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特別授業 “死"について話そう (14歳の世渡り術)

特別授業 “死"について話そう (14歳の世渡り術) ★★★★☆


大体が”死と生は表裏一体”、”死を感じることで生をより感じる”といったありふれた内容だ。
だけれども、各著者の専門からの視点が独特で他にはないものにしている。
特に、キノコ博士・伊沢正名さんのの「ウンコに学ぶ 生き方・死に方」が気に入った。生物、生態学的に”死をウンコと同じように考え”、”生命を地球に返し、他の命の栄養となり命を繋ぐこと”と捉える。この考え方に賛同し、火葬ではなく自然葬が一番だと思った。

星1つマイナスは、「生きるためのホームレス」の読後感が良くなかったからだ。
なぜなら、人生を他人任せにしていて自分で人生を切り開いていくという意志を感じなかったからだ。
そして論点が”死について”から脱線しすぎている。
ホームレスの境遇を大企業・政府に転嫁して、恨み節をつらねているだけだ。


p.51 生と死のせめぎ合う瞬間

冒険によって生が躍動するのは挑戦することだとか、あきらめないことだとか、勇気を持つことだとか、そういう前向きなフレーズによってではない。

冒険により生が躍動するのは、単純に死が身近に感じられるからにすぎない。

定番。

p.71 ウンコに学ぶ 生き方・死に方

「食べて生きる」というのは、他の生き物の命を奪い、その命を自分のものにすることだろう。「いただきます」と言う食前の感謝の言葉は、まさにこれから、あなたの命をいただきます、という意味だ。

p.75 ウンコに学ぶ 生き方・死に方

じつは野糞は、命の返し方でもあったのだ。

AのウンコはBのごちそうになり、BのウンコはCのごちそうになる。そしてCのウンコがAのごちそうになって戻ってくる。命が無限に巡る生態系の循環は、じつはウンコと食べ物の循環だったのだ。

p.78 ウンコに学ぶ 生き方・死に方

自分自身にとって死は、人生最大の区切りではあるが、命を返し、他の生き物を生かすことを思えば、それは命の終わりではなく、命を繋ぐことだ。

内容紹介
死について、何を学び、これから先をどう生きるのか----。
いじめや自殺など、思春期を迎え、生きることの難しさに直面する10代に向けて、
全18教科、豪華教授陣が誌上特別授業を開講。

●もくじ●
【国語】 「私は鎖を抱くようにして生きていきたい」----和合亮
【倫理】 「海外で亡くなった人を運ぶ仕事」----佐々涼子
【宗教】 「死を恐れること、人を葬ること」----島田裕巳
【冒険】 「生と死のせめぎ合う瞬間」----角幡唯介
【支援】 「生きるためのホーム」----森川すいめい
【生物】 「ウンコに学ぶ 生き方・死に方」----伊沢正名
【介護】 「14歳の看取りー死に行く人のためにできること」----川口有美子
【課外授業】 「蜘蛛の腹の中に」----畑正憲
【生活】 「家のなかにある死」----酒井順子
【芸術】 「死を刻む」----園子温
【科学】 「科学技術が生み出す死」----元村有希子
【現代詩】 「6つの死」----最果タヒ
【音楽】 「あるアイドルの死」----中森明夫
【日本史】 「中世人と、隣り合う死について」----本郷和人
【ゆとり】 「生きながら生きる! 」----湯山玲子
【物理】 「光速を超えて」----佐治晴夫
現代社会】 「死を知らぬまま、死を“操って"」----遠藤秀紀
【道徳】 「いのちの家来になる」----徳永進
内容(「BOOK」データベースより)
誰も死んだことはないけれど、正面切って、考えてみました。社会を知り、自分自身を知り、この世の中で生きて行くために―。国語、社会、冒険、介護、生物…18人が紙上特別授業を開講!!今を生き抜くために必要な、18の見かた・考えかた。
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