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ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく

ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく ★★★★☆


 「どんなに失敗しても「ゼロ」に戻るだけだ。マイナスになるわけじゃない。だから挑戦しよう」という趣旨だ。
成功するには「倍々ゲームのかけ算」というこれまでの著書とは異なり、その前に「ゼロから小さな成功経験を足していく」という段階があるという。
なんて堅実なんだろう。
ホリエモンのイメージというと、「逮捕された」、「異端児」、「拝金主義」、「個人主義」、「現実主義」、「派手」だった。
しかし、読んでみるとそのイメージは変わった。
「努力」、「前向き」「自分を知る人」、「孤独を嫌い他人とつながっていたい」。
好印象だった。


 ちょっとうがった視点でみてみる。
自分を”人を信じる”性格だと言っているが、その性格のせいで部下の暴走を見抜けなかったという予防線を張っているように感じた。
ホリエモンがいくら無実を主張しようと、それは主観だ。
法治国家において、客観的に集められた事実を元にホリエモン実刑と判決され服役した。
それが事実だ。
 また、虚飾の信用でお金を集めたホリエモンが、”信用はお金よりも価値がある”と言っているのは皮肉なほどに説得力があった。


 文章は、編集者の手が相当加わっているのか読みやすく練られている印象を受けた。
これは良い意味ではない。
テクニック的に優れていて、あざといというか小利口という意味だ。

 人生に閉塞感を感じている人、成長したい人は読むと得るものはあると思う。

p.27

働いていれば、ひとりにならずにすむ。
働いていれば、誰かとつながり、社会とつながることができる。
そして働いていれば、自分が生きていることを実感し、人としての尊厳を取り戻すことができるのだと。

働く幸せ~仕事でいちばん大切なことを思い出す。

導師は人間の究極の幸せは、
人に愛されること、
人にほめられること、
人の役に立つこと、
人から必要とされること、
の4つと言われました。
働くことによって愛以外の幸せは得られるのだ。
私はその愛までも得られると思う。

(大山泰弘)

p.31

かつての僕は、世の中にはびこる不条理なものを嫌う、徹底した合理主義者だった。そして物事をマクロ的に考え、「システム」を変えれば国が変わると思ってきた。企業も、株式分割も、様々な企業買収も、あるいは衆院選出馬も、すべてはこの国の「システム」を変えたかったからだ。

そんな人が粉飾決算するかね。
きれいごと並べて良い人ぶっているのでは。


p.126

仮説を立て、実践し、試行錯誤を繰り返す。そんな能動的なプロセスの中で、与えられた仕事は「つくり出す仕事」に変わっていくのだ。

p.134

物事を「できない理由」から考えるのか、それとも「できる理由」から考えるのか。

東国原知事も職員に向かって言っていた。
出来ないという理論武装の方が先にたっている - How Many Books Do You Have?より

出来る、出来ないとなった時に、
いや出来ないという理論武装の方が先にたっているきらいがある。
でも少しでも可能性があれば、出来ることから発想しよう。

p.143

「お金とは『信用』を数値化したものである」


10の信用があれば、100のお金を集めることができる
けれども、100のお金を使って10の信用を買うことはできない。

お金よりも「信用」が価値を持つ時代は、すでにはじまっているのだ。

「どうすればラクができますか?」という質問に対して

p.151

「ものすごく苦労をすると、その先にラクが待っている可能性もあります。自分で『苦労していない』という人がいたとしても、それは本人が苦労だと思っていないだけで、周りから見たら苦労しているものです。逆に、自分が『苦労だ』と思っていることに限って、周囲には苦労と映りません。ですから、周りの人から『苦労してるな』と思われることをして、その先にあるラクをつかんでください」

p.157

人はメシを食うために働くのではない。働くことは生きること。僕らは、自らの生を充実させるために働くのだ。

p.184

ひとつだけ大きな反省点を挙げるとするなら、これまでの僕は「自分をわかってもらうこと」にまるで関心を払ってこなかった。誤解を誤解のまま放置し、とにかく目に見える結果を出すことだけに集中してきた。結果がすべてだと信じ切っていた。

内容紹介
誰もが最初は「ゼロ」からスタートする。
失敗しても、またゼロに戻るだけだ。
決してマイナスにはならない。
だから、一歩を踏み出すことを恐れず、前へ進もう。

堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?
ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。

【本書の主な目次】
第0章 それでも僕は働きたい
第1章 働きなさい、と母は言った──仕事との出会い
第2章 仕事を選び、自分を選ぶ──迷い、そして選択
第3章 カネのために働くのか?──「もらう」から「稼ぐ」へ
第4章 自立の先にあるつながり──孤独と向き合う強さ
第5章 僕が働くほんとうの理由──未来には希望しかない
おわりに
内容(「BOOK」データベースより)
堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。