パニック障害は治る―認知行動療法から食事法、薬の上手な飲み方まで ★★★★☆
2005年出版
治療は、投薬で抑えて、認知行動療法というパターン。
パニック障害の治し方に多くのページを割いており、「薬物による治療法」、「食事療法について」、「認知行動療法について」、「認知行動療法を実践してみよう」、「毎日の記録を忘れずに」というパートに分かれている。
「食事療法について」では必要な栄養素を提示し、サプリメントも推奨している点は丁寧で同意できた。
認知行動療法について多くのページを割き、記録の付け方など具体的に提示されていて実践してみたい人にはとても役に立つのではないだろうか。
認知行動療法がよく分からない、知りたい、興味がある、実践してみたい人にはお勧め。
それ以外の人には★4つ。
p.18 まだまだ研究途上のパニック障害
パニック障害は心の病気だと言っても、やはり体の健康状態と密接に関係していると言うことです。生活のリズムを整え、栄養のバランスを取ることが、体だけでなく心の免疫力を高めるのです。
その通り。自分は担当医からは規則正しい生活をしているか?、食事は何を摂っているか?ということを一回も聞かれたことがない。症状とその処方のことしか頭にないようだ。
p.59 発症のかぎとなる化学物質
日常生活で身近なものは、カフェイン、二酸化炭素、乳酸です。
ここでも二酸化炭素。
p.60 二酸化炭素
パニック障害の間者に二酸化炭素を多く含んだ空気を吸わせると、パニック発作が起こることを、実験で示しています。これは、血液中の二酸化炭素濃度が上昇して、血液が酸性に傾くと、呼吸中枢の神経が呼吸を促進する方向に作用して、これがパニック発作に繋がると考えられています。
わずかな二酸化炭素の増加に過敏に反応して、窒息するのを防ぐための警報が間違って発せられるためだと、クライン博士は考えています。警報の誤作動によって自律神経が反応し、呼吸困難や窒息感、胸のつかえといった不快症状が起こるというのです。
実験的に明らかなわけね。
p.92 まずは食生活の改善を
特定の栄養素の不足や過剰は、体の臓器に悪影響を与えることはよく知られていますが、それは、脳にも当てはまることです。
同意。俺は担当医から食生活について聞かれたことは一度もない。
自分でパニック障害の本を読みあさり食生活がとても大事だと気づかされた。
p.96 トリプトファンの働きを高める栄養素
精神を安定させる脳内神経伝達物質のセロトニンは、必須アミノ酸の一種のトリプトファンが元になっていると書きましたが、そのトリプトファンはビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6などのビタミンB群やマグネシウムなどと一緒に、脳内のセロトニンをつくります。
p.134 不適切な思考パターンを修正する「認知再構築」
思い込みによる「心のクセ」を直す
ある種の不安に晒されたとき、その不安をどんどん大きくしてしまう反応が、パニック障害の患者には身についています。一般の人たちにとっては、取るに足らないような、ささいな不安に対しても過剰に反応してしまうのです。
p.142 不適切な思考と身体感覚の誤解を正す
【状況】乗客の多い時間に停車駅の数が少ない快速電車に乗る
不適切な思考
- きっとパニック発作を起こす
- 電車に乗ると自分をコントロールできなくなる
- 降りたいのに降りられないと気が変になる
- 周りの人たちはきっと私は変だと思う
- こんな思いをしているのは絶対に自分だけだ
- こんなふうに考えてるのは頭がおかしくなったからだ
より適切な思考
- 不安が増すことをあっても、パニックは起こらないだろう
- 電車の中でも自分自身がコントロールできなくなることはないだろう
- 次の停車駅降りればいい。気が変になることなど無いだろう
- リラックスする方法を身につけているので、周りの人は私の不安に気がつかないはずだ
- パニック発作の経験者が、私以外にも、この電車の中にいるかもしれない
- 不安が高まっているだけで、別に頭がおかしくなったわけではない
こういった不適切な思考(マイナス思考)を”心のクセ”として正してく事が必要なのは分かる。
p.174 パニック障害は必ず治る病気
パニック障害の治療は、まず薬で症状を抑えて、生活習慣や食生活を改善し、そのうえで認知行動療法を行います。薬物療法だけ、認知行動療法だけ、という治療法では、思うように効果は上がりません。実際、薬物療法と認知行動療法を平行して行うと、完治率が上がるというデータもあります。必ず療法の治療を行うようにしてください。
そして大切なのが、患者自身の、治りたい、絶対に治すんだ、という強い意志です。
同意!
突然、不安や恐怖が襲ってくる、比較的新しい心の病、パニック障害。慢性度が強く、多くの場合うつ病に移行するため、なかなか完治しないと思われています。しかし、正しい治療や訓練を根気よく続ければ、パニック障害は必ず治ります。巣鴨のクリニックで多くのパニック障害患者を完治させてきた渡部芳徳先生が、パニック障害を克服するための治療法をくわしく解説。段階的にできることを増やし、不安や恐怖を克服していく認知行動療法のやり方、パニック発作のきっかけを作る食生活への警告とその対処法、処方される薬の種類と薬物療法の進め方など、パニック障害を完治させる方法がこの一冊ですべて分かります。渡部先生が作成した、パニック障害とうつ病の経過パターンが一目で分かる【ひもろぎ式不安&うつ症状度チェック】つき。数値を毎日グラフに書き込むことで、いまの自分の状態をしっかりと把握することができ、治療に大きく役立ちます。