立っている人が何人かいる程度の込み具合の電車に乗っていたら、恐れいていたことが起こってしまった。
突然の停車。
いつかこの日が来るとは思っていた。
「ホームで落とし物あり、車両点検する」というアナウンス。
車内が静かにざわつくが、誰もうろたえている様子はない。
自分以外。
湧き上がる焦燥感。
電車の中に閉じ込められた。
この閉塞感が嫌だ。
うろたえ、膝がガクガクする。
すぐにここから出たい。
でも、窓もドアも自分の意志では開けられない。
車掌に言ったところで理解されないだろう。
ここはなんとか置かれた状況を考えすぎないように気をそらせないと。
とった対策は4つ。
- 音楽のボリュームを上げる
- 氷水を飲む
- 上着を脱ぐ
- 目を閉じる
目を閉じて音楽を大音量で聞くと現状から自分の意識を離せることができることがある。
焦燥感で体が熱くなるので、上着を脱いだり氷水を飲む。
こんなことがあるかもと、常日頃、真冬でさえ氷水を持ってきたのは良かった。
この対策をしていると
「7分遅れで運行を再開します。」とのアナウンス。
電車が動き出すと、やっと焦燥感から逃れることができホッとした。
7分間も止まっていたんだ。
後は「降車駅までまた止まらないでくれ」と願った。
「また同じことが起こったらどうしよう」と考えてしまわなくもない。
でも閉じ込められた経験をした後でも、電車に乗ることが怖くなっていない。
まだ電車に乗れる。
ポジティブに考えないと。
電車が動いているときも電車の中に閉じ込められているのには変わりがない。
対策をもって停車した電車という恐怖のシチュエーションを乗り越えることができたんだ。