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「声」と「言葉」で心に響く プロの話し方作法

「声」と「言葉」で心に響く プロの話し方作法 ★★★★☆

”プレゼン+話し方”の構成。
目新しさはなかったが、著者の体験談が飽きさせず言葉にリアリティを持たせていた。

p.6
半年ほど指導させていただくうちに声が感じよくのびやかに響くようになってくると、ある変化が訪れます。それまでうつむきがちだった顔が上がり、目に輝きが出て、別人のように表情が明るくなってくるのです。女性の方だとファッションも華やかになってきます。どなたも自分の意見がはきはきといえるようになり、自分に自信をつけ、輝いていかれます。

そうかもしれない。

p.81
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことをいっそうゆかいに」
2010年に亡くなった、作家の井上ひさしさんの言葉です。

p.77 「誰にでもわかる」ということ
かつてニュースのリポートコーナーで、風情のある大正時代の街並みを紹介する際に「レトロな街並み」という表現を使ったことがあります。

本番前のリハーサルでこの言葉を口にしたところ、直ちにアナウンス部長から指導が入り、
「レトロでは分からない。別の言葉に言い換えるように」とのこと。
「誰でも分かると思いますが」と食い下がると、「では、あなたのおじいちゃん、おばあちゃんでも分かると言い切れるのか」と聞かれ、うーん、わからないだろうなぁ…と納得しました。

「誰にでもわかる」というのはとても難しそうだ。
どうしても自分基準の線引きから抜け出ることが出来ないだろうから。
そう考えると、アナウンサーの言葉選びは繊細ですごいと思わされた。

p.93
私たちが自然な一息で話せる文字数は、40文字前後といわれています。同時に一文40文字は、聞き手にとってもさほど長さを感じさせない文量です。40文字程度を目安に、一文で「何がどうした」をまとめることを心がけましょう。

p.221
そのときの胸を締め付けられるような気持ち、今でも忘れられません。

私は、何にもわかっていなかった…という猛烈な反省。「親しみやすくわかりやすく、視聴者の立場に立って伝えています。」なんて、わかったようなことをいつも口にしていたのに、本当は何もわかっていなかったのです。

この体験が一番心に響いた。


川邊暁美 著「声と言葉で心に響くプロの話し方作法」 - YouTube

内容紹介
伝わる話し方は、話す「内容」も重要であるが、「声」も重要である。話し方のプロである元NHKアナウンサー川邊先生が、伝わる内容・心のこもった声の出し方、作法を実際の例を交えて解説します。