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働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~

働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~ ★★★★★

村上龍がホストの番組で見たことのある、知的障害者を雇用して会社を運営し続けているチョーク製造会社の社長の話。
その時はじっくり見ていなかったのだが、「国からの補助があるんだろう」と思っていた。しかし、そんな補助がある前から知的障害者を雇用し、経営が苦しいときでも雇用を守ってきた努力に感心させられた。

ベルギーのように外で仕事をして、施設に帰ってくるシステムは素晴らしいと思う。これを実現するには企業がどうのこうのではなく、国の福祉政策を改革しなくてはいけない。
また現状では一定率以上の知的障害者を雇用しないと罰金が課せられるが、罰金を払っている企業の方が多い現実を鑑み、現在の福祉政策が機能していない事を厚生労働省が認識しないといけないと思った。
後半、著者はそこまで踏み込み、持論の福祉政策は納得できるものであった。

amazonレビューの20個すべてが★5つというのも尤もだ。
自分も★5つ

p.3 プロローグ 知的障害者に導かれたわが人生

導師は人間の究極の幸せは、
人に愛されること、
人にほめられること、
人の役に立つこと、
人から必要とされること、
の4つと言われました。
働くことによって愛以外の幸せは得られるのだ。
私はその愛までも得られると思う。

(大山泰弘)

p.15 プロローグ 知的障害者に導かれたわが人生
私は、会社とは社員に「働く幸せ」をもたらす場所だと考えています。

すばらしい経営者だ。

p.40 第1章 「逆境」を最大限に活かす
大学生になってもしばらくは、東大を落ち、浪人しても結局入れなかったという深い失意と挫折感を抱え込んでいました。
そして、若いなりに、自分はこれからどう生きていくのか、懸命に考えました。
たどり着いたのは、
「これからは逆境を甘んじて受け入れ、その境遇を最大限に活かす人生でいこう」という考えでした。

p.56 第2章 働いてこそ幸せになれる
「家の工場には知的障害者の人たちが働いているのですが、どうして彼女たちは施設より工場にきたがるのでしょう」
唐突な問いかけでしたが、ご住職はつぎのように答えてくださいました。
人間の幸せは、ものやお金ではありません。人間の究極の幸せは、次の4つです。その1つは、人に愛されること。2つは、人にほめられること。3つは、人の役に立つこと。そして最後に、人から必要とされること。障害者の方たちが、施設で保護されるより、企業で働きたいと願うのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証しなのです」

健常者は健常者故に、人間の幸せに占める”ものやお金”の比率が高くなっているのかもしれない。

p.96 第2章 働いてこそ幸せになれる
障害者のみなさんに「働く喜び」を提供できるのは、福祉ではなく企業であるといえるのです。

知的障害者が社員の7割、50年間持続経営。『日本でいちばん大切にしたい会社』で紹介された日本理化学工業。なぜ、この会社は、こんなに温かいのか?疲れた心に沁みるビジネス・ストーリー。