カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」 ★★★☆☆
新天地で批判を浴びながらも結果を出す。
カルロス・ゴーンはなんて格好いいんだろう。
p.22
私はよく、日産に来たときに抵抗を受けなかったかと聞かれますが、反対されるということは、私にとっては主要な敵ではありません。敵となるのは、事態を何とも思わない人です。自分とは関係ないと思って、話を聞かない人が敵なのです。興味があり、情熱を持っているからこそ反対するのです。
p.163
はたして、生まれながらのリーダーというものは存在するでしょうか?(中略)その後、その人がリーダーになれるかどうかは、その適正を伸ばす環境にいられるかどうかによって決まってきます。ですから、こちらはそういった環境を用意して−つまり、チャンスを与えて、その人がチャンスを活かせるかどうかみればよいのです。
p.166
従業員1人ひとりが企業に対してオーナー意識を持つことが重要だということです。従業員1人ひとりがオーナー意識を持てば、会社の目的を理解し、それが正しい方向であるとの認識を共有できます。そこではじめて活力が生まれ、各人がそれぞれの部署で自分に何が出来るかを考えるようになります。
JALの経営破綻の時にインタビューを受ける社員を見て同じ事を思った。
被害者のように答えていたけど、いや、あなたも当事者なんだよ。
営業が他者よりもがんばれば、接客が他者よりもよければそんなことにはならなかったかもしれない。
結局ボトムの意識が低いのも経営破綻の要因だったんだろう。
p.193
私の印象では、日本人はプロセス志向の考えをする人々です。フランス人は概念的で独創性があり、革新的です。アメリカ人は直接的で目標到達志向、最終結果志向です。
このような特性を混ぜ合わせると、問題解決に計り知れない財産となります。1つの企業文化の中でも、複合的文化を尊重することが出来るのです。
内容紹介
「いかなる変革も“人間”が中心でなければならない」「戦略はトップが知っているだけでなく、従業員と分かち合うことが重要なのです。戦略は情勢の変化に素早く対応し、絶えず見直さなければなりません。弱点を見つめれば解決の方法も見つかります。個々人に見返りを約束すれば、収益をあげる意味がより具体的になります。社員には自分たちがどこに行こうとしているのか絶えず知らせる必要があります。戦略と目標を明示されることによって社員たちは鼓舞されるのです」――――カルロス・ゴーン
内容(「BOOK」データベースより)
瀕死の日産を、時代にふさわしい形に改造することで再建したカルロス・ゴーン。日本の強みを知ることが世界をリードすることになる、ということを学んだゴーンは2005年4月、日産自動車CEOのまま、親会社であるルノーのCEOに就任し、ルノー・日産グループを統括する立場となった。浮沈の激しい自動車業界において、日本にとどまらず、世界の成長モデルを描くゴーンの「5つの革命」とは何か。その驚異の経営手腕を明らかにする。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。