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アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。  2016年29冊目

アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。 ★★★★☆

トレードマークはアフロヘア、
朝日新聞コラム執筆や報道ステーション出演などで話題を呼んだ稲垣記者。
震災や節電、朝日新聞の報道姿勢など、
大反響を呼んだ退職するまでの記事に加え、
辞めた今だからこそ書けたことをまとめた一冊。

自分の言葉を綴っているというのは読んでいるとたしかに感じる。


そのせいか、文が「~なのだろうか。」と問う形で終わるのが多かった気がする。
なんかモヤモヤする。


p.53

考えてみれば、便利なものを手に入れるとは、自ら考え工夫する機会を失うことでもある。得ることも失うことも結局は同じなのだ。なのに「あったら便利」に執着し、「ないと不安」とおびえていた。

そうだろうか?
便利なものを手に入れるとは、誰でもできるようなこと、労力がかかることから人を開放して、クリエイティブなことに労力を割けれるようになったというポジティブなイメージしかない。

広大な田んぼを田植え機なしに稲を植えることなんて考えられない。


p.157

でも成長が終わり落ち目になった日本では、誰もが「いつまでも報われない」怒りを抱え、どこかにいる犯人を探している。そして今日も誰かを槍玉に挙げ、首を晒し、寄ってたかってのバッシング。不倫したとか、不謹慎だとか、偉そうだとか、偏っているとかなんだとか。

確かに心に余裕がないと感じる。





【目次】
第1章 朝日新聞「ザ・コラム」の言葉
●アフロの自由/人生は変えられる
●皇后のうた/わがことであると思うひと
●選挙の後に/毎日が投票日かもしれない
阪神大震災20年/分かり合えない傷の先に
●寒さの正体/「ワンランク上」というワナ
●アンプラグド/冷蔵庫が導く仏の境地
●続アンプラグド/この世は親切に満ちている
●親の老い/生きる勇気がそこにある
原発と私/見えているのに見ていない
●あれから1年/寂しさを抱きしめて

第2章 朝日新聞「社説余滴」&「葦」の言葉
●「電気さん、ありがとう」
●「客力」を身につけるには
●やみつき「暖房ゼロ生活」
●乾杯条例で日本酒よみがえる?
●しなやかな老人力に驚く
●湖北のスノーハイキング
原発事故の加害者は誰か
●不発だった大阪市長選に思う
●なくすと取り戻せないもの
●東京も酔った「ナニワ発」
●六甲山で「野口健ごっこ」
●ぼっち対策、一人のみ修行
●流しの下のミラクル
●福島に「山菜名人」を訪ねて
●梅雨だヨ! 梅干しつくろう
●水と生きる人の知恵
●世界でいちばん好きな場所
●高いものを買うということ
●夢と希望とドラえもん

第3章 Journalism「大阪社会社デスクから見た橋下現象」
●「新聞の購読をやめます」の読者の声
●方程式に当てはまらない政治家
●「君が代条例案」に驚く
●世の中が見えていたのは橋下氏
●勝ち目のない戦を戦う
●現場取材という原点に立ち返る
●何をどう書いたら読者に届くのか
●まずは朝日の負けを認める
●成功体験を捨て、覚悟を持てるか

第4章Journalism「それでもマスコミで働きたいですか」
●特ダネとは無縁の記者だった
●朝日が「誤報」認めて謝罪
●読者の声だけが道しるべ
●自分の思い入れだけを綴った
●エラそうに「正しい」記事を書いてきた私
●記事が「つるん」としていく
●マスコミは誰のために、何のため?
朝日新聞は必要だって心底、言えるのか
●「人間の言葉」を取り戻す
●安倍さんの「本気」に負けている
●自分の弱さこそが光なのだ

第5章 書き下ろし「閉じていく人生へのチャレンジ」
●毎日が実験であり、冒険
●冷蔵庫は本当に必需品か
●「ものを大切にしない」のは「自分を大切にしない」こと
●自分の欲望が他者に支配されていく
●ないほうが「良いことずくめ」
●最終的に残った家電は四つ
●「電気のない生活」を通して手に入れたもの
●「お金のない生活」というチャレンジへ
●お金より電気より、人間こそが大切な存在