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9割の病気は自分で治せる

9割の病気は自分で治せる ★★★★☆

カテゴリー1に属する人(外来の患者9割に相当する)が病院に押し寄せ、現代医療の大きな問題になっているという問題提起、それに対する持論、カテゴリー1に属する人への治癒法のアドバイスで構成されている。

著者の現代医療の問題提議が熱い思いがとても良く伝わった。
しかし、それにページを大分割いており、タイトルである「9割の病気は自分で治せる」からは離れてしまっている。
どうやったら病気を治せるのかという期待でこの本を手に取ったら、タイトルと内容の違いにがっかりするだろう。

趣旨は、病気を治すには自己治癒力を理解し高めていくことだという。
自己治癒力を高める具体的な方法が書かれており分かりやすい。
またその実践の成功例からも、自然治癒力がいかに大切さかが分かった。
この考えは一生使えるものだと思う。天風哲学と同じだ。

p.4 はじめに
ところで私の周りでは、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満症、痛風、便秘症、頭痛、腰痛症、不眠症自律神経失調症などは総称して「喜劇の病気」と呼ばれています。

「喜劇の病気」は原則として自らの力で治すことができますし、仮に医者の力が必要な場合でも、ほんのわずかなアドバイスで事足ります。

糖尿病、不眠症自律神経失調症も自らの力で治すことが出来るのか?
本当かな?

p.29 病気は3つのカテゴリーに分けられる

  • カテゴリー1 医者が関わっても関わらなくても治癒する病気
  • カテゴリー2 医者が関わることによって初めて治癒に到る病気
  • カテゴリー3 医者が関わっても関わらなくても治癒に到らない病気

p.61 高血圧は、降圧剤だけでは解決しない
むしろ、肥満や、ストレス負荷が重なったりして、自律神経のリズムやバランスが乱れ、交感神経が優位になったために血圧が高くなったのだと思われました。ちなみに自律神経の1つである交感神経は、運動をしたり精神的に緊張したりしてドキドキしたときに活動する神経で、心拍数や血圧を上げるなど、全身の活動力(エネルギー)を高める方向に働きます。
Cさんの血圧が上がったのも、体重が増え、ストレス負荷が強くなったCさんの身体のエネルギー需要を確保するためには、必要だったと思われます。今のCさんにとっては、より血圧を高めることが、心身に有利なために高くなっているのだと話しました。

”根本的な解決”とは、血圧が高くなった原因そのものを是正することです。血圧の値だけをむりやり薬で下げてみても、何ら解決にはならないということなのです。多くの方は”根本的な解決”をなおざりにするせいで、かえって薬をずっと飲み続けなくてはいけないハメに陥るのです。それこそ本末転倒です。立ち直りを不可能にするために降圧剤を飲んでいるようなものだと思います。


症状は身体からのシグナル。それを無理矢理、対処療法である降圧剤の服用で鎮めるのは良くないと思わされた。

p.107 アトピーは、根本的な原因を解決しよう
アトピーに限らず、他の慢性疾患においても共通して言えることですが、慢性的なストレス負荷が、往々にして症状憎悪の大きな原因になっています。したがって、単に薬剤を用いて対症的に治療するだけでは、いつまで経っても薬から離脱することができず、治癒することもありません。


ここでも中村天風の「身体は病んでも、心は病ませるな」が活きる。

p.152 自己治癒力を高めよう
また、薬剤を際限なく処方し続ける医者も摂理に反していると思います。薬剤は基本的に異物です。薬剤は言い換えれば毒物ですので、ずっと処方し続けるのはさけるべきです。どうしても必要な場合に、必要な期間に限り、用いるべきです。
慢性疾患は原則として、考え方、食事をはじめとした生活習慣の是正が不可欠であり、それが治療の第一優先です。それでも対処できない場合には攻撃的な手段(西洋医学的な治療手段である、投薬、手術、放射線照射)を必要最低限用いるというのが常道だと思います。


著者の治療方針が明確で分かりやすく書かれている。
こういう考え方は分かっているんだけれども、医者が薬を処方すれば、飲まなければ治らないという強制力が自分に掛かるからなぁ。

p.171 自己治癒力を高めよう
非常にシンプルですが、「自分のやりたいことをやる」「嫌なことはできるだけやらないように工夫する」「あまり我慢しない」、これが意外にも自己治癒力を高める強力な手段なのだということを、数多くのがん患者さんやがんサバイバーの方たちから教わりました。


これも中村天風の言葉「心を積極的に」が当てはまる。

p.178 自己治癒力を高める14の方法
1 前屈みの姿勢をやめる
交感神経を優位にし、股呼吸も小刻みになり、全身の血の巡りを低下させてしまいます。
2 ときどきゆっくりと深呼吸
深呼吸は自律神経のバランスを整える上でも非常に有用です。

3 食にこだわる
和食を中心にすることでかなり改善されます。

4 便秘にはくれぐれも気をつけよう
便秘は腸内環境を測る1つの大きなバロメーターなのです。

5 ベースサプリメントを上手に用いる

6 気がついたら、ときどき爪もみ
爪もみには、自律神経のバランスとリズムを整える効果があります。
やり方はしごく簡単で、両手(できれば両足も)の各指の爪の生え際辺りを片一方の親指と人差し指ではさんで少し強く揉むだけです。揉む強さは少し痛みを感じる程度で、時間は10秒くらい、回数は1日に10回くらいを目安に行うことをお勧めします。

7 ついでにツボ刺激!
「百会」とその周囲の四神聡を刺激すれば「気」が高まると言われています。この2者を刺激すれば自律神経のバランスが是正されるとして最近にわかに脚光を浴びています。実際には、モルヒネ同様の鎮痛、鎮静効果のあるエンドルフィンというホルモンが分泌され、副交感神経が優位になり、リンパ球数が増え、自己治癒力が高まります。

8 温冷浴を習慣にしよう
湯船につかる温浴と、シャワーを浴びる水浴を、交互にそれぞれ3〜4回ずつ繰り返します。最初は温浴から、そして最後は水浴で終わります。自律神経のバランスとリズムが是正され、全身の血行が著しく改善されるとともに、リンパ球数が有意に上昇します。

9 血流をよくする「ふくらはぎマッサージ」
1日10〜20分、アキレス腱のあたりから、膝に向かってゆっくりとマッサージをします。

10 「易筋効」はとても簡単!
整体手法の1つです。「自己治癒力を著名に高める(整体機能)」「がん治療の回復を早める(免疫力を高める)」「肩こり、頭痛、腰痛、膝痛、目のかすみ、耳鳴りなどの不定愁訴を改善する」等の効果が期待できます。
1日1回行う(就寝前がよい)

11 1日に6000歩、歩こう!

12 7時間睡眠のすすめ
自己治癒力は、寝ている間にこそ、しっかりと修復され強化されているのです。

13 自己治癒力を高める「海外旅行」と「読書」
2つとも自己治癒力を有意に高めてくれます。それは、リンパ球数の増加や、がん患者さんの予後追跡調査などで確認しています。

14 薬は控えめにする


自分がこの本を読む前から実践しているのは、14の内1、2、3、4、5、11、12、13、14の9つ。
まぁまぁ上出来じゃないか。

内容(「BOOK」データベースより)
風邪や、高血圧、糖尿病、頭痛、不眠症などの慢性疾患は、本来、自己治癒力で治るもの。安易に病院や薬に頼り続けると、知らず知らずのうちに体が蝕まれ、病院の経営を助ける「おいしい患者」になってしまいます。生活習慣を改めるなどの根本的な治療が、いかに体に必要なのか、現代医療の驚くべき実情とともに、わかりやすく解説します。