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クワイエットルームにようこそ

クワイエットルームにようこそ ★★★★☆


まるで実体験かのように、主人公の感情が生き生きと描かれている。
よくこんなにリアルなストーリーを作れるなと感心した。
138ページしかないが、十分な内容だ。

閉鎖病棟という隔離された陰鬱な世界を、主人公の眼から見たサバサバとした感想が深みにはまらせなくしている。
最後に、後ろ髪を引かれながらも決別をする主人公の心情が表れるシーンもとても良かった。

内容紹介
恋人との別れ話から、薬を過剰摂取してしまった明日香は、意識を失っているうち
に精神病院の閉鎖病棟に強制入院させられてしまう。
わたしは「正常」なの、それとも「異常」なの? 逃げ場のない閉鎖空間を舞台
に、くりひろげられる葛藤の世界。冒頭の衝撃的なシーンに始まり、不運に不運を重ねていく明日香は、果たして絶望の淵に落ちてゆくのか。それとも……。

文芸誌文學界』2005年7月号に一挙掲載され、第134回芥川賞候補にもノミ
ネートされた話題作!
演出家、映画監督、俳優、作家と多ジャンルで刺激的な試みを続ける松尾スズキ
贈る「絶望と再生の物語」。