「改訂新版 日銀を知れば経済がわかる」を読んだ。
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2017/05/17
- メディア: 新書
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池上彰の他の著書でも触れていた内容なのでだいたい日銀の仕事が理解できた。
とても分かりやすい。
驚きだったのが、この本を読んで初めて公定歩合(民間銀行にお金を貸し出すときの金利)が廃止されていたことに気づいた。
そういわれるとニュースで公定歩合という言葉は大分聞いてない気がする。
唯一混乱したのは金利についてだ。
金利が「銀行が日銀に預けた時にもらえる金利」のことを指しているのか、「銀行が日銀からお金を借りるときの金利」のことか、どちらの金利を言っているのか分からなくなるからだ。
p.16
金融とは、世の中で「お金が余っているところ」から、「お金がひつようなところにお金を融通する仕事です。
このような簡単な言葉で説明できるのは能力だと思う。
p.85
公定歩合とは、金融機関が保有している国債や債権、手形を担保に日銀が資金を貸し出す際の金利のことでした。
日銀が公定歩合を下げれば、金融機関は日銀から低い金利で資金を借りることができます。
いまは金融機関から国債を買い上げたり売ったりしてコール市場の資金を増減させ金利をコントロールしている。
ここでいう金利は銀行間の貸し借りの金利なので、確かに公定歩合とは全く違う。
ただ金利自由化とはいえ、コール市場の資金を増減させ銀行間の貸し借りの金利をコントロールするということは、直接的ではないにしろ、結局間接的に金利をコントロールしているのと同義では?
なのに、現実では各銀行の金利は個性が出ている。
なんでだろう。その理由を知りたかった。
p.136
景気をコントロールするために金利を上下させる。これが日本銀行の大事な役目のひとつ
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p.153
「量的緩和政策」が浮上しました。金融機関が日銀当座預金に預けている金額の量を増やしていこうというものです。
?
そんな回りくどいことをしなくても、日銀当座預金に預けられる金額の上限を低くすれば、銀行がたくさんをお金を持ち、遊ばせるのはもったいないからそのお金が民間に流れるのでは!?
リーマン・ショックで世界の金融界が大混乱した二〇〇八年秋。その後、日本ではこの七、八年の間に、安倍政権への交代に加え、黒田東彦が日銀総裁に就任。デフレ脱却のための「異次元緩和」や「マイナス金利」導入など、強力な金融緩和策を推し進める日銀の動向に注目が集まっている。そこで、データを最新のものに更新し、この間の日銀の動きを加筆。改めて、日本銀行の仕事を知ることで、金融・経済の仕組みを見る目を養おう。