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相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン

相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン ★★★★☆

 アクションシーンは無い。しかし犯人とのチェスを使った推理戦と、二転三転する状況が飽きさせずとても面白かった。そしてボートでの伊丹と亀山のコンビネーションは映画ならではの特典といった感じで、なんか嬉しかった。鑑識の方の「使われない駒」発言も面白かった。

 最後の部分だけを見るとすごく同情を誘う。
実は退去勧告を知らされる前に拉致されてしまったということに。
世間はそれを知らず被害者をバッシングしているということに。
なんとなく最後の部分だけが心に残り親父の心情に心を寄せてはしまいか?

 自分は脚本家の思うつぼにはまり、親父に同情してしまった。しかし最初は勝手な市民裁判による私刑を何回か繰り返していたことを思い出した。この私刑を行っていたのは先輩だったのか?オヤジだったのか?最後は御厨(当時の総理大臣)を弾の入っていない銃で脅し公に晒し再問題化しようとした。考えてみると酷い身勝手だ。とても同情できない。

 また脚本的におかしな点がある。マラソンを狙うなどと公表したため警察、公安が阻止すべく動いてしまった。そんな計画を実行、公表せず、粛々と表彰式で行動を起こせば目的をより確実に実行できたはずである。ならマラソンを狙った爆破予告とは何だったのか?単なる尺稼ぎ、映画的な盛り上がりとしか考えられない。

 同情できない点はもう一つある。拉致される前に自分たちで出来ることは他にあった。まず自分の命を自分で守れるところへ事前に調べてボランティアに行くこと。また、国がどうのこうのより、家族が本人に危険な地域に行くな、紛争がある地域らしいから行くなと体を張って止めること。すべきことはまずこれだと思う。