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君に成功を贈る

君に成功を贈る ★★★★★

長嶋一茂氏のパニック障害に関する自叙伝乗るのが怖い―私のパニック障害克服法 (幻冬舎新書)
に出てきて、非常に感銘を受けたというので読んでみた。

ちなにみ長嶋一茂氏のパニック障害に関する自叙伝の自分の感想はこちら乗るのが怖い―私のパニック障害克服法 - How Many Books Do You Have?

読む前に嘘だろと思ったカバーの裏の驚愕の文字列。

中村天風とは…
明治9年、華族に生まれながら、軍事探偵となり、満州へ、「人きり天風」と恐れられる。死病を治すために欧米からインドへ。その間、コロンビア大で医学を学び、日本人初のヨガ直伝者となる。
 帰国後、東京実業貯蔵銀行頭取、大日本製粉重役となるも、突如一切の地位をなげうち、大道説法に転じる。
その波乱の反省から得た<<人生の成功の哲学>>

こんな人、実在したんだ。驚きだ。

一生しかないのだから、心を積極的にして成功を呼び込むという趣旨で説得力があった。

長嶋一茂氏はネガティブシンキングのススメを提唱していたが、同じ天風の本を読んだ自分は全く逆の意見を持つようになった。
とてもポジティブになろう、ならないと、という気になった。
これをパニック障害の時に読めたのは本当に良かった。

本は分厚いが文字が大きく270ページほどしかなく、難しい漢字やことわざがでてくるものの、あまり多くなくその度辞書をひけば良い。
とても読みやすいので中学生でも読める。
とてもよい説法で、あまたあるどんな自己啓発本より良かった
お勧めである。


中村天風 - Wikipedia

wikipediaを見てもすごい。

p.71 
明治37年の3月21日、人呼んで俗に言うコザック騎兵と言われた、帝政ロシアのあの屈強な騎兵隊に捕まりまして、そして朝の5時に死刑の宣告を受けて7時に断頭台の上に立たせられた経験を持ってる。
 そのときも、死ぬということを格別何とも思ってなかったことは事実であります。

p.70
「私の兄がこの病で死んじゃったんですよ」って一言で、死ぬことなんか何とも思わなかったはずの私が、いっぺんで、へなへなーって。絵にも筆にも描けないおののきですかなぁ…

p.73
時と場所の違いによって、何とも思わなかった死に対する恐怖が、もう心全体を包んじまうんです。

心の持ちようが大事なんだ。

p.110
人生は何より一番先に、まず考えなければならないのは、心なんです。何故かというと、月を見ても、花を見ても、仕事しても、遊ぶのでも、全てそれを心が認識すればこその生き甲斐でしょう。

p.115
普通の 人間には耐えられないようなことも、戦争中は気が張っていたから、どうもなかったんです。
 けれども戦争が終わると、いっぺんにガタ落ち。急激に病勢が進行する奔馬性肺結核というのに侵されてしまったのです。そうした病に侵されてから、急に転んだものが、慌てて杖を探すように、心の力というものの重大性が誰に言われると無く、夜明けの空のように、次第に悟れてきたのです。

p.124
いいですか、人間の生命を生かしているのは神経系統の働きです。前にも言ったナーバス・システムね。それを直接間接に支配しているのが心です。
 したがって心が弱ければ、どうしても神経系統が弱くなります。
 現に論より証拠、気の弱い神経過敏な人は、どうしても病に弱いですよ。

 ところが、積極的な気持ちを持っている人間は、医者がさじを投げたような病でも、びっくりするくらい持ち直します。それは結局、神経系統の中に、人間の命の生きる力を守る、特別な作用が人間にあるからです。

p.132
さあ、もうわかったね。大事なことですからもう一度言います。人生は、何を置いても、体力、胆力、判断力、断行力、精力、能力の6つの力をつくらなければいけないんです。
 力は学問や経験でできるものではありません。ただひとえに心の態度を積極的にする以外に方法はないんであります。
 だから私の哲学は、「いかなる場合でも、心の力を落としてはならない。終始一貫、積極的な心の態度を追って人生に生きなさい」というのがプリンシプル(原理原則)になっているのです。

p.165
 もっとはっきり言えば、「たとえ身に病あれど心まで病ませない、たとえ運命に非なるものあれど心まで悩ませない」ということですよ。病になっているのは肉体であって、あなた方の心は病になってやしないいんですよ。
 それを一緒になって、心まで患わしたり悩ましたりしてちゃいけない言ってるんですよ。これが一番大切なんであります。

p.167
何事も事なき日はさもあらば、ちょいとでも体の具合が悪いとか、自分の思うことがかなえられないとき、あなた方の心はその出来事にたちまち組み伏せられて、積極の反対である消極になっていやしませんか。

尊さも強さも正しさも清らかさも、どこかへ吹っ飛んでしまって、自分自身、なさけないほど滅入ってしまって、暗く、弱くなっちゃって、哀れ惨憺たる状態になってる人の方が世間には多いんですよ。

東郷平八郎原敬松下幸之助、ロックフェラー3世等、時代のリーダー達はなぜ天風に心服したのか。熱く、優しく、面白く、魂に直接に語りかけてくる54項目の「人生成功の哲学」を解き明かす。