スポンサーリンク

英語感覚をみがくhaveとbe―2つの動詞で英語が見える (英語をきわめる)

英語感覚をみがくhaveとbe―2つの動詞で英語が見える (英語をきわめる) ★★☆☆☆

従来の文法を細かく追求するタイプの本。
ぱっと見た感じ読みづらいので、パラパラとめくり興味のあったところのみ読んだ。
以下の引用を見ると分かるように、説明が細かく冗長で分かりづらい。
★2つ。

p.31
自動詞 話し手の説明したい主語の動きを、その動詞一つで丸ごと説明する動詞で
他動詞 話し手の説明したい主語の動きを、その動詞以外の他の要素の助けを借りて説明する動詞

「子供が走る」という文を考えて下さい。主語の動きの説明は、「走る」の部分です。「走る」は、英語では、runで、自動詞です。つまりrunといえば、その動きを丸ごと説明できるわけです。The American Heritage Dicitionaryの定義を見ると、

run = to move swiftly on foot so that both feet leave the ground during each stride
一歩ごとに地面から足が離れるように素早く足で移動すること

とあります。これだけの意味がこの1つの単語に詰まっているのです

p.32
つまり、自動詞は意味が絞られていて、特殊な動きの全体を表し、他動詞は目的語に色々違った名詞を取れる、もっと一般的な意味の動きを表します。意味の特殊化の進んだ狭義な動詞である自動詞1つで表せることが、(他動詞あるいは自動詞を含む)複数の単語を使って表せば、言い換えが長くなります。反対に、他動詞は、目的語が外に出されているので、それだけ動詞自身の意味が一般化されていて、より広い意味を表すので、動詞自体の説明は、比較的短かなものです。

p.35
また、自動詞は、焦点の絞られた意味を持つために、文中での重要性が高く、他動詞は、外に目的語をとることから焦点が分担され、それ自体の文中での重要性が比較的低くなります。こうして、自動詞と他動詞では、動詞に於かれる重要性に差があります。この差は、次のような場合に明確になります。

A. The girl wished for a new bicycle.
B. She wanted a new bicycle.

Aでは願いが叶って自転車がもらえるかどうかははっきりしません。

A. The public official confessed to the crime.
B. He admitted taking bribes.

Aでは、「白状した」事実が大切で、Bでは、「賄賂を受け取ったことを認めた」ことが大切です。つまり、動作自体が重要ならば、自動詞が使われる傾向があります。

この説明は苦しくないか?
最初のBでも欲しがったが自転車がもらえるかどうかは分からないし、二番目のAは「罪を白状した」ことが大切ととることも出来る。
論理に客観性がないと思う。

p.36
日本人が混同する動詞の中に、graduate、marry、discussなどがあります。英英辞書で引くと、

gradute = to be grantd an academic degree or diploma
marry = to become united with in matrimony
discuss = to speak together about

とでています。
日本語で「卒業する」と訳すと、「何を」卒業するかが大切な情報と感じられ、動詞graduateの他に、「何」を表す名詞の目的語が必要と錯覚しますが、実際には「学位や修了証書をもらうこと」の意味では、その中に名詞がすでに含まれた特殊化した意味なので、自動詞です

たとえば、graduate from college(大学を卒業する)のように、前置詞以下、より詳しい説明(二次的な説明)を付け足すことも出来ます。この動詞は、まれに他動詞にもなり、「私たちは、100人の卒業生を出した」という時には、We graduated one hundred students.となります。

「誰かれと結婚する」という表現のときに前置詞が入ってしまうのは、日本語の「〜と」があるからと、日本語では「結婚をする」というので、動詞の意味に「結婚」という名詞がすでに含まれていて、自動詞のように錯覚するからです
英英辞書の定義にある「結婚で結ばれる」には、「誰と」の意味は入っていないので、動詞の外で名詞で目的語として説明しなければなりません。自動詞として使われる場合は、主語ですでに「誰と」が説明されている、たとえば

They will marry next year.
彼らは来年結婚します

などの場合に限ります。

「一緒に何かについて話す」という意味のdiscussは、「何を」かは、動詞の意味に含まれていないので、どうしても動詞の外に名詞で説明されなければなりません。つまり他動詞ですが、日本語で「ディスカッションをする」というので、「ディスカッション」の部分が名詞として動詞の意味の中に含まれるかのように錯覚して、自動詞に間違われがちです。実際は、動詞の外に「何を」ディスカッションするかの名詞での説明、つまり目的語がないと意味が成り立ちません。

p.164 be動詞とgetを使う受け身の違い
受け身には、get+過去分詞の形もあります。getを使う受け身には、次のような特徴があります。

  • 行為の結果は、getの主語に何らかの原因がある
  • getの前には、副詞が来ることが出来る
  • 過程を表すよりも結果を表す動詞の過去分詞を使う
  • 話し手の感情的な関与や出来事の意外性を表す
  • 過去刑の場合、be動詞よりも現在に近い過去を表す。
  • 状態変化の発端や始まりを表す
  • getのほうが口語的である

getの使う受け身は、getの使役の意味から発生したものです。be動詞を使った場合との意味の違いは、基本的なbe動詞の客観的で静的な主語の状態説明と比べると、getはれっきとした普通動詞で、基本的に、主観的な意志を持つ主語の動きを表しているという点です。それが理由で、getを使うと、行為の結果は、行為者や偶然が理由ではなく、getの主語の方に原因があるという意味になります。その上、getを使う受け身は、過去分詞になる動詞が継続性のある動作を表すものではなく、結果指向の意味の動詞に限られ、話し手の感情的な関与や出来事の意外性を含みます。

Kim was fired.
単なる事実を語っている
Nancy got fired.
おそらく彼女が何らかのへまをやったため
Their son was killed in an auto accident.
過去のこととして語っている
Eve got killed in a skiing accident last month.
最近のニュースや出来事として語っている

内容(「BOOK」データベースより)
学校で習わなかった「英語のしくみ」を一挙解明!頻繁に使われるbeとhaveがわかれば、「読む」「書く」「話す」「聞く」など、英語の本当の力が身につく。目からウロコの英文法書。
内容(「MARC」データベースより)
頻繁に使われるbeとhaveがわかれば、「読む」「書く」「話す」「聞く」など、英語の本当の力が身につく。目からウロコの英文法書。