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夜のピクニック 2014年7冊目

夜のピクニック ★★★★☆



情景描写が長く、くどく感じた。
しかし映画とは違い貫地谷しほりのコミカルな演出が無いのが良いし、憎しみをもって融は貴子を見ていたのかというのが分かったので本をとってよかった。




映画の感想はこちら

p.177

俺は、不定形な女は嫌だ。青臭くて、記念品を求めている少女は嫌だ。
俺がつきあうのならば、輪郭のきちんとした大人の女性でなくちゃ嫌だ。
融は、隣の少女に、不意に激しい憎しみを覚えた。

融のキャラクター設定がとんでもない。たったそれだけで激しい憎しみを抱くなんて。ちょっと過激すぎない?


p.297

濃(こま)やかな気遣い

「細やか」じゃなくて「濃やか」。
調べてみると、物にたいしては「細やか」、心にたいしては「濃やか」を使うようだ。

p.317

みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。
そうだね、杏奈。不思議だね。
貴子は杏奈にそう答えていた。
並んで一緒に歩く。ただそれだけのことなのに、不思議だね。たったそれだけのことがこんなに難しくて、こんなに凄いことだったなんて。

内容紹介
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
恩田/陸
1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。’92(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞本屋大賞を、’06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞をそれぞれ受賞した。ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)