きな呼吸をしているが、俗人の息は浅く、喉元であえぐようにしているというわけです。
つまり、からだにムダな力みがなく、全身がリラックスした状態にあると、踵で呼吸をしているように感じられるということです。

パニック障害からの快復 こうすれば不安や恐怖は改善できる - How Many Books Do You Have?に出てきた”QR(クワイエティング・リフレックス 鎮静反射)”でも、「足の裏の穴から息を吸い込み、それが脚を伝わって上ってきて、胃にはいってくるのを想像する。温かさと「重さ」が上の方に広がってくるのを感じる。」という似たフレーズが出てきたことを思い出した。

p.81 日常生活の合間に上手に楽しむ
一つは、息を吐くときは、ストレスで体内にたまっている老廃物(エントロピー)を、虚空に手渡すことをイメージしながらゆっくり吐くこと。
そして二つめに、息を十分に吐ききったら、今度はゆっくりと息を吸いながら、虚空の豊かなエネルギーを存分に取り込むこと。そして、いずれの場合も、下腹部にある「丹田」をつねに意識しておこなうことが原則です。

p.118 朝のウォーキングの呼吸法
三呼一吸
鼻から3回息を吐いて、鼻から1回大きく吸うだけの呼吸法です。呼吸を意識しながら歩くことで、それが呼吸法になるのです。

呼吸に集中していると、不安などの雑念も飛び、気分が軽くなります。

p.157 からっぽのこころにエネルギーが注がれる
呼吸法は、毎日コツコツと、そして淡々と長く続けることがいちばん大事で、現世利益を望んではいけないというのが原則です。

欲望、邪念があってはダメということか。

内容(「BOOK」データベースより)
セロトニンが増える、免疫力アップ、感情をコントロール。呼吸を変えると不調がなくなる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
帯津/良一
帯津三敬病院名誉院長、医学博士。1936年生まれ。1961年東京大学医学部卒業後、東京大学医学部第三外科、共立蒲原総合病院外科、都立駒込病院外科医長などを経て、1982年埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立し、院長となる。2001年より同名誉院長。西洋医学に中国医学や気功、心理療法などをプラスし、こころ、からだ、いのちという人間まるごとをとらえるホリスティック医学を実践しているがん診療の第一人者。講演や大学での講義も多数行っている。日本ホリスティック医学協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)