『池上彰のこれが「世界のルール」だ!』を読んだ。

- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/09/05
- メディア: 文庫
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池上彰は与党にちょっとあたりが強い気がする。
でも現政権の監視役としてのメディアの一員であることを考慮すると当然だ。
そう考えるとこの本は偏らずにいい具合のポジションで書かれていると思う。
諫早干拓おける税金の無駄に関しては怒りが湧いてきた。
なんで決着を付けないのか。
p.219
フランスはカトリックのお国柄。カトリックは離婚がご法度。一度結婚すると離婚できません。それなら離婚しなければいいと思うのは日本人的発想でしょうか。「結婚していなければ離婚問題は生じない」というわけで、正式な婚姻関係を結ばずに同棲(懐かしいい言葉!)する人が多く、事実婚と呼ばれてきました。
事実婚でも、「結婚」しているようなものですから、配偶者の権利を認めようということになり、一九九九年に法整備が行われました。「パックス」(民事連帯契約)によって共同生活していれば、結婚しているのと同等の社会保障が受けられますし、財産分与や相続などの権利関係もはっきりさせることができるようになったのです。
この結果、事実婚のまま子どもを生むカップルが多く、婚外子の比率は五割を越えてします。
英検の出生率低下対策として”婚外婚を認める”というのがある。
こういう成功例を提示されると素晴らしいと思ってしまうが、カトリックの下地を考慮していない気がする。
日本ではそもそも離婚は禁忌じゃないので、婚外婚を認めたところで出生率上昇に繋がらなそう。
p.269
集団自衛権は、日本が攻撃されなくても、日本と関係の深い国が他国に攻撃されたら、日本が攻撃されたのと同等に受け止め、関係の深い国を攻撃した相手の国を日本が攻撃できるというものです。
これに対し、集団安保とは、他国を侵略したりして平和を乱した国に対し、国際社会が団結して制裁することです。決めるのは国連の安全保障理事会。
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p.300
川上:だから多様性を生み出すには、無駄が必要なんです。無駄イコール多様性で、効率化すると、多様性がなくなってしまう。
池上:聞いていると、川上さんは混乱を引き起こして、その中から良くわからない新しいものを意図的に世に出すことで、ライバルに真似されないものを作ることを常に考えていますよね。
ちょっとしか川上量生との対談がないけど、それでも彼の考え方がとても面白いと感じた。
彼の本を読んでみるかな。
p.306
たとえISが消滅しても、テロはなくなりません。軍事力で対抗できることには限界があります。中東問題の解決や欧米社会の反イスラムの動きの抑制などイスラム過激派が生まれる土壌を少しでも減らしていくこと。時間がかかりますが、それしか方法はありません。
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平和は終わった!
「イスラム国」からピケティ「21世紀の資本」まで、
大困難の時代に必要な50の知識
「日本が攻撃対象であることを名指しされる時代になりました。
過去ののどかで平和な時代は終わりを告げたかのように見えます。
では、どうすればいいのか。
まずは「敵」を知ることです。
歴史から現代が見えてくるのです。」――「はじめに」より
池上さんが「渦中の人」となった朝日新聞問題や
川上量生さんとのスペシャル対談も収録!
【目次】
ルール1 組織拡大術――「イスラム国」が急成長したわけ
ルール2 トラブル解決法――間違いの謝り方が勝負だ
ルール3 ホンネを見抜く――公開情報から推理する
ルール4 歴史の勉強法――社会人は教科書「世界史A」を読もう
ルール5 究極のリーダー術!?――独裁・中国はどこに行く
ルール6 お金、マネー、資本を知ろう
ルール7 交渉術、プレゼンテーションを磨け
ルール8 ビジネスのカギは科学にあり
ルール9 インタビュー術!――「いい質問」をする秘訣