「AIとBIはいかに人間を変えるのか」を読んだ。
AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book)
- 作者: 波頭亮
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/02/28
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
AIとBIによって、「人類が歴史的に保持し続けてきた『働かざる者、食うべからず』の規範を覆し、『働かなくても、食ってよし』の世の中が実現する」。
そんな時代は避けられないと思う。
AIとBIによって良いこともあるけど悪こともある。
月8万円のベーシックインカムでは何も出来ない。
田舎で家賃1万円の物件を見つけたとしても移動が不便だから車が必要だろう。
車を所有しなくてもほぼ生活費に消えていく。
国民健康保険がないから一旦病気になったら治療費を払うために借金をしなければならなくなる。
「働かなくても、食ってよし。でもちょっとした何かがあったら一気に転落するよ」という恐ろしい結果が待っているような気がする。
自分は結局現状と変わらず、「生きるために働く」ことになるのではと懐疑的だ。
一方、BIの利点は家族が多いほうが生きやすくなること。
一人暮らしなら月8万円。
4人家族なら月32万円。
現在の平均手取りと変わらなくなる。
親が仕事をして32万家に持ってきていたのが、何もしなくても32万家に入ってくる。
そうしたら「なにか新しいことをしてみよう」、「もっと家族との時間を持とう」と思うかもしれない。
そして、家族が多いほうが生きやすいから子供をもつきっかけになり少子化対策にもなるかもしれない。
p.121
大企業や富裕層の優遇と中間層~低所得層の冷遇という二極化は、国民経済のストック面を見れば明らかである。2005年から2015年の10年間、GDPは実質ゼロ成長であるにもかかわらず、企業の内部保留額は202兆円から378兆円へと176兆円も増え(87%増)、富裕層の金融資産も213兆円から272兆円へと59兆円も増えている(28%増)。
そして同じ期間に資産1億円以上の富裕層世帯が87万世帯から122万世帯へと41%増えた一方で、資産ゼロ世帯も1505万世帯から2366万世帯へと57%も増えている。つまりこれまでの政策はごく一部の人と企業を豊かにした半面、多くの中間層は豊かになれないままであり、そして中間層のうち少なからぬ人々が貧困層に転落していったことを示している。
景気は良くないのに株価はどんどん上がっていておかしいと思っていた。
数字で見ると企業は元気じゃないか。
感覚的には個人の収入は減っていてかつ企業も苦しい状態だと思っていた。
マルクスの書いているとおり、企業は利益を追求して従業員の待遇改善には興味がないんだろう。
p.246
AIとBIが生きるための糧を保証してくれて、必需と外的強制がなくなった世界において、人が豊かな生活充実した人生を手に入れるためには必要な資質は「やりたいことを見出す能力」ということになるのである。
そうなると良いけど。
経営コンサルタント・波頭亮によるAI(人工知能)・BI(ベーシックインカム)論の決定版!
産業革命以来の社会変化に対応するために読むべき必読書。【人類史上初、我々はついに「労働」から解放される。この歴史的大転換をどう生きるか! 】
すべての生産活動をAIが行い、生きていくためのお金はBIで賄われる。
働く必要ない世界はユートピアか、深い苦悩の始まりか―。
本書は「AIとBIは世の中をどう変えるのか」について分析し、予測し、メッセージを提起したものである。
単なる未来予想の一つの寓話になってしまわないように、まず簡潔に、しかし総括的にAIとBIについて紹介・解説して、それぞれが持つ現代社会を根底から覆してしまう可能性を分析した上で、AIが更に発達し、BIの導入が実現すると、世の中がどう変わっていくのかを明らかにしていく。
本書を手に取ってくださった方々が、AIとBIが社会にもたらすであろう変化とインパクトを知り、AIとBIによる豊かな社会と良き人生を実現するために少しでも参考になれば幸いである(「まえがき」より)