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前置詞がわかれば英語がわかる

前置詞がわかれば英語がわかる★★★★☆

前置詞のコアイメージからメタファー(比喩)により派生して使用範囲が広まったり、暗記で覚えていた前置詞が何故使われるのかがよくわかった。
また、暗記で覚えていた前置詞が場合によっては違う前置詞を使用しなければいけない、という例が掲載されており参考になった。

残念なのは、一部ネット検索でどちらの前置詞の方が一般的か調べたり(ヒット数比較)、何故そちらの前置詞が採用されるのかについて著者の推測でしかなく、語尾に「らしい」が散見される点だ。
つまり、学問として取り扱っていなく、著者自身も分かっていないので推測でお茶を濁しているのだ。
そここそ、ネイティブに聞いてみて、日本人である著者の言葉で学問的に説明してほしかった。

p.8 SPOで解明! 英語のしくみ
次の文を「このくつは歩きやすい」の意味にするためにはどれが良いでしょうか。

These shoes are easy to walk ( ).

1. in
2. on
3. with

この文はちょっと一ひねりされています。わかりやすい文に戻すと…。

These shoes are easy to walk ( ).
→It is easy (for you) to walk ( ) these shoes.

S→you P→( ) O→thes shoes

もうおわかりですね。「人+in 着用物」の関係が隠れていたわけです。
したがってThese shoes are easy to walk in. が正解です。
Onだと= It is easy to walk on these shoes. となって、「このくつは踏んづけるのが簡単だ」というおかしな意味になってしまいます。


withかと思った。

p.9 SPOで解明! 英語のしくみ
次の2つの文の意味を考えてください。文脈も考慮してください。

a. The new boss is a traditional woman. If you want that job, you should see her in a dark suit.
b. She has a great figure. You should see her in a bikini.

一見そっくりな文ですが、意味はまるで違います。

a. you should see her in a dark suit
S -> you P -> in O -> a dark suit
b.You shoul see her in a bikini.
S -> her P -> in O -> a bikini

a.ではyou + in a dark suit というSPO関係があって、「ボスはおかたい女性だから、仕事が欲しければ、君は黒のスーツを着て彼女に会う方が良いぞ」の意味。

一方 b. は目的語の her が in a bikini の意味上の主語で、「彼女はスタイルが良い。彼女がビキニを着ているの見ないと損だよ」という意味になります。

「5文型主義」の学校文法では、この2つの前置詞句をどちらもの単に「副詞句」として片付けてしまうので、 a. と b. の違いを上手く説明できません。
前置詞の主語を意識し、SとPとOの関係を考えるのどうして大切か、かんじていただけましたか・


a. をどう取るかによると思う。
S -> her と取ってしまえば、「黒いスーツを着た彼女」になってしまい b. と同じ意味なる。
どうして S -> her でなく S -> you としたのかの理由がないと意味がない。

p.14 前置詞で解く! 英語の謎とからくり
次の( )にふさわしい前置詞は何ですか。

1) She listened ( ) the telephone for a long time, but it didn't ring after all.

「listenにはtoがつくに決まってるんじゃないの?」と思った人はいませんか。丸暗記主義はいけません。正解はforなのです。次の2つの文を見て下さい。どちらも正しい英語です。

2) She is listening for the telephone.
3) She is listening to the teleohone.

2)は「彼女は電話が鳴ることを予期して耳を澄ましている」という意味になるのです。この文では電話はまだ鳴っていないのです。言い換えると、彼女(の聴覚)は電話に向いてはいるが、まだ電話の音には達していないのです。さっき見た A leave for B には、「AがBに向かう」の意味はあっても「AがBに達する」という意味はなかったことを思い出して下さい。

一方、3)はもちろん「彼女は電話の音を聞いている」という意味ですね。当然電話は今鳴っているのです。つまり3)では彼女(の聴覚)はすでに電話の音に達しているのです(A go to Bに、「AがBに達する」という意味が含まれていたのと同じですね。)

だから1)の空白にtoを入れてしまうと、後半で「しかし電話は結局鳴らなかった」と言っているので、矛盾してしまうのです。


なるほど。適切な前置詞を置かないといけない。

p.15 前置詞で解く! 英語の謎とからくり
中学で「熟語」として理屈抜きで丸暗記したlisten to の to も、こんなふうに for と対比すると、ちゃんと意味を持って使われていることが分かります。

p.18 前置詞で解く! 英語の謎とからくり
Are you sure you lost your key? Look ( ) the top drawer.
(drawere 引き出し)

1. at 2. for 3. up 4. in

「『ほんとうに鍵をなくしたの?一番上の引き出しを探してみろよ』だから正解は2. for に決まっているでしょ!」と思った人はいませんか。「look for = さがす」というような丸暗記思考しているかぎり、英語の仕組みはわかりません。

もしこの( )に for を入れたら、(だれかが引き抜いて持って行ってしまった)引き出し自体を探し求めることになってしまいます。見るのは引き出しの中なのですか、正解は4. in です。(Look in the top drawer.は Look for the key in the top drawer. が省略されたものと考えることができます。you が求めているは the key のほうですね。)

p.26 前置詞で解く! 英語の謎とからくり
for と to の使い分けについて、「そんな理屈を言わなくても、for には『利益』の意味があるんだから、『のために』と訳せるときは for を使う、と考えればいいじゃないか」と思う人もいるでしょう。

しかし和訳だけで英語を考えようとすると、かならず思わぬ落とし穴が待っています。たとえば次の文に考えて下さい。

She read a story ( ) her son at bedtime.

( ) に適するのは to ですか、それとも for ですか。

いきなりこの問題をやってもらうと、for を入れる人が大変多いのです。おそらく「彼女は息子のためにお話を読んであげた」と和訳思考をしてしまうのでしょう。
ところが、to の方が自然なのです。tell や teach 同様、read という行為の結果、a story という情報は私のもとに到着しますね。つまりread A to B はtell A to B の仲間なのだと考えれば、自然に理解できるでしょう。

read --- a story -> her son
S to O


到達のto

p.30 前置詞で解く!英語の謎とからくり
1) He spared me a few minutes.
2) He spared me a lot of trouble.

1)は「からは私に少し時間を割いてくれた」、2)は直訳すると「彼は私に沢山の手間を省いてくれた」つまり「彼のおかげで私は大いに手間が省けた」という意味です。どちらも「私のため(=利益)」になる行為だと言えますね。もし for =「ために」でいいのなら、どちらも for を使って書き換えられるはずです。
ところが、1)は書き換えられるのに、2)は for や to による書き換えができないのです。

○ 1) He spared a few minutes for me.
NG 2) He spared a lot of trouble for/to me.

SPO理論で考えるてみましょう。1)ではa few minutes は彼からme に与えられるわけですね。だからa few minutes + for me 「a few minutes が me に向かう」という形で表すことができます。
ところが2)ではtrouble はme に与えられるわけではありませんね。むしろ逆で、彼によってme が trouble から解放されると言った方が良いでしょう。ところがa lot of trouble for me あるいは a lot of trouble to me とすると、「trouble が私に向かう、達する」というまったく逆の意味になってしまいます。

p.32
saveという動詞にも2つの意味があります。

事実、私のアメリカ人コンサルタントの一人も、He saved a lot of trouble for me. と言うと、He made a lot of trouble for me. 「彼は私に多くの面倒を起こした」と同じような意味に聞こえると言っています。この意見からも、ネイティブスピーカーがSPO構造をいかに意識しているかが良く分かります。

4)とほぼ同じ意味をfrom で表すことはあります。これならおかしな意味になりませんね。
4) He saved me a lot of trouble.
4)' He save me from a lot of trouble.

p.33 「〜に」にダマされるな! ofとfrom
May I ask you a favor?
「あなたに頼み事をしてもいいですか」は
May i ask a favor of you?
と書き換えられます。
いったいなぜ「〜に」がofになるのでしょうか。どうして
May I ask a favor to[for] you?
ではないのでしょうか。
実はこのofは「〜の」ではありません。このofには、of本来の意味「分離:〜離れて」の意味が生きているのです。
ofと分離を表す前置詞offとは、もともと同じ単語だったのです。
ask a favor of youの文字通りの意味は「あなたから好意を求める」なのです。
SPO式だと

ask <- a favor of you
S P O
a favor to youやa favor for youとすると、逆に好意がyouに与えられることになってしまいます。

p.35 「人に期待する」はどう言うか
「親は子供に多くを期待しすぎる」
この意味を英語で表そうとして「日本語思考」で次のような文を作ってしまう人が沢山います。

NG Parents expect too much to their children.

SPO関係をチェックしてみて下さい。そう、too much + to their childrenでは、too muchがchildrenに与えられることになってしまいますね!
正しくは次の通りです。

Parents expect too much from their children.

「子供に多くを期待しすぎる」とは、言い換えれば「多くのものを子供から得ようとする」ということです。

p.37 order A to Bがいけないワケ
「和訳思考」に気をつけたい動詞はまだまだあります。
日本人は「その書店に本を注目した」という文を英文にするとき、よく「日本語思考」で次のような間違った英文をつっくってしまいます。

NG I ordered a book to the bookshop.

「〜に対して」と考えるからtoが浮かぶのでしょう。SPOで考えてみましょう。

I ordered a book from the bookshop.
S P O
つまり「本がその本屋から届けられるように命じる」というのが文の意味の構造です。言い換えるとorder A from Bにはorder A to be sent from Bという意味構造が隠れていたのです!
では、NGの文はどういう意味になるのでしょうか。
a book -> to the bookshop
 S P O
「本をその本屋に届けるように頼む」(= order the book to be sent to the bookshop)という意味になってしまうのです。

p.39 hideと「隠す」の違い
NG She hid the fact to her parents.
hideも、SPO構造を認識していないせいで、私たち日本人は、「『事実を隠すという行為』」を、親に対して行う」という考え方をするのです。
それをそのまま英語に当てはめようとするから間違うのです。正しい英文は次のようになります。

She hid the fact from her parents.
<- S P O

SとOの関係に注意して下さい。hideとはつまり、the fact(S)をher parents(O)から引き離しておく行為なのです。
the facts + to her parentsなんてやったら、秘密が親のところへ行っちゃってばれてしまいますよ!
hide A from Bのしくみは、次の文と全く同じなのです。

She kept the fact from her parents.
「彼女はその事実を親に隠していた」

p.42 「〜に欠席する」とabsent from
NG Miss Fukuyama was absent at the party.

OK Jennifer was present at the party yesterday.
OK Jennifer was absent from the party yetsterday.

英語では、欠席という状態を「人がある場所から離れている」と表現するのです。
つまり上の二つのSPOはそれぞれ次の文と同じしくみなのです。

Jennifer is at home.
Jennifer is away from home.

p.46 「結婚する」 be married to の起源
He is marrried to Lucy.
彼はルーシーと結婚している

このtoを日本人はよくwithにしてしまいます。これまた、with=「と」という「和訳思考」の産物です。
実はmarryという動詞には「と結婚する」以外に「を結婚させる」という使役的な用法もあるのです。marry A to B 「AをBと結婚させる」はgive A to Bと同じタイプの表現です。A be married to Bはmarry A to Bが受け身に変形されて生まれた表現なのです。

p.48
He has the house to himself now.は「彼は今家を一人で好きなように使える」という意味です。SPO構造はこうです。

have A to oneself
S P O
「Aを自分だけに所属した状態でもっている」のですから「Aを独り占めしている」意味になるわけです。

p.52 「与える」を表す2つのタイプの動詞

give型 V+A to B
Vの行為の結果、AはBに所属する(A belong to B) A -> B
provide型 V+A with B
Vの行為の結果、AはBを所有する(A have B) A + B

give型とprovide型ではAとBに来るものが逆転していることに注意して下さい。
give A to BではAが与えられるもの、Bが受け手ですが、provide A with BではAが受け手、Bが与えられるものですね。

p.56
I decorated white roses for you.
この文は「私はあなたのために白いバラを飾った」の意味になるかというと残念ながらそういう意味になりません。decorateはprovideタイプの動詞です。decorate A with B「AをBで飾る」という構造になります。たとえば次のように使います。

They decorated the trees with lights.「彼らは木々を電球で飾った」
S P O

cf. the trees with lights. 「電球のついた木々」

withを省略しても、decorate Aは「Aに飾りをつける」の意味しかありません。というわけで最初の文は「あなたのために白いバラにいろいろ飾りをくっつけた」という変な意味になってしまいます。

p.57
This problem is common ( ) all communities.
「この問題はすべての社会に共通だ」

正解はto。A be common to B「AがBに共通である」はA + to B「AはBに所属する」のSPO関係を含んでいます。A be peculiar to B「AはB特有である」も同じ仲間です。

inを選んでしまった。

p.57 with
次の文の意味を考えてください
He is married with a child.

当然ながら「彼は子供と結婚している」なんていうアブナイ意味ではありません。
でも間違った英語でもありません。
SPOで考えてみてください。
このwithは所有を表しています。
withの主語は He。
He + with a child = He has a child.
の意味に過ぎません。
だから、この文の意味は「彼は結婚して子供が一人いる」となります。
「AがBと結婚している」は A be married to Bでしたね。「〜と結婚している」を be married with 〜としてはまずい理由がこれでおわかりでしょう。


with = have 持っているというコアイメージ
to = に向かって到達するというコアイメージ 
ここから派生して所属、帰属する意味を持つことを知ると良く理解できた。

思ったんだが、「彼は結婚して子供が一人いる」という英文を書けと言われたら、
He is married and has a child.
と2つに分けてしまう。日本人なら多分そういう英文しか書けないんじゃないか?
He is married with a child.
なんて発想これっぽっちも浮かんでこない。
そっちの方が気になってしまった。

p.64 どうして<rob 人 of 物>の順なの? 「転地」という現象
He robbed me of my money.
これはofが本来持っていた「から離れて」の意味が生きている用法だと言われます(しかし、同じ分離の意味を持つfromを用いた He stolen my money form me. などと比べると、私たち日本人にはわかりにくい表現です)。
robの意味が「を奪う」でofがfromと同じく分離の意味なら、どうしてHe robbed my money of me. とならないのでしょう。

cheat A (out) of B 「AをだましてBを取る」
結果 A out of B 「AはBがない

rob A of B 「AからBを奪う」
結果A of B 「AはBがない」

outの有無という違いはありますが、rob A of Bもcheatと同じく、「Aをof B(Bから離れた=Bがない)という状態にする」という構造だと言えるのではないでしょうか。

p.67 out of はこう考えよう 人間優先の原則
They swindled $5,000 out of him.
They swindled him of $5,000.

意味はどちらも「彼らは彼から5000ドルだまし取った」で、ほぼ同じです。つまり<お金+out of 人>でも、<人+out of お金>でも、結果として人とお金が切り離されて、人のお金が無くなるという、結果的な意味には変わりがないというわけですね。
では、日本人にとって理屈でわかりやすい「お金+out of 人 = お金が人から出ていく」と言わずに、どうしてわざわざ<人+out of お金>の順になってしまうのでしょうか。
ここで考えられるのは、人と物の関係を文に組み立てるとき、英語には「人間優先の原則」とでもいうべき傾向があるのではないか、ということです。
どうも英語という言語には、ときには論理的に自然な語順を壊してまで「人間を前だそう=主題・主語の位置に置こう」という傾向があるように思われます。

He is out of money. (直訳「彼が金の外にいる」)の場合、むしろ「金が彼の外にある」つまり Money is out of him. のほうが「論理的」に感じられませんか。私たち日本人のイメージでは、お金は懐から出ていく物ですから。

p.73
He ate his parents out of house and home.

彼は両親が家を失うほど食べた。

日本語なら「彼は親の家を食いつぶす」と家を目的語にした方が自然かも知れません。とすると、これも英語の「人間優先」構造の一つなのでしょうか。

p.73 死体が床をはい回る??
The body is crawling with maggots.

その死体にはウジ虫がいっぱいはっている
crawlの主語はウジ虫のはずなのに、どうして死体が主語なのでしょうか。次の文なら私たち日本人にとって何の不自然さもありませんね。

Maggots are crawling over the body.

でもこの文ではウジ虫が主語=主題になっていて、死体はウジ虫の「背景」に過ぎなくなってしまいます。その死体がどんな状態なのかを述べたい場合には、これではまずいでしょう。そこでThe bodyが主語=主題の位置に格上げされ、逆にウジ虫が背景に引っ込んだのです。いわばこれは「場所優先構文」なのです。

もう少し、「あべこべ文」を見てみましょう。

I laid the floor with a red carpet.
「床に赤いカーペットをしいた」

「しいた」の目的語はカーペットのはずなのに、なぜ床が目的語なのでしょうか。

I ladi a red carpet overt the floor.

なら私たちにもわかりやすいのですが。
この文でも、場所(the floor)が優先されているのです。論理的な自然さを壊してまで、場所が前置詞の主語として前に置かれています。
考えてみると、「人が金を持っている」という所有の意味も「人(=場所)に金がある」と捉えることができます(実際、日本語でそう表現します)。だから「人間優先原則」は、「場所(所有者、容器)優先原則」の一種だと言った方が良いかもsれいません。

"Sorry, we are sold out."

もちろん言わんとすることは状況から分かりますが、何だが変な気がしませんか。
この文の謎を解いてみましょう。Coffee is sold out. 「コーヒーは売り切れました」は物が主語の文ですね。We are sold out.はこの文から次のようにできたと考えるべきでしょう。

We + Coffee is sold out.

We are sold out of coffee.

We are sold out.(of coffeeは文脈から分かるので省略)

このように、Coffee is sold out.という文にWeが導入され、主語として優先された結果、We are sold out (of coffee).という形が生まれたとしか説明できないでしょう。

p.117 相当・比例のfor
アメリカで、FINE FOR PARKINGと言う看板を見て車をとめたら、おまわりさんに大目玉を食らった日本人がいたという笑い話があります。
その人は多分この看板の意味を「駐車に好適」と考えたのでしょうね。実はこれ、駐車に適しているどころか、「駐車したらそれ相当の罰金を取ります」という意味の警告なのです。
fineには動詞もあります。

fine A for B 「B(行為)に対しAに曝気を科する」

fine for B 「B(行為)に対する罰金)


そもそもfineが多義語過ぎるな。調べてみるか。

p.121 比較の表現とforの関係

I like him all the better for his faults.
「欠点があるからなおさら彼が好きだ」

これも相当・比例のforなのです。

like him all the better for his faults
S P O
このtheは特殊な用法で、「その分だけ、それだけ」という意味を持っています。「その」はfor his faultsを指しています。つまりこの文を直訳すると、「彼の欠点に比例して、その分余計に彼が好きだ」となります。

I like him none the less for his faults.
「彼には欠点があるが、だからといって私は彼が嫌いではない」

まず直訳分析しましょう。noneは「ゼロ」、つまりまったくないと言う意味です。だから「彼の欠点に比例してその分、彼への好意が少なくなるこということはは、まったくない」が直訳です。

p.134 come up withの謎を解く
come up with A「Aを思いつく、提案する」という熟語があります。「come up withは『追いつく』の意味から『思いつく』の意味を持つようになった」などというよくわからない説明(詭弁?)も見かけます。
come up with Aを考える前に、A come upという表現を考えましょう。

1 A question came up.
「疑問が浮かんだ(出された)」
2 He came up with a question.
「彼は疑問を思いついた(出した)」

2の文は次のようにしてうまれたと考えられるのです。

He + A question came up.

He came up with a question.

つまり、A question came up.に人間Heが導入されると、人間優先の原則で本来の主語 a question は後ろに回り、with a questionとなったのではないでしょうか。


これはなかなか分かりやすい。納得。

p.136
同じような変形

The party went on.

They + The party went on.

They went on with the party.

The turth came out.

He + The truth came out.

He came out with the truth.

p.136 She is friendsの謎を解く
Patty is good friends with Marcy.
「パティとマーシーと仲良しだ」

主語が単数なのに補語が複数なのですから、文法的にはまったくもって不可解です。でも次のように、withによって主語Marcyが後ろに回されてできた文だと考えれば謎は解けます。

Patty and Marcy are good friends.

Patty is good friends with Marcy.

Patty and Marcy became friends→Patty became friends with Marcy.も同じ事です(became はmadeにしても可)。

Tom and Jerry shook hands.

Tom shook hands with Jerry.<

p.139 便利屋のwith 自動詞に目的語をつける?
”Hurry up!”「急げ」ですね。でもこれは自動詞で、目的語を付けることはできません。それでは具体的に何かを急がせたいときの表現はないのでしょうか。withを使えばそれができるのです。

Hurry up with the pizza!
「ピザを急いで」

同じように
Good luck!

Good luck with your job hunting!

これらのwithを使いこなせる人はそんなに多くないようですから、ぜひ覚えて置いて下さい。使えると便利だし、ちょっとかっこいいですよ。


これは、日本の英語教育では習わなかったかも。

p.140 Help
helpは日本人が間違いやすい動詞です。

NG My father helped my homework.
OK My father helped me with homework.

日本語の「手伝う、助ける」とは違い、helpは宿題や仕事のような「物」を目的語にすることができないのです。
このwithも、取れない目的語をいわば無理矢理くっつける役目を果たしています。


そもそも、なぜhelpは「物」を目的語に持てないことを知りたい。

p.146 言葉は容器、意味は中身
英語で話すは、speak in English.なぜby English. with Englishではないのか。
実は英語には、「言葉は容器、意味はその中身」というメタファのシステムがあるのです。

There is hidden meaning in his words.
S P O
例えばin short「簡潔に言えば」は、いわば意味をコンパクトな容器=言葉に入れることですね。おなじく「一言で言うと」はin a word。これは「考えを一語の中に入れると」です。in other words「言い換えると」も、意味・考えを「別の容器=他の言葉に入れ替えると」というメタファですね。

p.166 on one's mindとin mindの違い

I have something on my mind.
気がかりだ
I have something in my mind.
心の中に浮かんでいる、考えている

p.167 blame
次の( )にあてはまる前置詞は何ですか。
He blamed the accident ( ) me.

解説
「blame の後ろは A for B でしょ」と思った人はいませんか。
正解は on です。
次のような2つの分の使い分けをややこしいと感じる人があるかも知れませんが、今まで見てきたような on のイメージを持っていれば自然に理解できるでしょう。

a) He blamed me for the accident.
b) He blamed the accident on me.

どちらも「彼はその事故は私のせいだと言った」と訳せますが、仕組みは違います。
名詞の the blame は責任(=responsibility)という意味です
blame A on B は「Aの責任をBに負わせる」というしくみなのです。


どうしても blame と来ると for が連想されてしまう。
しかし、”文意から当てはまる適当なコアイメージを持った前置詞を選択しなければいけない”、と強く思わされた。 

p.174 「砂に書いた手紙」は letter ( ) the sand
ここではonとinの区別について考えてみましょう。
onは「接触」の前置詞です。接触というのは表面に限られますから、「表面感覚」の前置詞と言っても良いでしょう。
これに対してinは「内部感覚」です。AがBにの内部に入り込んだり、囲まれたりしていれば、in Bと認識されるのです。
問題なのは「どれくらい中に入り込めばonでなくinとみなされるか」です。結論から言うと、どうも英語ではこの「内部感覚」が鋭敏なようなのです。

NG letter on the sand
OK letter in the sand

OK? sit in the chair
OK sit on the chair

NG sit in the sofa
OK sit on the sofa

NG bird on the tree
OK bird in the tree

NG ribbon on her hair
OK ribbon in her hair

p.176 着用のinはどこまで使えるか?

a girl in a sweater
a girl in a hat
a girl in glasses
a girl in gloves
ここあたりになる、ちょっとついていけなくなるかもしれません。どうも英語では、着用物が身体の一部を包んだり囲んだりしているだけでinモードと認識するようです。といっても「指輪をした」「腕時計をはめた」などになるとwith a ring、with a watchが自然のようですが…。

p.177 記録メディアのin vs. on

NG picture[photo] on the newspaper
OK picture[photo] in the newspaper

NG in the front page of the paper
OK on the front page of the paper

NG his face on the picture
OK his face in the picture

NG data in the DVD
OK data on the DVD

NG data in the CD
OK data on the CD

p.186 put it onのonは「副詞」?
前置詞と見かけは同じなのに「副詞」と呼ばれる言葉あります。作文で「私はそれを着た」をI put on it.なんて書いたら、先生に、「違う!put it on.だ。このonは副詞だろ!代名詞は副詞の前に置くんだ」なんて言われて戸惑った人はいませんか。
前置詞と同じ形なのに「副詞」とはどういういことなのでしょうか。
「副詞」の正体に迫ってみましょう。

He put the hat on his head.

帽子は頭に被る物だからhis headを省略する。

He put the hat on.

でも前置詞は、名詞の前に置くからこそ「前置」詞なのです。後ろの名詞(目的語)がなくなってしまっては、もはや前置詞とは呼びにくいですね。そこで困った学者が考えたのが「副詞」という名前です。つまりHe put the hat there.におけるthereと同じような、場所を示す副詞だというわけです。

ひとまず「『副詞』とは前置詞の後ろの名詞(=目的語)が省略されたものである」と考えておきましょう。

出版社 / 著者からの内容紹介
S-P-Oで解明!英語のしくみ/前置詞で解く!英語の謎とからくり/「させる」と「させない」のからくり-to vs. from/前置詞の主語は名詞だけじゃない?/相当と比例-forの世界/魔法の前置詞?-withの働き/inの世界とメタファのネットワーク/onの世界 偶然?当然?-日本語と英語の一致/on感覚とin感覚-英語は「内部感覚」が鋭敏?/「デジタル」な点の前置詞atと範囲の前置詞in/「副詞」のしくみ