「一気にわかる!池上彰の世界情勢2018 国際紛争、一触即発編」を読んだ。
一気にわかる!池上彰の世界情勢2018 国際紛争、一触即発編
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
- 発売日: 2018/01/26
- メディア: 単行本
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読んでると東西冷戦時代のほうが落ち着いていたんじゃないか?と思わされるほど、世界はザワザワしていると気付かされた。
p.22
北アイルランドのカトリックの人たちの中に、イギリスから離れて、アイルランドと一緒になりたいという運動を起こした人たちがいたのです。
しかし、イギリスもアイルランドもEUに入ったとことによって、北アイルランドとアイルランドの間で自由に行き来できるようになり、結果的に一つになったことで、北アイルランドのテロは収まりました。
あるいはスペインはカタルーニャで独立運動があり、その他にもバスク地方が独立を求めて、テロがありましたが、スペインがEUに入ったことでバスク地方とフランスとの間に自由に行き来できるようになり、テロがなくなりました。
国境を自由に行き来できるだけでこんなに良い効果があるとは知らなかった。
p.23
マクロン大統領は自伝のなかで「フランス人は何をもってフランス人とするか。それは、フランスに生まれ育ったものをフランス人とするものではない。フランス語を大切にするものをフランス人とするのである」と書いてあります。
フランスに来た移民には「良きフランス人になれ」ということでフランス語を徹底的に学ばせます。フランス語を喋れるようになればフランス人として認めるという価値観があるのです。
一方、アラブ民族の定義は何かというと「アラビア語を話す人たちです」。文化や民族の基盤は言葉なのですね。
同じ言語を喋れれば誤解を生じにくい。
自国の文化に強制的に従わせようとすれば反発が生まれるかもしれないが、同じ言語を喋ることで社会に溶け込み自然に自国の文化に触れさせ、染み込ませることができるような気がする。
とても良い手なのでは?
クルド人自治区の独立投票
p.118
自治区が独立したらイラクは分裂しますから、イラク政府は猛反対。隣国トルコも反発しています。トルコ国内にも多数のクルド人が住んでいるため、彼らも独立に動くのを恐れているのです。
これが賛成多数でも独立できない理由か。
p.124
宗教は、違う解釈をする人たちが出てきて分裂することがあります。そのなかには、「この世ではひたすらアッラーのことだけを考えて生活しなさい。天国に行ってから楽しみなさ」と教える人たちがいます。彼らは「イスラム原理主義者」と呼ばれますが、この考え方を無理やり他人にも押し付けようとするのがイスラム過激派です。「イスラムの教えを貫く戦いで死んだら、すぐに天国にいける」と信じています。
イスラム原理主義者とイラスム過激派は別という説明。
アメリカの大統領にドナルド・トランプ氏が就任し、世界は大激変しています。核実験やミサイル発射を繰り返し、緊迫化する北朝鮮情勢。イスラム国が無くなっても、増え続ける国際紛争の火種。サウジアラビアとイランの対立が激化し、第五次中東戦争の勃発リスクの高まり。イラクから独立したがっているクルド人とは? ノーベル平和賞受賞者でミャンマーの事実上の国家元首のアウンサウンスーチー氏が国際社会から批判されるロヒンギャ難民問題とは。スペインのカタルーニャ州の独立の動き。イギリスのEU離脱で、スコットランドや北アイルランドで高まる独立の声。世界のリーダー、ドイツのメルケル首相を悩ます難民問題。そして、建国の父の毛沢東並みの権力を握ったとされる中国の習近平国家主席の「一帯一路」(陸と海に新たなシルクロード)構想の野望とは……。