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稼ぐ人、安い人、余る人―仕事で幸せになる

稼ぐ人、安い人、余る人―仕事で幸せになる ★★★★☆

人材バンクの著者が書いただけあって、人を見る目が鋭いと感じた。
また、「稼ぐ人」、「安い人」、「余る人」とトゲのある言葉を使っているが、内容は尊大にならず冷静な分析で全く嫌みを感じない文章だった。
筆者のグローバルに活躍する日本人のビジネス・タレント(稼ぐ人)を育成しなくてはという焦りと願いが良く分かった。
もう1回読み直したい本だ。

ただ、色々な成功者の言葉を引用しているが、ちょっと多すぎだったと思う。
成功者各人に持論があるだろうから、一々引用していたらきりがない上に、相反する持論もあるだろう。その中から著者にとって都合の良い持論を引用しただけと感じる点があったので★4。

p.1 人材は選別されるもの
「稼ぐ人」とは、自分が勤める企業を仮に辞めても稼ぐことが出来るような実力をもったタレントです。
「安い人」とは、パートタイマーのように、単純労働を切り売りする人です。
「余る人」とは、これまでもらっていた給与に見合う働きが出来ないという評価をされて、勤務先から「あなたは余っている。やめてほしい」といわれる人です。

耳が痛いが、真摯に受け止めなければならない。
現実だから。

p.139 七つの才のコーラス 組み合わせで効果倍増
七つの才は、すべて「ある一つのこと」を示しているだけだ、という点に注意してください。
ある一つのこととは、「自律」です。「自分で考え、自分で感じ、自分で行動し、(その結果を)自分で検証し、自分で改善していく」という意味での自律です。

p.142 七つの才のコーラス 組み合わせで効果倍増

  1. 志は明確か  ゴールを明確に描いたか
  2. 現状を厳しくみたか
  3. 仮説やアイデアを出し尽くしたか
  4. 失敗を恐れていないか 失敗を通じて学習してやろうと思っているか
  5. 自分だけでやらずに人を動かそうとしたか
  6. 知識の不足を言い訳にしていないか すばやい学習の工夫をしたか
  7. 肩の力を抜いて、遊びのつもりでやってみたか

p.163 どうやって場をみつけ、つくるか
働くべき職場かを決める4つのチェックシート

  1. やりたいことがやれているか
  2. 同僚から健全な圧力や刺激があるか
  3. 金と心の報酬があるか
  4. 出会いのチャンスに恵まれているか

良い職場環境に出会う4つのヒント

  1. 今の職場がよい場かどうか定期的にチェックし、転職を考えよう
  2. 海外に行くチャンスは迷わずつかもう
  3. 理屈でなくて、「自分に合っている、合っていない」という直感を大切にしよう
  4. 能動的になれば、いい場を創り出せるはずだ

p.188 稼ぐ人の時間術
誰にでもつかみやすいのは、「遊び」に集中した状態です。誰でも、遊びに集中して時間が経つのを忘れた経験があるかと思います。あるいは、スポーツや芸術等で日頃の自分には出来ないような記録やパフォーマンスが出てきた経験を持っているかと思います。
いずれにせよ、上級の「稼ぐ人」になっていくうえでは、成果イメージや合理的な問題解決やリーダーシップや学習力と行った合理的な力と合わせて、なにかそうしたものを超えてしまう「遊び的没頭」も必要なのかも知れません。

p.189 稼ぐ人の時間術

  1. いきなりばたばたた動かずに、「成果イメージの明確化」「現状の把握」「問題解決のための仮説作り」にまず時間を使う
  2. 人を動かすために時間を使う あらかじめよくコーチして後は任せる
  3. 知的先行投資の時間を作ろう  毎日1時間の学習時間をひねり出す
  4. ちょっと行き詰まったら、イスに深く座ったり、眠ったり、呼吸を変える
  5. 単に時間の使い方が効率的なレベルを超えて、仕事に集中して遊び的没頭も味わってみる

p.203 自分のタレントは自分で守る
「社長がいったからそのとおりにしました」というのは、ビジネス・タレントがいうべき言葉ではありません。社長がいったからでなくて、そのことについて自分でやるべきだと判断したからそのとおりにした、となるべきでしょう。
同様に、「強そうな人」や「怖い人」がいうからそれに従う、というのは、自律人材が、まず避けるべき事です。「稼ぐ人」は、自律した人材ですから、「偉い人」や「怖い人」の命令に服従するというパターンは絶対避けるべきです。

そんな部下でいるこは可能?非現実的すぎないか。

p.211 自分のタレントは自分で守る

  1. 「直ぐ怒る人」に対しては、怒り度合いを冷静に観察し、距離を置こう
  2. 「甘すぎる仏」は実は冷たい人だ。成長のためには、暖かくて厳しい上司を選ぼう
  3. 「偉い人」には、へつらわずに「フラットな目線」での対応を練習しよう
  4. 「前例の奴隷」には、前例は一例とするにとどめ、本質から考える姿勢を貫こう
  5. 「成果横領者」には、自分が本当に出した成果なら自分の成長に繋がると考えて超然としよう
  6. 「仕事独占者」には、むしろそれを利用して、自分は独創的な仕事に時間を使おう
  7. 意志「無」決定者には、決定できるようにコンサルティングしてあげよう
  8. オタク的専門家は、辞書代わりに有効に活用しよう
  9. 馬鹿にする人には、あなたの自信のタレントの根幹に関わるので決然と立ち向かおう

p.232 部下を先生にする
私は最近、「自分が部下からみてよきパートナーであること」こそが、年を取っても「余る人」にならない秘訣だろうと感じ始めています。

p.233 タレント開発はベンチャー投資
「稼ぐ人」を育てる4種類のアプローチ

  1. ベンチャー投資  相手を起業家と見なし、強み、弱み、機会、脅威をしっかり押さえて、長期的な成長に繋がるような助言や協力をしよう
  2. コーチング  相手をプレイヤーとみなし、相手が「自分で考え、行動し、気づいていく」ような刺激や質問をぶつけよう
  3. 顧客サービス  相手を顧客と考え、顧客の真のニーズを捉えて、それにあわせたサービスを提供しよう
  4. 先生  相手を先生にして、こっちから学んでみよう 教える経験が相手の成長に繋がる

p.275 外国語の習得5箇条
英語力をアップする4つの極意

  1. 「稼ぐ人」はグローバル・タレントであり、英語力の必要性はもはや議論の余地がない
  2. 自分が「稼ぐ分野」の単語力を身につけよう  ヒアリングは、わかったふりをせず、相手にゆっくり話させるか、メールを活用して切り抜ける
  3. 「教材の選択と集中」、「単純作業化」、「ネイティブ美女・美男の活用」等の工夫により、英語中毒にかかる
  4. 英語はコミュニケーションのツールに過ぎない  英語力と合わせてコミュニケーション力を付けよう
  5. 英語は下手で当たり前だ  母国語でない英語を話してあげている、という健全な優越感を持とう

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