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高校生からわかるイスラム世界 池上彰の講義の時間  2017年42冊目

池上彰の「高校生からわかるイスラム世界 池上彰の講義の時間」を読んだ。


高校生からわかるイスラム世界 池上彰の講義の時間 (集英社文庫)

高校生からわかるイスラム世界 池上彰の講義の時間 (集英社文庫)

★★★★★


宗教というのは、救いになるのかもしれないが同時に人間を縛り付けて自由を奪っていると思った。

豚を食べては駄目、一夫多妻制、利子を取ってはいけないなど、池上彰がいうようにその当時には意味があったかもしれないが、今はその意味がない。

教えなので古いままで更新されず、縛られていく。

「神がそうおっしゃったから」という答えは、外から見ればおかしいが信者はおかしさに気が付かない。

そこが恐ろしいと思った。


自分は、市民によって作られた法律と科学的な根拠があるものに基づいた社会のほうが良い。

p.22

アメリカの黒人たちは、多くが以前はキリスト教徒だったのですが、なかなか黒人差別がなくならない現実に失望して、キリスト教からイスラム教に改宗する黒人が増えています。

知らなかった。


p.160、162

もともとクウェートもイラクもオスマン帝国でした。オスマン帝国が解体してしまった後、イギリスがクウェートとイラクに分けたのです。
イラクのフセイン大統領は、「もともとクウェートもイラクの一部だったのに、イギリスによって勝手に分割されてしまった」という恨みを持っていたこともあり、クウェートを自分のものにしようと考えたのです。
(略)
ところが戦後、クウェートだけがイラクに対して援助の返済を要求したのです。また、クウェートは戦争中、イラクとの国境地帯の油田から大量に採掘を行い、これをイラクのフセイン大統領は「盗掘」と発表しました。
こうして1990年、イラクは突然、クウェートに攻め込みます。

ちゃんと理由があったのね。

当時は、たんに油田が欲しかったみたいな報道だったような。


p.202

共産主義と言う考え方は無神論です。神様なんかいないんだという考え方です。これは、マルクスの「宗教は阿片だ」という言葉からきています。
世の中の資本家階級は労働者を搾取している。ところが宗教は、「この世では苦しくても、やがて天国に行ける」と主張し、労働者の怒りを押さえつける役割を果たす。宗教は、労働者が搾取されている現実に目覚めることを妨げる役割を果たす麻薬のようなものだという主張です。
宗教を否定する共産党に率いられたソ連という国は、無神論の国です。

ロシアというとキリスト教のイメージがあるんだど、どうやってロシア正教は生き延びたんだ?


p.240

中東の砂漠の中に立つとよくわかります。砂漠で、植物がほとんど育っていないようなところだと、人間は本当にか弱い存在です。自然の中では、人間は本当に孤独な存在です。そうなると、一人ひとりが神様にすがっていくしかないのではないかという心細い気持ちが出てきます。
インドのような熱帯では、どんな動物でも、あっという間に死んでしまうけれでも、また大変な勢いで、強い生命力を持った生き物が生まれてきます。ああいう世界だと、人間が死んでも、また生まれ変わるという感覚が生まれます。輪廻と言う発想は、あのインドだからこそ、生まれてくるのかなと思います。
日本のような、自然の豊かなところだと、きれいな森があったり、林があったり、池があったり、川があったりして、美しい自然があって、ここに神様いらっしゃるんじゃないかと感じる瞬間があります。

風土によって、それぞれの宗教が育ってきたのかなという気がします。

そんな感じかな。


内容紹介
イスラム教徒=テロリストではない! 池上彰が奥深いイスラム世界を、自身が行った高校生への講義をもとに語る。時事性や世界情勢を踏まえて加筆した文庫版は、イスラムを理解するための必読の書。


内容(「BOOK」データベースより)
世界の4人に1人はイスラム教徒。それなのに私たちは、彼らの本当の姿をほとんど知らないのでは?イスラム世界が経済をはじめ、世界情勢を動かしつつある今、イスラム教を知ることが不可欠―。だから教えて、池上さん!イスラム教の起源や戒律から、絶えない紛争の理由、そして「イスラム国」。池上彰が高校生に語った講義をわかりやすくまとめた、本当のイスラム世界を知るための必読書!