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「超」勉強法

「超」勉強法 ★★☆☆☆

大学時代に勉強をしてこなかったことを悔い、大学を出てからも勉強をしてこなかったことを悔いた。
これからは心を改めて興味を持ったものや資格の勉強を継続的にしていこうと思った。
自己啓発本としては役に立ったが、その他のこの本の趣旨にはあまり同意できない点が多かったので★2つ

p.94 英語の「超」勉強法
英語の勉強は,教科書を丸暗記するだけでよい。20回音読すれば覚える。


基礎を勉強しなければ英単語は単なる記号。
記号をいくら読んでも記号。20回読めば、せいぜい早く記号が読めるようになるだけ。

p.95
英語を分解して日本語に対応させる「分解法」は、間違った学習法だ。
英語と日本語は1対1に対応していない
単語は孤立としては覚えられない。
分解法だと、英語的な表現や用法が身につかない
分解法は無味乾燥で退屈。


分解法で基礎を作らないと自分で英文を書けない。
テレビなどの同時通訳だと、一語一語前から訳していく。
確かに分解法だと、英語的な表現や用法が身につかない。それは分解法を習った後に多読すればいいこと。これも同じで、分解法を知らずに多読しても暗記であり、そこからの発展がない。
ただし最後の単語の覚え方については同意。

p.126 国語の「超」勉強法 わかりやすい文章を書く三つのルール


常識的で一般的な内容だった。気になったのは以下。

ルール1:一つの文で、複数の内容を述べない
一文一意主義をとる。そして、文の間の論理的な関係を、「だから」「しかし」「他方で」などの接続詞で明らかにする。
このルールから「が」を使わないことだ。
「彼は頭がよいが、受験に失敗した」
この場合は、はっきりと、
「彼は頭がよい。しかし、受験に失敗した」
と書く方がよい。


いや、十分「彼は頭がよいが、受験に失敗した」で通じる。
著者の方法を採用すると、文章が細切れになってしまう。細切れの文章はは知性を感じられないし、良い文章とは思えない。

p.145 数学の「超」勉強法 パラシュート勉強法
数学の勉強も同じ事だ。途中の過程を省略してしまっても良い。経済学の論文を読むのが目的なら、こうした方法を採っても、いっこうにかまわない。


経済学の論文を読む事が目的なら当然である。しかしこの章の趣旨は「数学の超勉強方」である。経済学の論文の例を出すのは筋違い。
経済学の論文を読むのなら基礎を道具として使えるようになればいいのであって、基礎自体を理解しようとしないというのは当たり前の話

p.206 [超]暗記法


ありふれた内容で、特に目新しいことなし。

p.234 勉強のタイムマネジメント
間際にせかされて勉強するのでなく、興味と意欲に惹かれて勉強すべきだというのが、「超」勉強法の基本的な態度だ。


まぁ、興味と意欲がないから間際までやらないわけです。

p.256 あとがき
日本の社会は、勉強することによって可能性が開かれる社会である。

だから日本社会は、恵まれない環境に生まれたものにとっては、大変ありがたい社会なのである。学歴社会や受験体制を批判する前に、まずこのことを認識する必要があるだろう。

現在の仕組みの最大の問題は、「勉強で可能性が開ける」というチャンスが、大学入試の段階でほぼ終わってしまうことなのである。

「学歴社会」とは、まさにこのことである。つまり「学校教育以降の勉強の努力がカウントされない社会」という意味なのである。

「勉強することがいつになっても報われる社会」を作ることが必要である。


”あとがき”にはとても同意できる。素晴らしい考えだと思う。
しかし、このような将来的なビジョンを見据えていながら、”丸暗記でいい”、”分解法はいらない”など将来に繋がらない”受験勉強だけのための勉強の仕方”を提唱していることに自己矛盾を感じないのだろうか。

こつこつ勉強しているのに結果が伴わない。数学、英語は苦手だから勉強しても無駄だと諦めている。そんな受験生に福音を与えてくれるのが本書だ。あふれる情報についての効率的・効果的な取り扱いスキルを説いたベストセラー『「超」整理法』で知られる野口悠紀雄が、成果がみるみる上がる勉強のノウハウを伝授する。題して、『「超」勉強法』。
その基本原則は、「面白いことを勉強する」「全体から理解する」「8割までをやる」の3つだという。基礎から積み重ねていくきまじめな勉強法は見直す必要がある。そして、著者が推奨するのが丸暗記法である。英語であれば、教科書を何回も音読して覚えることが成果を上げる早道になるというのだ。受験数学もできるだけ多くの問題と解法を暗記することがポイントと説く。そのうえで、暗記ノウハウもきちんと紹介している。だが、本書を読めば、即勉強ができるようになると勘違いしてはならないだろう。英語や数学の丸暗記法は簡単にマスターできるものではない。前提は本人の意欲と努力なのである。そのことを認識して本書を活用すれば、大きな効果が期待できる