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坊っちゃん Botchan (ラダーシリーズ Level 4)  2017年9冊目

坊っちゃん Botchan (ラダーシリーズ Level 4)


坊っちゃん Botchan (ラダーシリーズ Level 4)

坊っちゃん Botchan (ラダーシリーズ Level 4)

★★★☆☆


まさか夏目漱石の『坊っちゃん』を日本語よりも先に英語で読むとは思っていなかった。



表紙のイメージからか、青年教師が子どもたちに希望を与え良い方向に導くみたいな爽やかな話かと勝手に思っていた。


実際はドロドロとした狭い田舎の世界を描いた物語だ。


主人公の坊っちゃんは都会育ちで田舎の学校に赴任してきた新任教師。なぜか田舎者を蔑む。血筋を気にする。


一方、陰湿な田舎の教師は素性がばれないように坊っちゃんを笑い者に仕立て上げ苔落とす。坊っちゃんの何が気に入らないのかの説明はない。




噂話を信じれば、「それは嘘だ。直接本人からちゃんと話を聞いたのか?」と言われた坊っちゃん。


読んでいる自分が、誰が嘘をついているのか、誰が本当のことを言っているのか、だんだんと疑心暗鬼になってくる。

この点がとても良かった。


ただストーリはストレートで最近の小説と比べると物足りない。


Ikagin(最初の下宿先)を紹介し、Ikaginからの嘘のクレームを伝え、終盤では坊っちゃんと手を組むようになるPorcupine(Hotta)が1番怪しかったが…結局普通の終わり方だった。


もうひと悶着、ひとひねりあればなぁ。



読むのにかかった時間は2時間42分。
118wpmだ。


p.58

Making her wash your feet - who the hell do you think you are?

なぜIkagin(最初の下宿先)は”メイドのように扱われた”と嘘をついたのか?

なんのメリットもなさそうなのに。Red Shirt(assistant principal)の息がかかっていたのだろうか。


p.130

I'm going to Tokyo, Granny, to get my wife and bring her back with me.

坊っちゃんはなんでこんな嘘をついたんだ?

ハギノの女主人に心配をかけたくなかった?

やさしい英語で書かれた、多読に最適なラダーシリーズ Level 4(使用語彙 2000語)

Botchan (Soseki Natsume)
【総単語数 19,100語】

親からも乱暴者と爪弾きにされてきた坊っちゃん。物理学校を卒業し、唯一愛情を注いでくれる婆やの清を東京に残して、数学教師として四国の中学へと赴くが、そこにはよこしまな教師やいたずら盛りの生徒たちが待ち受けていた。一本気で正義感あふれる江戸っ子の坊っちゃんが、彼らに果敢に立ち向かう。英語で読んでも面白い、最も広く愛読されている夏目漱石の痛快ユーモア小説。

本書には日本語による登場人物紹介・用語解説が含まれています。