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過呼吸への対処法の間違い

過換気症候群におけるペーパーバック法(ビニール袋か紙袋などを使って呼吸をする)は現代医学では危険だということで推奨されていない。

過換気症候群にペーパーバック法はいけません(その2):救急科専門医の独り言:So-netブログより、その理由。

過換気症候群の治療として効果がない事が多い。
・著明な低酸素や死亡の報告が続いている。
・器質的疾患で過換気になっている患者(例えば、肺水腫や代謝性アシドーシス)では、PCO2を増やし、PO2を下げる事が致命的になる可能性がある。
・呼吸困難に陥っている患者さんに対して、この方法は行いにくい。
二酸化炭素そのものが患者の不安を助長する可能性がある。

また米国呼吸療法士blog ペーパーバッグ法はもういけない?より、米国でもそのようだ。

救急の世界では結構知られているようですが、もうこのペーパーバッグ法は勧められていないのですね。


そもそも過呼吸のメカニズムは?
パニック障害と過呼吸 - How Many Books Do You Have?より

p.26 過呼吸のとき深呼吸するのは逆効果
過呼吸とは過剰に呼吸をしてしまうことですが、なぜ呼吸によって沢山の酸素を体内に取り入れるのに、苦しくなるのでしょうか。
 これは以下のような理由によります。
血液中の酸素は、赤血球の成分であるヘモグロビンとくっついて、体の各部分まで運ばれます。各部の細胞では酸素を消費して二酸化炭素を排出しているので、二酸化炭素の濃度が高くなっています。そのような場所に行くと、ヘモグロビンは酸素を切り離して細胞に酸素を提供します。
 しかし、呼吸しすぎると、二酸化炭素が過剰に体外に排出されてしまい、血液中の二酸化炭素の濃度が下がります。そうすると、酸素とヘモグロビンの粘着度が上昇して、ヘモグロビンは酸素を切り離さなくなる、すなわち、細胞に酸素が提供されなくなってしまうのです。
 細胞に酸素が足りなくなると、体は呼吸を更に増やして、大量の酸素を取り込もうとします。しかしその結果、血液中の二酸化炭素の濃度がさらに下がって、ますます酸素が細胞に行かなくなるという、悪循環に陥ってしまうのです。
 さらに悪いことには、二酸化炭素が少なくなると、体内がアルカリ性に傾きます。そうすると末梢にカルシウムが放出され、手足にしびれが来ます。これが過呼吸のメカニズムです。

過換気症候群(過呼吸)にビニール袋 ー 危険かも? - 審美歯科 熊本市帯山 前田歯科ブログより

酸素飽和度のモニターを行わずにペーパーバック再呼吸を行ったり、100%酸素を投与するのは、、、無謀です。繰り返しますが、特にビニール袋で数分以上再呼吸するのは危険な場合があります

しかも歯医者の方がパニック障害に関してご理解があるのがなにより嬉しい!!



過呼吸への正しい対処法(1/2) | 病気のQ&A【OKWave】より

昔は、袋をよく使いましたが、既出のように今はあまり用いられません。
対処法ですが意外にラクです。
「しゃべらせる」
しゃべっている時って、過呼吸できないんです。

不安や心配などが昂じてくると胸が苦しくなりドキドキと次第に呼吸が浅く速くなってくることがあります。この状態がもっと進行してくると呼吸は荒くやたら喘いで体内への酸素供給が過剰になってきます。すると血中の二酸化炭素分圧が極端に低下して痙攣を起こすようになりますが、これは酸素供給による過剰なエネルギーを痙攣によって消費する反応です。ですから過剰なエネルギーが消費されると痙攣はおさまります。簡単に言うとこれが過呼吸の仕組みです。

痙攣を起こしてる現場に遭遇するとこのままどうにかなってしまうのでは、と怖くなりますが、その痙攣が起こることで発作は治まるわけです。過呼吸で痙攣が起きたらほったらかしで良いのです。別にそれが不親切でも薄情なことでもありません。体が自ら防衛反応として筋肉にストレスをかけることでエネルギーを消費させるわけですから、理に適っています。体は間違ったことはしません。

へーーーーーー。
ためになったわ。この人間の生体メカニズムすごい!興味湧くわ。いいなぁ医学生って。

以前はお書きになっているペーパーバッグ法が推奨されていましたが、
現在の救急現場ではむしろ以下の意味で禁忌となっています。

  • 穴をあけたとしても窒息する可能性がある
  • 過呼吸の人は大脳レベルで一時的に呼吸コントロール異常をきたしているので、ペーパーバッグはさらに本人にストレス(恐怖。混乱)をきたし改善のきっかけにならない。
  • ペーパーバッグで二酸化炭素を吸入することに治療効果は少ない

ドラマ、映画、”スーパードクターK”などの医療漫画の影響でペーパーバック法を使っているのを何度も見てきた。ビニール袋だと目が細かすぎるので、目の粗い紙袋の方が良いというすごくリアリティのある知識さえ何かから得たこともあった。(これは低酸素を防ぐための対処であるかもしれない。)

またインターネットでの”過呼吸”、”過換気”、”対処法”、の検索結果は圧倒的にペーパーバック法による対処法が多く載っている。

枚挙にいとまがない。
医師がペーパーバック法を勧めているのもある。


過呼吸症候群のページ(心療内科)
こちらの方はペーパーバック法の効果の有無は理解しているが、効果がある人には隙間を少し作ってペーパーバック法を利用しているとのこと。

ペーパーバッグ法といって、紙袋を口にあて、吐いた空気を再度吸い込むという行為をくり返し、血中の二酸化炭素濃度をあげる方法が一般的です。 ただしこの場合、空気が漏れないようにと紙袋を口にぴったり当てすぎると酸素不足になってしまいますから、少し隙間は作っておきます。 ところで最近、このペーパーバッグ法の効果の有無がよく話題にあがります。使用すると逆に良くないという意見も。私の長年の治療経験から申しますと、ペーパーバッグ法には効果のある人と効果のない人がおられるようです。実際に効果があると感じられておられる方は、そのままペーパーバッグ法を用いられれば良いでしょう。


過呼吸にペーパーバッグ法はだめらしい - -- マイナス×マイナスより、この方はペーパーバック法は効果がないとのこと。




自分も過呼吸にはペーパーバック法が今の今まで正しいと思っていた。

現在も実際の医療現場で、まだペーパーバック法が使われていたりして混乱状況にあることに驚きだ。
正しい対処法に統一すればいいのに。



最後にwikipediaで”過換気症候群”と”過呼吸”は違うことを知った。
原因が違うことによって分けているとのことだった。
しかし、どちらも二酸化炭素が足りなくなっているという点では同じようだ。
残念なことに(医師が編纂しているとはかぎらないから)Wikipediaではどちらの対処法としてもペーパーバック法が記載されている。

過換気症候群 - Wikipedia
原因が「精神的な不安」にある

過呼吸 - Wikipedia
呼吸を多く必要とする運動の後に起こる