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日本で「正義」の話をしよう サンデル教授の特別授業 2014年33冊目

日本で「正義」の話をしよう サンデル教授の特別授業 ★★★★★




「正義にかなう社会をつくるにはどうすればいいか。正義にかなう社会は何の中にあるのか」が主題だ。教授が問題提議をして、聴講者に賛成反対の発言をさせる。最後に教授の意見で締めくくるという流れになっている。

英語の勉強として5,6回聞いてから最後に本を見ながら聞いた。結構ゆっくり目に喋ってくれているので聞き取りやすい。8割、9割は聞き取れていた。ナマの英語のリスニング教材としてとても良いと思う。

英語での意見の表明を聞くのはとてもためになった。気をつけようと思ったことは2つ。

「正確に質問を理解する」
これは小学生の時言われた。
「分かりやすいように賛成、反対かを最初に表明する」
これは英作文で習った。

内容的にTOEICではなく、英検準1級、1級のessayや2次の面接に役立ちそうだ。




知識

1 正義とは幸福の最大化である
ジェレミー・ベンサム 功利主義

2 正義とは人間の尊厳と自律を、個人の選択の自由を尊重する
イマヌエル・カント

3 正義とは幸福を最大化することや、人間の尊厳を重んじることに尽きるものではなく、美徳と善き生を栄えあるものと考えて培うことでもある
アリストテレス


scalper だふ屋
at stake 問題となって、賭けられて; 危うくなって
Chancellor 理事長
folk remediy 民間療法
prostitution 売春
ultrasound 超音波
personhood 人格
say 発言権
skewed 歪んだ、傾いた
en mass ひとまとめに
jiggle 軽く揺すぶる
unilaterally 一方的に
designer baby 設計された子ども X designed baby
lurk 潜在する
unconditional love 無条件の愛
rein in 制御する

p.21

to get a ticket

aを”エイ”と言っている。


p.23

we have microphones so that you can be heard.

”あなたが聞こえられるようになる”→”みんながあなたの声を聞こえるようになる”か。
your voice can be heardじゃないんだ。


p.26

but the buyer is likely

サンデルはsellerといっているが、文意的にbuyerの方が正しい。


p.26-27

貧乏の程度の違いかもしれないが、貧乏だとホームレスに払うお金もない状況だと思う。


p.45

答えるときは、前提をちゃんと聞き取って答えないといけない。


p.49

ちぐはぐ。
ルールを破ってはいけない→そういうルールがあることが前提。
え、そんな前提条件言っていなかったけど。
p.50で初めて前提条件として設定している。


p.54

試験でハイスコアを取る取らないは公平性を犯すものじゃないと思う。
けれども、親が裕福な子どもの方が貧乏な子どもより20%も成績がいいという結果を見ると、ハイスコアは親が裕福かどうかに関わってきて試験というものは不公平なものに思えてくる。


p.55

basic thing tonight yet,

yeahに聞こえた。


p.56-p.57

you knowが多い。


p.57

お金がなくても、一生懸命努力すれば、良い教育を受けるチャンスはあります。

前提の”親が裕福な子供のほうが貧乏な子どもより20%も成績がいいという結果がある”を考慮していない。


p.69

男女産み分けは道徳的に賛成か反対か?という質問に、分ける必要があるかないかという質問の答えをしてしまっている。


p.73

eijiroをajoと言っている。
eijiroというのは聞き取りにくいのかな。母音の連続がむずかわしいわけじゃないだろう。eerieとかあるし。


p.75

ultrasound

ultrasonと聞き取っていた。


p.77

科学的な方法に賛成です。

聞いている段階では意味がわからなかった。とても分かりづらいと思う。
この方法だと男女産み分け時に細胞を殺すことがないので前出のカメの主張通り賛成だ。だけれども新たな基準を後出しし、やっぱり産み分けには反対だとなる。結局カメは男女産み分けは殺すということなるから反対ではなく、倫理的道徳的に反対だということになる。


p.83

遺伝子工学を使ってこどもの知能や体力を高めてもかなわない?”という質問に対して、”男女の産み分けは技術として持っていくべきだ”とちぐはぐな答えになってしまっている。


p.85

But if they can, that's too bad --- they don't have a choice to do that.

しかし、それができるのなら、それはひどすぎます。彼らにはそうする選択の自由がないのです。

普通に考えるとtheyはお金持ちの親を指している。
そうすると、
しかし、遺伝子技術を使ってお金持ちの親が子どもの才能を高めることができるなら、その状況はひどすぎます。お金持ちの親には遺伝子技術を使う選択の自由がないのです。
と、なる。
なので遺伝子技術を使うことに賛成だと言っているのだろう。
ただこの解釈は、遺伝子技術を使ってはいけないという前提があることになる。
そんな前提をサンデルもノブも言っていない。

どうもその後のサンデルの発言を聞く限り、このtheyは貧しい親のこととして理解しているようだ。

それまで出ていなかった貧しい親という単語に、突然theyという代名詞を使うかな?
考えれば考えるほど、よくわからない意見だ。


p.87

I would not have that because my parents would decide for me.

仮定じゃないと文意的におかしいから、これ仮定法なのかな?
If my parents decided for meじゃないのはなんでだろう。


p.89

質問は”遺伝子工学によって頭が良くなったとしたら、自由の侵害されたことになる?これに反論の人?”
それに対して”男女の産み分けに反対です”。
質問と回答がちぐはぐすぎる。


p.106

People disagree about the good life. There's a tendency to sy let's laeve that aside.

意外。
儲けた人ほど尊敬されるアメリカに住んでいる人が、このような考え方を持つとは。




内容(「BOOK」データベースより)
コンサートのチケットを高値で転売する「ダフ屋」行為は許せても、医療や教育へのアクセスがお金で取引されることに、多くの人が抵抗をおぼえるのはなぜだろう?遺伝子操作でより優れた人間をつくる―こうした試みがはらむ、私たちが見落としがちな本当の問題とは何だろうか?2010年8月、東京・六本木で開かれた、ハーバード大学屈指の政治哲学の教授マイケル・サンデルによる一夜限りの特別授業。教授と読者500人が繰りひろげた活発な対話の先にある、「正義にかなう社会」の姿とは?日英対訳テキストと2カ国語音声DVDでおくる、英語学習にも最適な永久保存版ブック。
著者について
マイケル・サンデル(Michael J. Sandel)
1953年生まれ。ハーバード大学教授。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号取得。専門は政治哲学。2002年から2005年にかけて大統領生命倫理評議会委員。1980年代のリベラル=コミュニタリアン論争で脚光を浴びて以来、コミュニタリアニズムの代表的論者として知られる。
類まれなる講義の名手としても著名で、中でもハーバード大学の学部科目「Justice(正義)」は、延べ14,000人を超す履修者数を記録。あまりの人気ぶりに、同大は建学以来初めて講義を一般公開することを決定、その模様はPBSで放送された。この番組は日本では2010年、NHK教育テレビで『ハーバード白熱教室』(全12回)として放送されている。 同講義をもとに書き下ろされた『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房刊)は各国で大ベストセラーとなっている。他の主要著作に『リベラリズムと正義の限界』『民主政の不満』『Public Philosophy』など。2010年8月に来日した際には、東京大学安田講堂)およびハヤカワ国際フォーラム(六本木・アカデミーヒルズ)にて特別講義を行ない、いずれも大きな反響を呼んだ。


■監修・解説
小林正弥(こばやし・まさや)
千葉大学法経学部教授。東京大学法学部卒。専門は公共哲学、政治哲学、比較政治。著書に『サンデルの政治哲学』、『友愛革命は可能か』、『非戦の哲学』など。監訳書にサンデルハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』(早川書房刊)、『民主政の不満』など。


■翻訳者 鬼澤 忍(おにさわ・しのぶ)
翻訳家。1963年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了。おもな訳書にサンデル『これからの「正義」の話をしよう』、ワイズマン『人類が消えた世界』(共に早川書房刊)など多数。
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