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形容詞+形容詞+名詞

で疑問に思った形容詞+形容詞+名詞という形。
これを掘り下げる。

新TOEIC TEST 文法特急2 急所アタック編 - How Many Books Do You Have?より

p.52
17
空欄の間には冠詞a、うしろにはten-year warrantyという名詞のかたまりが見えてくるので、空欄には名詞を修飾する形容詞としてcomprehensive「包括的な」を入れるべきだと判断できます。
ten-yaerは「10年の」という意味の形容詞として使われており、comprehensiveとten-yearという2つの形容詞で名詞warrantyを修飾する図式になっています

TOEIC学習者はこれまで形容詞を修飾するのは副詞と習ってきたと思う。
なぜ副詞じゃダメなのか?
どういうケースで副詞+形容詞+名詞じゃなくて形容詞+形容詞+名詞が使われるのか?
そういった根本的な解説はないのが残念だ。
この解説では学習者は混乱する。
同じ間違えを繰り返すと思う。



英語の形容詞 形容詞 名詞 の並びについて - Yahoo!知恵袋より

a beautiful, young lady
=a who is young and beautiful

であり、1つの名詞の性質や状態を複数の形容詞が「並列」に修飾するものです。

それに対してコンマがない形容詞の並びがるときは

a beautiful young lady
=a who is beautiful

であり、beautifulが「lady」だけを修飾しているというより「young lady」が名詞句となり、それを修飾しています。

コンマなしで2つの形容詞が並んでいる場合の多くは、名詞に近い形容詞と名詞との融合性が高く、まるで「形容詞+名詞」で1つの名詞であるような意味を作っています。だから実際の感覚としては1つの形容詞が1つの名詞を修飾しているだけに近いものがあるんです。

a rude 無作法な「老人」
a rude, old 無作法で年老いた「男」

このように1つの名詞に複数(2つ)の形容詞が「それぞれ」かかっているのが下の例。

形容詞が3つになりますと

a rude, tall, old man

のようにどうしても区切りが入ってきます。1つの名詞を「そのまま膨らませる」形容詞は1個だけであることが普通であり

a rude, tall old man

という表記は読むものを戸惑わせます。

a dirty 「黒い車」が汚れていること
a dirty, black car ある「車」があって、その色が黒で、かつ汚れている

the calm, adult dignity その「威厳」は「穏やか」であり「大人びた」ものであるということ
the calm adult dignity その穏やかな「大人の威厳」

これら上下のペアは慎重に観察すると「読み方」も微妙に違います。これは文章で表現しにくいのですが、2つの形容詞がコンマで区切られている場合というのは「1つの名詞」に2つの飾りをつけているわけなので、「飾り1」、「飾り2」がほぼ同じテンポで、同じ区切り時間を伴いながらそれぞれ上げ調子で読まれます。

2つの形容詞の間にコンマがない場合は、「形容詞+(名詞句)」という意味のかたまりを感じていますので、最初の形容詞の直後には間がありますが、「(名詞句)=形容詞+名詞」は「まるで1語」のように比較的単語と単語の合間の時間が短めになってきます。

「形容詞+名詞」が句を構成しやすいのはそのペアが常識的に頻繁に見られる場合であり、「老人」、「美人」など日本語でも1語の訳語が当てやすいケースに多く見られます。

それに対して2つの形容詞が並列におかれる(間にコンマがおかれる)場合というのは、それぞれの形容詞が修飾する相手の名詞と常識的な結びつきがあまりなく、その都度、意味の限定に用いられている場合が多いといえます。

a dirty, thick book< thick bookという表現に「句」を感じにくい
a large wild animal < wild animal という表現に「句」を感じやすい

wild animal は「野生動物」という1語に感じ取られやすく、「野生の動物」と「形容詞+名詞」にわかれた印象が希薄なのが理解できると思います。

とても分かりやすい。
これによると、最初の修飾語に副詞を使うか形容詞を使うかは明確な決まりが無い。
複合名詞のように広く認知され使われれば名詞句を作り、修飾するために副詞ではなく形容詞を使う。
名詞句を作るのかどうかということは最終的には暗記ということだ。

追記(2014年11月7日)
以下のように納得した。

副詞は形容詞、副詞、動詞を修飾し、形容詞は名詞を修飾する。
a (_____) ten-year warranty
形容詞comprehensive「包括的な」と副詞comprehensively「包括的に」があった場合、それぞれが修飾するのは名詞のwarrantyであって形容詞のten-yearではない。よって名詞を修飾する形容詞が入る。

big blue eyeのbigがblueを修飾しているのではなく、eyeを修飾しているのと同じ考えだ。



参考:複合名詞(名詞+名詞) - How Many Books Do You Have?