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きっちり! 恥ずかしくない! 文章が書ける

きっちり! 恥ずかしくない! 文章が書ける ★★★★☆


文章を書くテクニックは、第2章にあった「過去の描写に現在形を交ぜる」が気に入った。しかし身につけるには慣れが必要だと思う。
1番気に入ったのは、コラムだけれども、悩みの種である書き出しについて書かれた「書き出しに困ったら」だ。具体例を提示しているので納得できる。
これで書き出しに抵抗がなくなれば良いけど。

星1つマイナスは”第3章「てにをは」を正しく使って書こう”。
「これって日本語が母国語じゃない人が読む本なのか?」と表紙を見てしまった。
この章は必要だったのだろうか。


p.43
 家族ぐるみでお付き合いをしてる友人夫婦がいる。彼はわが夫の大学時代の同級生で、彼女は私の幼なじみである。
 先日、私は、友人夫婦と一緒にハイキングに行こうと計画を立てた。しかし、彼女は足をねんざしてしまった。そこで私は彼女のために、ハイキングではなくドライブにしようと計画を立て直した。

冗長な感じがする。

 家族ぐるみでお付き合いをしてる友人夫婦がいる。彼はわが夫の大学時代の同級生で、彼女は私の幼なじみである。
 先日、私は、彼らと一緒にハイキングに行こうと計画を立てた。しかし、彼女は足をねんざしてしまった。そこで私はハイキングではなくドライブにしようと計画を立て直した。

”彼女のために”を削除し、p.48の「同じ言葉を何度も使わない」を利用して
2回目の”友人夫婦”を”彼ら”に変えてみた。
こちらの方が良いのでは。


p.58 過去の描写に現在形を交ぜる

 紅葉の奥入瀬出かけた。木々の葉が赤や黄色に色づいている。流れる川に紅葉が映えてとても美しい。旅行の記念に紅葉の落ち葉を一枚拾って持ち帰った

 こうすると、実際に青森県奥入瀬渓流に来ているような臨場感が出てきます。
 現在形を交ぜると、「紅葉の奥入瀬に出かけた」という回想シーンから、「木々の紅葉の様子」「紅葉が川に映えている様」に視点を移すことができるからです。

 筆者の主観を出したいときに現在形を使うと、グッとイメージが迫ってくるのです。

ほー。確かに解説の通りだ。
時制の一致をさせない方がずっと良い!


p.106 書き出しに困った場合

春はあけぼの。

 何の前置きもなく、書くべき主題をポンとさらけ出して、それについて情景を重ねています。ここには「よかった」「きれい」などという形容詞もありません。

 こうしてみると、文章の書き出しは、思った以上にシンプルだと言うことが分かります。
 そして、余計な前置きがないことも分かると思います。短い文を積み重ねることで、読み手のイメージを膨らませています。書き出しに迷ったときは、「短く、直球勝負」を心がけるようにしています。

とても使えそうだ。
覚えておこう。


p.117 「書き言葉」と「話し言葉」

晴れみたい→晴れているようだ
すごい上手→とても上手
楽しいけど→楽しいけれど
そんなことは問題じゃない→そういうことは問題ではない
それは余計なことだし→それは余計なことだが
本当のことだったら→本当のことならば、本当のことであれば

p.164 ひらがなと漢字の使い分け
「〜してくる」「〜してみる」などを「〜して来る」「〜して見る」として良いのかどうかに迷う場合があります。この「くる」「みる」は補助動詞と呼ばれるものです。本来の意味がないので、平仮名にする方が自然です。

「〜かもしれない」「〜してほしい」「〜したとき」」「〜するころ」などはどうでしょう。「知れない」「欲しい」「時」「頃」と漢字を使う人もいるでしょうが、僕は基本的に平仮名にします。そこに実質的な意味を感じないからです。

名詞と動詞は基本的に読める範囲で漢字を使い、その他はできるだけ平仮名を使うというのが、僕の使い分けの基準です。

これ、やっちゃう。
直さないと。


内容紹介
本書の目的は単純明快、文の構造を正確に理解し、正しく助詞を使い、正しい日本語を使って文章を書くこと。
どこか変な、違和感のある文には、文法的な欠陥、間違った言葉の使い方があるものです。

たとえば、次のような文。
『このバッターは選球眼がいいので三振とフォアボールをよく選び、打率と本塁打が多いバッターだ。』
(詳細は本書16ページ以降で)

ベテラン校閲記者が「読み手に正確に伝わる文章の書き方」を分かりやすく解説。「書くことにいまいち自信がない」という人も楽しく学べます。
出版社からのコメント
僕は新聞社の校閲という部署に身を置いて30年ほどになる。校閲という仕事は、記者が書いた原稿をすべて確認することにある。
限られた時間の中で、用字・用語を始め、原稿にあるデータを可能な限り確認していく。アメリカの政府が発表したものなら、ホワイトハウスのホームページを参照するし、中国関連の原稿ならインターネットで中国紙にあたったりもする。
こうした情報の確認作業は、時間さえあればかなり正確に把握できる。
しかし、用字・用語については一筋縄ではいかない。なぜこの使い方が間違いなのかを説明する段になると、文法で明解に説明することが難しいのだ。
僕の知識不足もあるし、説明しても書き手がそれに応じない場合もある。書き手の感覚や言語環境にも大きく左右されるからだ。
さらに言うと、1分、1秒を争う新聞の制作現場で「てにをは」の違いに時間をかける余裕がないという現実もある。それでも、原稿を読んでいてもう少し分かりやすくならないかな、と思うことがある。
2012年秋からカルチャーセンターで文章講座を受け持つことになった。受講生から「うまく書けない」という声をよく耳にした。うまく書く第一歩は、読み手に「誤解を与えないこと」と「分かりやすく書くこと」。つまり「読み手のために、正確に書くこと」だと、僕は思っている。本書の目的もそこにおいた。
第1章では文の構造を理解するため、主語・述語・目的語の役割について説明した。第2章ではどうすれば分かりやすく、読み手に伝わる正確な文が書けるかを考えた。第3章では日本語の特徴である助詞について、その働きを解説した。そして、第4章で間違えやすい日本語について考察した。巻末には文章を書き進めるためのヒントを載せた。
解説では「なぜそうすべきなのか」について、簡単な文法的説明をつけたいと考えた。ある程度、納得できる説明が欲しいと思ったからだ。
とはいえ、本書は文法書ではないので、説明の中には文法の定義から外れる部分もあるだろうし、僕自身の勝手な解釈が含まれているものもある。その点については、ご甘受いただきたいと思う。
本書が「うまく文章を書きたい」と思う人にとって、第一歩を踏み出すための手助けになればと願っている。
(「はじめに」より抜粋)