スポンサーリンク

チャンク英文法―文ではなくてチャンクで話せ!もっと自由に英語が使える

チャンク英文法―文ではなくてチャンクで話せ!もっと自由に英語が使える ★★★★☆

著者の一人である田中茂範さんの「NHK新感覚☆わかる使える英文法」が素晴らしかったので、図書館で借りて読んだ。

チャンク英文法というタイトルだが、英文法の説明では、特にチャンクは関係していないと思った。
他の文法書と違うのは、コアイメージとその派生で説明しているので単純で分かりやすいという点だ。
p.156からのスピーキング、リスニング、リーディングで、やっとチャンク英文法らしくなった。
そのチャンク英文法とは、特殊なものではなく、高校の時「前から訳しなさい」と教えらて自然に身についていたものだった。

チャンク自体は自分には新鮮でなかったが、英文法の解説が新鮮だったので★4つ。

p.80 未来の表現を使い分ける
主な未来形の表現

  • will do 現在の意志(つもり)から推量(だろう)の意も生じてくる
  • will be doing <〜しているでしょう>と未来の進行状況を予測する
  • do (推量の余地がない)確定的なことは未来であっても現在形で表す
  • be doing <今している>かのように、ワクワク・ソワソワしながら語る
  • be going to do <(すでに)行為に向かっている状態ある>スタート地点がそれ以前にあり、「しようと思ってた」という感じに近い
  • be to do <行為に向かう状態にある>公的な予定を示すことが多い
  • shall do <何かすることを負うている>ということを示す

こんなにあるとは。ニュアンスが書かれているのが嬉しい。

p.81 未来の表現を使い分ける
◆willのコアは「現在の意志」
willが「単純未来」表すというのは正しくない。「明日は日曜だ」と単純に未来のことをいうとき、Tomorrow is Sunday.とwillを使わずに現在形にするのはなぜか説明できないからだ。
 そこで、willのコアを現在の<意志>として、そこからどのように意味が発展するかを考えてみよう。
i will help you anytime.(いつでも手伝いましょう)
は自分の意志の表明になる。
一緒に来て貰いたいけど、「来てくれるかなあ」というなら、
will you come with me?
と相手の意志を問えばいい(これは「来るつもりある?」ともとれるから、はっきり「依頼」にしたいときにはpleaseをつけよう)。
でも、
he will come on time.
で「彼は時間通りに来るつもりだ」
とするのはムリがある。第三者の意志はわからないからだ。そこで、「そうする(意志がある)だろう」と推量された意志として解釈される。そこから、
it will rain tomorrow.(明日は雨でしょう)
のように、「推量」を前面に出した用法も可能になってくる。

助動詞will 〜する意志がある
自分の意志を述べる 〜するつもりだ
相手の意志を尋ねる 〜するつもりがありますか?
第三者の意志を推量する 〜する(つもりがある)だろう

「〜するだろう」となる推量の用法は、自分や相手にも応用できる。

willを使うと不確実性が感じられるので、確定的な事は未来でもwillを使わない。
will doでは意志が前面に出るということで、will be doingで、未来の進行状況の予測を示すことがある。この形は、意志が前面に出ないために、差し障りのないクールな表現としてよく使われる。
例えば、
will you be coming tomorrow?(明日来られるでしょうか)
は、意志ではなく予定を聞いてることが伝わりやすいし、
i will be waiting for you.(お待ちしております)
は、自分の未来の状況を予測する感じで、
i will wait for you.(あなたを待っています[待つつもりです])
のような押しつけがましさ(自分の意志を前面に出す感じ)がなくなる。


◆willを使わない確定的な未来
willを使わない現在形で未来について述べるのは、変更があり得ない確実な事を示す場合だ。確実な事は未来でも現在とひとつという発想で、
we leave for Paris tomorrow.
といえば、単なる予定ではなく、事実として織り込まれている感じがする。
will leave
だと、予定は未定といった感じになる。

この使い方は、いわゆる時・条件の副詞節にもあてはまる。
if it rains tomorrow, I'll stay at home.
(明日雨が降れば家にいるつもりです)
では、条件として雨が降ることを確定させるためにrainsとする。
will rainでは「雨が降るだろうなら」となって条件自体が定まらない。
let's go when you are ready.
(準備が出来たら行きましょう)
でも、will beでは準備をする意志や予定がある時(つまり実際は準備が出来て無くても)出発しようということになってしまう。

◆beを使って、今の状態から未来をほのめかす表現
beを使う未来表現は、いずれもbe空間に収まる今の状態を示すことによって未来をほのめかす。
we are having a party tonight.
(今晩パーティーがあるんです)
の「be + going + 未来の副詞」には、心の中(または準備段階)ではもう進行の状態で、ワクワク・ソワソワしているという感じだ。
「be + going + to do」には、すでに行為に向かっているから、それ以前にスタートしているというニュアンスがある。willがこれから先だけ意識するのと対照的だ。たとえば、雨が降るだろうと、その兆候を見てからいうなら、
it is going to rain.
が自然で、
it will rain.
だと、あくまで今から先への推量になる。また、待ってもいなかった電話が鳴って、「私がとりましょう」というなら、
i'll get it.
でいい。これはその時点での意志であって、それ以前は関係ないからだ。「be + to do + 未来の副詞」は、
the next meeting is to be held next month.
のように、公的な予定を示すのが普通で、新聞などの書き言葉で良く出てくる。

EXERCISES
もう成人か。でも、それも日々元気でいればこそだ。
he (is / will be) twenty next month.

正解
he will be twenty next month.
日付は何が起ころうと確定しているが、人の年齢はその人が無事に生活していないといけない、つまり、不確実性が残るからwill beとする

we will move into our new house this spring.
予定としてはそうなってます
we are moving into our new house this spring.
もうソワソワして落ち着かないよ
we move into our new house this spring.
実現間違いありません
we are going to move into our new house this spring.
ある程度準備してきました
we will be moving into our new house this spring.
その時点のことを予測している

条件のif節でwillを使わない理由が氷解した!!!!!!
続日本人の英語で出てきたif節のwillはどうした?と思った。
続日本人の英語 その1 - How Many Books Do You Have?より。

遅れることになったら、電話するよ
If I will be late, I will call you.

「もし遅れたら」じゃなくて、「もし遅れることになったら」という不確定な条件だからwillが使えて問題ないんだろう。

p.86 助動詞1
◆canのコアは<可能である>だ。
何かをする可能性として、「(能力的に)〜できる」と「(事情が許せば)〜できる」がある。
canをある状況を実現させる<可能性>を表すと見れば、「(理論上の可能性として)〜することがある」という意味になって、
following instructions are can be meaningless.
(指示に従うことが無意味なこともある)
のように使う。

◆<阻止するものがない>のmay、<強制力>のmust
何かの認識を示すのにmayを使えば、「〜かもしれない」という五分五分の判断になる。
mustのコアは<強制力>。ある行為に強制力がはたらくなら、「〜しなければならない」という義務になる。

◆「〜すべき」のネットワーク
mustと比べると、have toはより客観的な感じがする。must<強制力>から(内面的)義務感をほのめかすのに対して、have toはto do<行為に向かう>という状況をhaveしていると外から見ていうだけだからだ。
shouldは<〜してしかるべきだ(がまだしていない)>をコアとして、「提案・忠告」などを表す。「べき」といっても、mustのような強制力はなく、むしろ常識・良識に訴える感じがする。

you must not smoke in the disignated non-smoking areas.
のようにmust notで、(禁止の)ルールとして強制力を示したほうがすわりがよく、ここでshould notはちょっと迫力に欠ける。

had betterは「〜したほうがいい(しないとまずい)」というくらいの表現。
you'd better listen to my advice.
(私のアドバイスに従った方が良いぞ)
のように、かなり高圧的な響きがあり、ときに脅しにもなる。だから、使うなら目下または親しい人に対してが無難だ。

p.88 助動詞2
◆「〜しようとしたものだ」のwould、「今とは違ってかつては」のused to
過去の習慣を示すwouldは、もともとwillの過去形で、過去の意志(推量される意志も含めて)からきている。

used toは「(今とは違って)かつては〜」という意味で、客観的に現在との対比で過去のことを述べる表現。

◆今から振り返って判断する ”助動詞+have done”
なぜhave doneかというと、すでになされたことはdo(原形)では表せない。かといって、did(過去形)を使うわけにはいかない。助動詞の後ろでは原形を使うと決まっているからだ。そこで、have doneの形をかりてきたと思えばいい。

◆助動詞の慣用表現
can't enough / can't too (〜しすぎることはない)
i can't thank you enought.(どれだけ感謝しても感謝しきれません)
i can't do enough for you. (あなたに対してどれだけのことをしても十分ということはありません)

can't help ing(〜せざるを得ない)
i cant't help falling in love with you. (君との恋に落ちていくのはおさえようがない)
そうする自分を救いがたい、だからどうしてもそうしてしまう、ということ。

would rather (むしろ〜したい)
i would rahter die than give up my dreams. (夢を諦めるなら死んだ方がましだ)
は、自分の願望を語る表現で、would ratherの直後では仮定法を使うこともある。
a: Do you mind if I smoke?
b: I'd rather you didn't. (できれば遠慮してほしいです)

might as well (どうせなら〜したほうがいい)
since we are passing the supermarket, we might as well go shopping.
(スーパーを通っていくから、どうせなら買い物しちゃおうか)

p.111 何をどれだけ否定する?
◆コト・モノ・頻度の否定、準否定、部分否定
否定の主な表現には、コトの成立の否定(not)、モノの存在の否定(no)、頻度の否定(never)の3つがある。

notはふつう動詞を否定して、「〜というわけではない」という意味になり、noはno moneyのように、モノの数量[度合]をゼロにするのが基本。そこから、
he is not a gentleman.
(彼は紳士である+というわけではない=彼は紳士じゃない)

he is no gentleman.
(これが紳士である度合いはゼロ=まったく紳士といえない)
のニュアンスの差も見えてくる。
he is never a gentleman.
は、頻度(確率)的に、そういえることは決してないという感じだ。

すべての一歩手前まで否定する準否定も3タイプある。コトの程度についてnotの手前の「ほとんど〜しない」はhardly、数量的にnoの一歩手前はfew/little(ただし、これらは形容詞または代名詞)、頻度的にneverの手前はseldomやrarelyで表すことが出来る。

notで100%肯定の語(all/both/every/always/necessarily/entirely/quite, etc.)を否定すると、「100%〜というわけではない」という意味合いの部分否定になる。たとえば、
i'm not always perfect. I'm not a superman.
(いつもカンペキというわけじゃないよ。スーパーマンじゃないからね)
のように使う。
全体を否定したい場合は、no/neither/neverかnot+any/either/everを使って」どれ(で)も/どちら(で)も/いつ(で)も+ない」とする。

◆二重否定、否定語を持たない否定表現
コトバの表面にはnotなどの否定語がないのに、メッセージが否定的になる表現もある。
he is anything but polite to me.
(彼は私に対して決して礼儀正しくない)
her beauty is beyond description.
(彼女の美しさは言葉では表現できない)
などのほか、
who can trust such a dishonest politician?
(いったい誰がそんな不誠実な政治家を信じることが出来るのか=誰も信じることは出来ない)

◆否定の強調、否定がらみの相関表現
一般に英語で強調を行うには、語句を足す方法と語順を変える方法があり、それは否定を強調する場合でも変わらない。
語句を足す場合としては、
i'm not at all afraid of the dark.

語順を変える方法としては、否定の副詞チャンクをイントロに立てて、直後で統治を起こして強調する方法がある。
a child should not be abused under any circumstances.
(どんな状況に於いても子供は虐待してはならない)
は、
under no circumstances should a child be abused.
として強調することが出来る。

he had hardly received his paycheck than he wasted his money on horse racing.

hardly had he received his paycheck than he wasted his moeny on horse racing.

he not only designed the plan but he carried it out.

not only did he desing the plan but he carried it out.

否定を絡めてAとBの2者をコントラストで示す表現がある。
not A but B (AではなくB)
not so much A as B (AというよりむしろB)
not only A but (also) B (AだけでなくBも)
が主なパターンで、いずれもAに対してBが強調される。

p.121 節の副詞チャンク2
◆比較の慣用表現
she cant't so much as boil water.
(彼女は湯を沸かすことさえできない)
などは、can't doの強調として能力がないことを大げさに表現するときにも使える。without so much as doing
(〜さえもせずに)
も同様にwithout doingの強調だ。
the more you have, the more you want.
(持つ物が増えれば増えるほどますます欲しくなる)
the sooner, the better.
(早ければ早いほどよい)
のように簡略化されることもある。

  • there are no more than 50 students in this class.

50より多い度合いがゼロ=それしかいない=only

  • there are no less[fewer] than 50 students in this class.

50より少ない度合いがゼロ=そんなにいる=as many as

  • there are not more than 50 students in this class.

50より多いわけではない=多くて、せいぜい=at most

  • there are not less than 50 students in this class.

50より少ないわけではない=少なくとも=at least

i can no more abandon my children than give up my own life.
(子供を捨てることが出来ないのは、自分の命をあきらめられないのと同じだ)
は<両方否定の構文>で、
i am no less serious than you are.
(ボクが真剣なのは君と同様だ)
は<両方肯定の構文>。

p.135 情報展開をトリガーする形容詞
it + be + 人柄の形容詞 + of 人 + to do
人柄の形容詞(kind,nice,wise,careless,stupid, etc.)

forではなくofを使うのは、形容詞で示す性格がof以下の人から出てきて、そこに属するというニュアンスを示すため。

it was stupid of me to leave my dirver's license at home.

p.142 前置詞1
◆ofは<出どころ・もどる先>
100 kilometers west of Tokyo
(東京の100キロ西)
でfromではなくofを使うのは、出所でしかもそこから離れる去るわけではないから。

◆byは(手が届きそうなくらい)<そば>
the window was broken by the boy.
は、窓が割れてるそばに少年がいた、なら、その子がやったんだという推論から来る用法。
手が届きそうな距離を「差」と見なせば、
he is taller than his brother by three inches.
が可能となり、時間的にみてすぐそばを「締め切り期限」と捉えれば、
finish this by tomorrow.
ということもできる。

p.145 前置詞1
EXERCISES
the little boy was in pain after the swing hit him in the face.


on the faceじゃなくてin the faceなのは何故だろうか?
めり込んだなら分かるが、ブランコはめり込まないよな。
hit me in the face (私の顔に当たる):1年でTOEIC 900 鈴木 拓では

hit me in the face


とある。
English-Japanese Sentences with 'face' (英和対訳)でも

he flicked me in the face.
彼は私の顔を指先でぽんとはじいた。
i slapped him in the face.
彼の顔をひっぱたいた。

とある。inが正しいようだ。
ムム。これはonとinのコアイメージじゃあ説明が付かないなぁ。
やっぱりinの感覚が鋭敏として、暗記しないといけないか。

p.147 前置詞2
◆aboveは<あるレベルより上に>、belowは<あるレベルより下に>
aboveとbelowはレベル差があれば真上・真下でなくてもいい。

that math question is above me.
(その数学の問題は私の理解のレベルを超えている)
は抽象化された例。

p.152 前置詞2
◆動詞+副詞のイディオム
動詞に副詞がくっついて、動詞熟語を作ることがある。ここでの副詞は前置詞と同じように空間的な意味を持ちながら、名詞に直接働きかけない物と考えればいい。

get on the trainのonは後ろの名詞との接触を示す前置詞だからonの位置は動かせない。
一方、put on your coatのonは動詞の意味を拡張する副詞なのでput your coat onもOKだ(代名詞では必ずput it onの語順になる)。これは、put your coat on (your body)→put your coat on→put on your coatのように、your bodyが当然の物として省かれ、やがて身軽になったonが動詞putと合体したと考えられる。

内容紹介
「チャンク」って何?
 それは単語でもなく、文でもない、いくつかの単語が集まった「意味の断片」のこと。
私たちが日本語で会話する場合、最初から最後まで文を作ってから話すことはまずありま
せん。頭に浮かんだ断片をそのまま口に出しながら話をつないで行くのが普通です。
しかし、いざ英語で話そうとすると、頭の中で「完璧な文」を作ってからでないとしゃべ
れない完全主義者になるのはなぜでしょうか。
 単語を並べるだけ、度胸だけの英会話ではもう恥ずかしい。かといって、沈黙している時間の方が長いようでは相手にされない。そこで、日本語と同じように意味のかたまりであるチャンクをドンドンつないで話せるようになろうというのが本書です。

★なぜ英文法なの?
自分の言いたいことをちゃんと伝えるには英文法の力が必要です。でも、ピリオドで終わるまでの英文ではなく、you could say so, butとかShe's just likeとか、数語単位のチャンクの中で文法を使えばいいのだから、はるかに簡単。しかも、本書の文法はいろいろな決まりごとをひたすら覚える英文法とは全く異なります。わかっているつもりでも、いざ話そうとする不安になるaとtheの使い分けも、イラストを見て感覚的につかみ、エクササイズで「あー、そうだったのか」と納得する構成です。最後には、文法なんて意識しな
いで、「自動的に使える」ようになるのがこの本の目的です。

★チャンクはここまで使える!
 チャンク単位で英語が話せるようになれば、「リスニングも聞こえた順に」わかるようになります。「リーディングも後戻りせずに、頭から」理解できるようになります。なぜなら、チャンクが使えるということは、長い英文の「意味の切れ目がすぐにわかる」ということ。英語がドンドン流れる中で、意味の切れ目を瞬時に判断するには、文法力が不可欠。つまり『チャンク英文法』は文法を自由自在に使いこなして、英語の運用能力を飛躍的に高める画期的な実践本なのです。