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ビジネスマンの父より息子への30通の手紙

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 ★★☆☆☆

この手の成功した社長の理念、経験を本にするのはピンから桐まで数多ある。ワタミの社長も出してそうだ。
読むとすごい意味のあるように思い、すごく意味があったような気がする例の奴。

経営者としての考え、生き方を息子に諭すのが主であり、経営者、経営者になる者以外に役立つと思える章はそれほどなかった。
例えば、「部下との衝突」、「社員を回顧するとき」など。
つまらなそうな章を飛ばして、興味のある章だけを読んだが「その通りだねぇ」と思うくらい。
そんな目新しいことが書いてあるわけではなかった。

なんというか息子と会社が心配で心配でたまらなく、長年の自分の失敗と多くの成功の経験、知識を基本に

  • 私ならこういった時にこうする
  • 私ならこうならないようにこうする
  • 私ならこうなるようにこうする

という助言をしているようにみえて、実は明白にレールを敷いて誘導していると受け止めた。

p.35
ある夏私は経理の仕事がもらえず、その工場で肉体的に一番きつく、汚い仕事に就く羽目になった。
一日八時間、週に六日、交代制の仕事だった。その結果、私は二つのことを思い知らされた。そういう仕事を一生続けなければならない人がいること、そしてその人たちが生涯に与えられた時間のかなりの部分を過酷な作業条件の下で費やしていることである。私は二度とそういう人たちの仲間入りをしなくてもすむようになろうと決心した。

経営者になるきっかけともいえるかも。
自分も派遣で働いていたことがあったが、会社、派遣会社の二重搾取されている状況のとき同じ事を思った。でもほぼサラリーマンになるんだよ。

「財産や事業など残すより、いちばん大切なのは、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウの集積である。これだけはぜひ息子に伝えておきたい」(まえがきより)
本書は、ビジネスマンとして成功を収めた著者が、同じく企業家を目指す息子へ宛てて書いた手紙をまとめたものである。全部で30ある手紙は、試験、実社会への出発、企業での人間関係、部下とのコミュニケーション、友情、結婚など、ビジネスマンが人生で遭遇するあらゆる場面に言及している。著者が人生を通じて得た「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」「友情は手入れしよう」「批判は効果的に」といった教訓は、いずれもビジネスにおける普遍の真理をついている。
本書の魅力は、こうした教訓だけにあるのではない。「父親を超えられない」と不安に思う息子を励ます場面では、息子の成長を祈る父親の気持ちが伝わってきて、思わず涙しそうになる。父親と息子の、男同士の絆。厳しさと愛情の入り混じった複雑な感情が、読むものの心を強く打つ作品である。 原書は『LETTERS OF A BUSINESSMAN TO HIS SON』で、全世界でミリオンセラーとなった。時代が変わっても輝きを失うことのない1冊。(土井英司)