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馬が魚でないのと同様、鯨は魚ではない

「鯨構文」( no more / no less 〜 than ...) は正しく理解されているか? - Yahoo!知恵袋より

no more とか no less の no は、much more とか much less の much ;
a little more とかa little less の a little と同じく、程度を表わす副詞です。
すべてどの程度 than 以下を上回っているか(どの程度下回っているか)を表わす副詞です。


A whale is no more a fish than a horse is (a fish).
「鯨が魚である度合いは、馬が魚である度合いを少しも上回っていない」という意味ですが、言い換えれば、
「鯨の魚度は馬の魚度を少しも上回っていない」、これを意訳して「鯨が魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ」とか「馬が魚でないのと同様、鯨は魚ではない」と訳されます。
A whale is a fish. と A horse is a fish. が比較されている訳です。
どちらも常識的には「魚」ではないのですが、鯨が「魚でない」というのは少し分かりにくいので、明らかに「魚でない馬」を鯨との「魚度(魚である度合い)」で比較して、「その差は少しもない(その差はゼロ)」という訳ですね。


この構文で学習者が疑問に感じるのは、than 以下が「肯定形」であるにも関わらず、
no more 〜 than 。。。の構文では、than 以下が「否定」のように訳すことだと思います。
than 以下は肯定形なので、当然「肯定的に」訳してよいのです。
「鯨が魚であるというのは、馬が魚であるというようなものですよ」
と大胆に訳していいでしょう。
直訳でしっかりと no + 比較級 than 〜 の構文をとらえてください。
直訳から理解していかないと、この複雑な構文を理解するのは困難でしょう。


A: I wish I were as efficient as George.「ジョージと同じくらい有能であればなあ」
B: But you are! George is certainly no more efficient than you are!
「でも君だって有能だよ!
ジョージは確かに (間違いなく) 君が有能である度合いを少しも上回っていないよ!
⇒ 「君も間違いなくジョージと同じくらい有能だよ!」となりませんか?
この英文はジョージが自分よりも有能だと思っている A さんに、B さんが
「そんなことはないよ、あなただって有能なんだから。ジョージと有能さの点では全く差はないよ」と言っているのだと思います。
結局、「ジョージの有能さ」 =(イコール) 「あなたの有能さ」を述べています。

鯨構文は、実際には役に立たない悪い例文(?)として多くの英語の参考書から姿を消しつつあります。また、現実には、 no more 〜 than と not more 〜 than をあまり厳密に区別していないかもしれません。しかし、「鯨構文」は、no more 〜 than や no less 〜 than を理解する上で非常に分かりやすい例文だと思います。
比較の特殊な構文として、no more 〜 than を「公式化」して画一的に「同様に〜でない」とすると、文脈上、than 以下が肯定的な内容の場合、不適切(正反対)になると思いましたので、浅学菲才を省みず「知恵ノート」に投稿しました。

that以下が常識的に否定文としてとらえて訳した方が良い場合のみが知れ渡っているのか。
やっぱり直訳が1番だな。