スポンサーリンク

池上彰の世界の見方 中東~混迷の本当の理由 2017年39冊目

「池上彰の世界の見方 中東~混迷の本当の理由」を読んだ。

池上彰の世界の見方 中東: 混迷の本当の理由

池上彰の世界の見方 中東: 混迷の本当の理由

★★★★★

タリバン、アルカイダ、イスラム国、イスラム過激派によるテロ、中東戦争の発生原因が簡潔に分かるのでおすすめ!

タリバンはソ連のアフガニスタン侵攻
アルカイダはアメリカのサウジアラビア駐留
イスラム国はアメリカがイラクを倒し支配者の少数派を排除
イスラム過激派によるテロはイギリス、フランス、ソ連のサイクス・ピコ協定、アメリカのシリア介入
中東戦争はイギリスの三枚舌外交

p.27

ソ連軍の兵士たちは戦争の恐怖心を紛らわそうとして、麻薬に手を出しました。
(略)
現在のロシアでは、麻薬が大きな問題になっています。その原因をたどれば、アフガニスタン侵攻にあったのです。

p.28

実はアメリカもベトナム戦争で、アフガニスタンにおけるソ連兵士と同じように大勢の麻薬中毒患者を抱える悪夢を経験していたのです。アメリカで麻薬が蔓延する直接のきっかけは、ベトナム戦争でした。

死の恐怖を紛らわせるために麻薬に手を出すというのはパターンなんだ。


p.100

そのパレスチナに、「ナショナルホーム」を約束されたユダヤ人たちがどんどん移り住んできます。パレスチナに住んでいたアラブ人たちは、最初のうちはこのユダヤ人たちを新しい住人として受け入れていました。

「軒先貸して母屋盗られた」みたいだ。


p.130

イエスが死んだ後にキリスト教ができたのですか?
イエスはユダヤ教徒として生まれ、ユダヤ教徒として死んでいったのです。キリスト教と呼ばれるようになったのは、イエスの死後弟子たちがイエスの教えを広めていったからなんです。

そうか、生前はユダヤ教改革者で、キリスト教を布教していたわけじゃないのか。


p.163

日本では、太平洋戦争が終わってもしばらく経っても、主なエネルギー源は石炭でした。1950年代、大学生の人気ナンバーワンの就職先は石炭産業だったのです。


この先、主エネルギー源が石油から再生エネルギーに変わるのを目にするのだろうか。


p.189

難民たちがみんなスマホを持っているって、すごいよね。難民という言葉からは、経済的に困窮している人々をイメージするかもしれないけれど、シリアは、実は生活水準がかなり高いんです

思っていた難民、シリアと全然違った。
シリアの収入源はなんだろう?

シリア基礎データ | 外務省

主要産業
石油生産業、繊維業、食品加工業

石油が出るのか。


p.208

今、世界で起きているニュースはやがて歴史になります。みなさんは、その歴史の目撃者です。皆さんはそういう激変の時代にいきているのです。ただ、目撃するだけでいいのか?積極的に関わることによって、歴史をつくることになるのか?一人ひとり考えてみてください。

この感覚って日常にないなぁ。


中東情勢の基本が驚くほどよくわかる。

国際紛争の震源地ともいえる中東。
イスラム過激派によるテロが頻発し、大勢の難民が欧州に流入。
なぜこんなことになってしまったのか?
その答えを見いだすには、歴史のどの地点から見直せばよいのか?
池上さんは、現在の中東の混乱は、1978年のソ連によるアフガニスタン侵攻から振り返るとわかりやすい、と言います。
自称「イスラム国」(IS)が誕生して世界でテロが頻発するようになるまで、約40年の間に何があったのか? 
大国の身勝手、イスラム教の宗派対立、土地や資源をめぐる争い。
理解しがたい中東の真実が、池上さんによって鮮やかに解説されます。
本書は、池上彰が選ぶ独自のテーマで、世界の国と地域を解説する『池上彰の世界の見方』シリーズの4冊め。
中東とイスラムの基礎・基本がよくわかります。