“スルガ銀−IBM裁判”の行方 - 週末スペシャル:ITpro
[速報]スルガ銀-IBM裁判、日本IBMに74億円超の賠償命令 - ニュース:ITpro
[続報]スルガ銀-IBM裁判、日本IBMが控訴 - ニュース:ITpro
スルガ銀は勘定系の次期システムとして、IBMのパッケージ「NEFSS/Corebank」の導入を決め、2004年9月に開発プロジェクトがスタートした。だが、要件定義を3回繰り返すなどシステム開発は難航。2008年1月の稼働予定を延期した。日本IBMはスコープの大幅な縮小や追加費用を要求したが折り合わず、2007年5月にスルガ銀はプロジェクトの中止を決断した。そして2008年3月、スルガ銀は日本IBMに対し、開発プロジェクトの失敗により生じた損失と逸失利益についての損害賠償請求訴訟を起こした。
気になったのが”要件定義が3回繰り返された”という点だ。
この事からスルガ銀行が求める要件にブレが生じていたのではないだろうか。
ある程度話が進んだ段階で”やはりこの要件も満たして欲しい”と追加要求したり、もしくは変更したから要件定義が3回も繰り返されたのではないだろうか。
その度に進んでいた作業が無駄になり追加費用が必要になったのではないだろうか。
スルガ銀行側の問題で起きたこではないだろうかと考えたが、結局はスルガ銀行が勝訴すると思う。
議事録の改変に応じてしまっていては以下の日本IBMの言い分を証明出来る材料はないと思うからだ。
やっと獲得した仕事。
しかも巨額の契約金。
上司と顧客の板挟み。
絶対に失敗してはならない。
そういった心情はよく分かるが、巨額の契約金に釣られて主従関係を結んではいけないという教訓だ。
でも実情じゃ主従関係じゃない方が珍しいんじゃないかな。
日本IBM側の主張、証言
「改変を強要された」、スルガ銀−IBM裁判で日本IBM副会長 - 日経コンピュータReport:ITpro
「プロジェクトが失敗した原因はスルガ銀行にあり、日本IBMは最善を尽くした」
「合意書は法的な契約ではない。確定額でシステム全体の構築を約束する請負契約は結んでいない」
「現場は総論賛成、各論反対だった。現行機能を踏襲し、お客様に迷惑はかけられないという理由で、商品や帳票などの絞り込みを進めなかった」。このため要件が膨らんで開発費が増加した。にもかかわらずスルガ銀行が追加費用の負担を受け入れなかったというのが日本IBMの主張である。
「怒鳴られ、軟禁された」
「スルガ銀行は日本IBMを常に業者として扱い、両社は主従関係にあった。システム開発プロジェクトを成功させるには、お客様とITベンダーが対等な関係を構築することが欠かせないし、そうした関係を目指したが、そうはなれなかった」
スルガ銀行の主張、証言
「日本IBMは要件定義がうまく行かなかったことの責任を全面的に認めていた」
「プロジェクトの途中で、日本IBMが何の前触れもなくスルガ銀行に追加費用の負担を求めてきた」
「日本IBMから要件をもっと絞り込んでくれと言われたことはなかった。協力を要請されれば応じた」(乾常勤監査役)
「提案の内容を見ずに拒否したり、大声を出したりといった事実はない」(同)と否定した。
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一つは、「日本IBMが議事録の改変を迫られ、仕方なく変更した」といった趣旨の発言だ。野々垣部長は「議事録の内容は両社が承認していたはずだ」とした上で、「万が一、改変があったとしたら、それは日本IBMが本件ではプロジェクトマネジメントを実施していなかったことを白状していることになる」
もう一つは、「日本IBMのプロジェクトメンバーが、スルガ銀の担当者に怒鳴られ、軟禁された」との発言だ。これについて野々垣部長は「ITベンダーの常套手段だ」と切り捨てる。「システム開発が難航していれば、現場で激論を交わすのは当たり前。日本IBMは、自社が有利であることを論理的に証明できないから、被害者意識を強調しているだけ。軟禁発言は『何も反論することができません』と認めているに等しい」
参考
スルガ銀行とIBMのシステム開発を巡る裁判、IBMに74億円超の賠償命令 | スラッシュドット・ジャパン
特許庁、難航していた基幹系刷新を中止へ | スラッシュドット・ジャパン IT