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恥ずかしくて聞けない英語の基礎・基本62

恥ずかしくて聞けない英語の基礎・基本62 ★★★★★



文法などが分かってきて疑問が幾つか湧いてくる。
willとbe going toは言い換えられるのか?、英語に敬語はあるのか?
そんな疑問に答えてくれるトリビアに富んだ本だ。
読んでいて”なるほど”、”へ〜”の連続だった。


p.12
どうして英語ではアルファベットが使われているのですか?

I(私)がいつも大文字で書かれるのは何故でしょうか?
Iは、もともと小文字で書かれていましたが、iは他の字とまぎらわしかったことから、目立たせるための工夫として大文字のIが使われるようになりました。
一人称主格のIを特別視する、という意味ではありません。

特別視しているもんだと思っていた。


p.28
どうして「〜できる」にはcanとbe able toがあるのですか?

canとbe able toの違い
be able toは主にcanの不備を補うために使われる熟語だからです。

単純に「〜できる」という場合はcanを使うのが普通で、be able toは滅多に登場しません。

be able toを用いる場合

1 willやhave(完了形)の後
canはおなじ助動詞のwillと重ねて使うことは出来ません。

2 相手の能力を問う(依頼のCan you〜との区別)
」あなたはこのトラックを運転できますか?」と尋ねる場合、
Can you drive this truck?
と言えば、「このトラックを運転してくれませんか?」と依頼していると受け取られる可能性があります。ですから、相手の能力を問う場合は、
Are you able to drive this truck?
という方が間違いがないのです。

3 過去の能力を表す(仮定法のcouldとの区別)
She could play the piano.
は、「彼女はピアノを弾くことが出来た」
と言う意味になるとは限りません。
むしろ仮定法であることが多いからです。
その場合、この文の意味は「彼女はその気になればピアノを弾けるのに」になります。
ですから、「過去の能力」について言う場合は、couldを避けて、
She was able to play the piano.
とするのが普通です。

田中茂範さんの本にもあった。


p.31
willとbe going toに違いはあるのですか?

willとbe going toの違い
be going toの方がより口語的ですが、区別せずに使っても間違いにはなりません。
ただし、以下の二点は覚えておいた方が良いでしょう。

1 be going toはしばしばwilよりも近い未来を表す時に用いられる
It will rain. (雨が降るでしょう)
It's going to rain (雨が降り出しそうです)


2 be going toはしばしばwillよりも話し手の予測や確信の強いときに用いられる
She will become very beautiufl.
(彼女はとても美しくなるでしょう)
She is going to become very beautiful.
(彼女はきっととても美しくなります)

p.32
willとbe going toに違いはあるのですか?

be going to goと言ってもかまわないか?
普通この言い方は避けられ、
I'll go to the party.
とか、近い将来であれば
I'm going to the pary.
などと言い換えられます。
be going to goは、goが重なってくどい感じになり、嫌われるのですね。
でももちろん誤りとは言えません。

p.32
willとbe going toに違いはあるのですか?

shallについて
shallは殆ど使われず、多くがwillで代用されるようになりました。shallに関しては、次の2つのケースを覚えておけば十分です。

1主語が二人称、三人称である文で話し手の意思を表すsahll
You shall not have any more money.
(きみにはもう金を出さないよ)
He shall not come here.
(彼をここへは来させないぞ)
どちらの例でも、youやheの意志ではなく、直接には出ていないI(話し手)の意志が示されていることに注目して下さい。これは非常に強い表現で、普通は喧嘩口調あるいは命令口調で言います。

2 相手の考えを問うshall
Shall I stay here?
(私はここに留まりましょうか?)
What shall we do?
(何をしましょうか?)
ただし、Shall I〜?は、今日ではDo you want me to〜?と言い換えるのが普通です。

shallについての説明はありがたい。


p.34
使役動詞make、let、haveはそれぞれどう使い分ければいいのですか?

make(強制)
I made her go.
(彼女が行きたがっていたかどうかにかかわらず)私は彼女を行かせた

このmakeをforceに置き換えると強制の意味がさらに強まりますが、その場合は
They forced him to work.
のようにtoを入れる必要があります。

let(許可)
I let her go.
(彼女が行きたがっていたので)私は彼女を行かせた

このletをallowに置き換えると、許可の意味がさらに強まりますが、allowの場合は
They allowed her to go to the party.
のように、toを必要とします。

have(依頼)
1 ある職業の人に料金を払って〜してもら
I had the mechanic repair my car.
2 目下の者に〜させる
We had our son carry the bag.

したがって、「私は先生に原稿を直してもらった」と言う時は、haveは避けて、
I asked my teacher to correct the manuscript.
のように言う必要があります。

getもこのhaveとほとんど同じ意味に使われますが、getの場合はtoが必要で、
I got my wife to come to pick me up.
私は妻に迎えに来てもらった
のように言います。

p.37
I finished the work.とI have finished the work.は要するにどこが違うのですか?
1He is ill.
2He was ill.
3He has been ill.
3の和訳は、実はプロの翻訳家でも頭を悩ませます。
その理由は明白です。日本語には「現在完了」という発想がないからです。

現在形の一種である現在完了
分類(完了、結果、経験、継続)にこだわらず、「結果を保持している」事を表すのが現在完了だととらえなおしてみてください。

p.38
used toとbe used toは別々の言い方なのですか?

現在完了は「過去に何かをしたことが現在にも及んでいる」事を表しています。そして「過去に何かをしたことが現在に及んでいない」ことを表すのがused toなのです。

そういう考え方には気付かなかった。


p.41
目的語にto do(不定詞)をとる動詞と、doing(動名詞)をとる動詞を、区別する方法はありませんか?

I remeber writing to her.
私は彼女に手紙を書いたことを覚えている

I remember to write to her.
私は彼女に手紙を書くべきことを覚えている

writingが事実を述べているのに対し、to writeが「向かう気持ち」を含んでいることに注意して下さい。これが不定詞動名詞のキャラクターの違いです。

p.45
How is your family?が正しいのですか?How are your family?が正しいのですか?

no oneがつながってできた語、noneも本来は単数扱いですが、None of the students were present.(その学生たちは誰も出席していなかった)のように、しばしば複数として扱われます。Noneが普通「none of + 名詞(代名詞)の複数形」の形で用いられるため、その複数形に引きずられるのですね。

p.56
「もし〜なら」と仮定するのが仮定法ですか?

不満を示す仮定法
1It is time you go to bed.
2It is time you went to bed.


1はストレートな言い方で、話し手は相手に「寝る時間がきた」という情報を与えているだけです。
一方の2のわざわざ過去形を使っていますので、仮定法です。
そしてこれは、「もう寝ているべき時間なのにおまえは寝ていない」という話し手の不満、いらだちを表しているのです。
I wish I could fly like a bird.
は仮定法の例文として良く出てくるものですが、これも「願望と現実のギャップ」への不満を表す言い方です。
You could help me.
もこの仲間に入ります。
「あなたは(その気になれば)私を手伝うことが出来る(のに手伝ってくれない)」という意味で、暗に相手を非難しています。本当は怒っているのに怒っているとは言えない、だから仮定法を使ってチクリ、というわけです。

断定を避ける仮定法
It would be about two miles from here to the staion.
(ここから駅までは2マイルといったところでしょう。)
I would rather stay home.
(私は家にいようかな。)
I could go there with you tomorrow.
(私は明日あなたと一緒にそこへ行ってもかまいません。)

最後の例の場合、仮定法のcouldを使うことで、話し手は押しつけがましくないよう配慮しているのかも、「あなたがぜひにというならいってもいいよ」と少し恩着せがましい態度を示しているのかも知れません。どちらであるかは状況で判断するしかないのですね。

断定を避けることで丁寧さを出す用法
1Will you open the window?
(窓を開けてくれない?)
2Would you open the window?
(窓を開けてくれませんか?)

1がストレートな言い方、2が仮定法です。2は断定を避けているために表現が和らいで、1の少し威張った感じが消えるのですね。

p.69
He seemed to be ill.とHe seemed to have been ill.は同じ意味ですか?

He seems to be ill.
=He seems ill.
彼は病気のようだ。

He seems to have been ill.
seem toの後ろの完了形は「推測している出来事のが推測している時点よりも前に起こっている」ことを示すものです。現在完了とは別物と考えて下さい。
この文は
It semms that he was ill.
と書き換えることができ、厳密には「彼は過去において病気だったと現在は思われる」の意味になります。彼が現在も病気であるかどうかには言及していません。


「彼女は名古屋に引っ越したようだ」は、
She seems to have moved to Nagoya.
と言います。推測しているのは現在、引っ越ししたのは過去のことですね。
一方
She seems to move to Nagoya.
She seemed to move to Nagoya.
は英文として成り立ちません。推測しているときと引越の時が同じと言うことになるからです。
「彼女は引越中のように思われる」は
She seems to be moving.
のように進行形にする必要があります。
(引越しと推測が同じ瞬間の時)

p.72
no more〜than…などの比較の表現は、どうすればしっかり覚えられるでしょうか?

この文を正しく理解するためには、入試の世界で「くじらの公式」と呼ばれているものを覚えておく必要があります。
A whale is no more a fish than a horse is.
「くじらが魚でないのは馬が魚でないのと同じだ」という意味になります。
(than a horse isの後にa fishが省略されています)

注意すべき点は、no more〜than…の構文では、「than以下は否定的である」ことが前提になっていることです。

He is no more rich than you are.
thna以下のyou are (rich)が否定的であることが―――つまり「あなたが金持ちでない」ことが―――前提になっているのが分かります。
「彼はあなたと同じように金持ちではない(あなたと同様貧乏だ)」です。


no more〜than…は、not〜any more than…と言い換えることができます。
He is not rich any more than you are.


no less〜than…はthat以下が肯定的であることが前提になっているのでそのまま訳せる。
You are no less attractive than she is.
あなたは彼女に劣らず魅力的だ。

これいつまで経っても覚えられないな。

p.75
I think it will not rain.とI don't think it will rain.は同じことなのですか?
実際には常に
I don't think it will rain tomorrow.
が用いられます。
英語は言葉の効率を重んじる言語で、肯定的に言おうとしているのか、否定的に言おうとしているのかをできるだけ早い段階で示すのが普通だからです。

なるほど。英語らしい。


p.80
「たぶん」に相当するのはperhapsですか?probablyですか?

probably 80〜90% たぶん、おそらく
likely 50〜70% たぶん
maybe 50%前後 もしかしたら
perhaps 40〜50% もしかしたら
possibly 10〜30% ことによると、ひょっとすると

p.120
英語にも敬語はあるのですか?

Please lend me 1,000 yen.
これは英作文としては完璧ですが、実際の会話でそういったとすれば、相手は気分を害するかも知れません。pleaseを添えることで少しは和らいでいますが、lend me〜は命令文ですから、「ノーとは言わせませんよ」というニュアンスが込められるのです。「1000円かしてくれたまえ」といった感じでしょうか。

Can you lend me 1,000 yen?
これは命令文ではありませんから、Please lend me〜よりは幾分丁寧になりますが、場合によっては、「きみには1000円課す能力があるか?」という意味に取られる恐れがあります。

Could you lend me 1,000 yen, please?
「貸してもらえないだろうか?」という、丁寧な依頼になります。

Would you mind lending me 1,000 yen?
1番丁寧。
wouldはdoに置き換えてもかまいません。

「どうぞおかけくだださい」を
Please sit down.
と言ってはいけません。
「座りなさい」という命令です。
また、「座って下さい」と頼んでいるわけではありませんから、
Would you sit down?
でもおかしいですね。
これには
Please have a seat.
という決まり文句があります。

Please have a seat.は命令文だからPlease lend me 1,000 yen.のように「席につきたまえ」という風にとられないのかな。


p.148
英語の手紙はどう書けばいいのですか?

Ms.は既婚・未婚を区別せずに女性一般に使えますので、便利です。
Mrs.を使う場合は、Mrs. Mary Smithではなく、Mr.s Robert Smithのように、ご主人の名前にMrs.をつけます。Mrs.はwife of〜を意味するからです(ただし離婚した人、ご主人を亡くした人の場合はMrs. Mary Smithです)。この形が男尊女卑的で嫌だと思う人は、Ms.を使って下さい。

こういったトリビアはありがたい。


内容(「BOOK」データベースより)
“どうして動詞の三人称単数現在形にはsがつくのですか?”や“英語であいづちはどのように打てばいいのですか?”から“どうすれば英語ができるようになるのですか?”といった究極の質問まで、いまさら恥ずかしくて人には聞けない62の英語の疑問に明快に答えます。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石戸谷/滋
昭和23年生まれ。東北大学文学部卒業。岡山大学教養部助教授を経て、現在はフリーライター、翻訳家

真鍋/照雄
昭和20年生まれ。弘前大学教育学部中退後、私塾を開き、今日に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)