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乗るのが怖い―私のパニック障害克服法

乗るのが怖い―私のパニック障害克服法 ★★★★★

あのプロ野球選手だった長嶋 一茂の実体験。
物知らぬ人間の「健全な肉体に、健全な精神は宿る」なんて糞みたいな嫌味の返答として名を上げれる人だ。
読みやすい文体で肩肘を張っていなく等身大の自分のさらけだしていた。
共感できる点が多かったので★5。

前半はよくある実際の経験、つらさなど。この手の本の定番なので飛ばしてもいいと思う。
前の本の例でもそうだったが最初の発作の直接の原因がないのが興味深いと思った。
自分も一緒だ。

中盤以降は実際の対策。

パニック発作には、気分伝転換、つまり気を紛らわせることが肝心だ。そのためには、伸びをしたりして姿勢を変えたり、さらには歩けるときにはできるだけ歩いて、場所を変えることが、かなり有効だ」と、学んでいたからだ。

そうだね。でも床屋だと歩けないし、歯医者も歩けないんだ。
新幹線と電車の時に利用させてもらおう。

p.87 断食のススメ
三日断食して、その後、通常(私の場合は一日一食)の食事に戻す。

断食にはすごく賛成できる。断食ではなく粗食で過ごしたときのあの五感が研ぎ澄まされたような状態は、とても獣的で野犬にでもなったかのようだった。しかも健康な感じがした。しかし三日は不可能じゃないのか?二日目はフラフラで力が出ず階段も登るのもつらくなった覚えがあるのだが。
なので自分は一日一食の粗食をやってみようかと思う。
というのも「食欲があるということは、生命力があるということと同じだ」という考えを持っているからだ。

追記
最近の写真を見たらとても三日断食をしたり毎日一日一食をしている体躯には見えない。
もっとゲッソリとして2回りくらい小さくなってるのかと思った。
本当に断食と一日一食を実践しているのだろうか。

追記2(2014年9月13日)
TVで見た長嶋一茂は健康的に痩せていた。

p.101 ネガティヴシンキングのススメ

前の本のポジティヴシンキングをしましょうとは真逆の意見。
ポジティヴシンキングは絶対にだめだと言っている。
その真意は、

「ポジティヴシンキング」なんて言い出したら、自分が苦しくなってしまって、しょうがない。

なぜならポジティブシンキングを突き詰めすぎると、その反動で、ネガティヴなことのほうがより浮き上がってくるからである。たとえば、「自分は絶対に強い、パニック障害なんかに、うつなんかになるわけがない」と思うと、なってしまったときに、ショックが大きい。つまり、ポジティヴシンキングが自己否定に繋がるのである。

追記(2012/09/27)
本書で長嶋一茂が感銘を受けたと紹介した、中村天風の書の趣旨は「体は病んでも、心は病むな。心を積極的にしろ」だ。
にもかかわらず、長嶋一茂がネガティブシンキングを勧めるのが理解できなかった。
しかし、パニック障害から鬱病にもなった状況なのらそういう心境になるのかもしれない。
鬱病について詳しくないのだが、鬱病パニック障害と同じく脳という臓器の病気だとしたら、同じ中村天風の書を読んだ者としてポジティブシンキングを勧めたい。


p.142
パニック障害は100%自分で治すもの

全くその通りだと思う。
脳に誤った情報を送りパニックになってしまうのを薬で抑えて、薬効中にパニックを起こす場所へ行き問題ない、平気なことを脳に経験させる。そうして脳を正常な状態にして減薬して最終的に断薬して完治というプロセスなんだと思う。

p.147
社会が悪い、会社が悪い、上司が悪い、親が悪い、誰々が悪いと思っているうちは、パニック障害は治らない。嫌いな人を好きになれとはいわないけれども、嫌いな人と会っても、「そんなの関係ないよ」と流せる自分を確立すること。

これが出来たら恫喝したり理不尽な上司のせいでうつになってしまう人なんていないでしょう。ちょっと理想的過ぎて不可能だと思う。


長嶋一茂も苦しんだかもしれないが、金銭的には困らない家柄、収入があり金銭的な将来の不安もないなわけであり、自分からすれば羨ましい環境だ。
自分も少なくても金銭的な不安がなくなればさらに前に出れるのに。
最後は恨み節になってしまった。

内容(「BOOK」データベースより)
読売巨人軍の現役選手だった三十歳の夏、神宮の花火大会を見物中、突然、パニック発作に見舞われた。飛行機、新幹線に乗れなくなり、ひどい眩暈に襲われ、わけもなく涙が出て止まらない。完全にうつ状態になり、ついには強い自殺衝動が―。そんな病との闘いを繰り返し、現在「おおむね健康」といえる心身を取り戻しつつある。なるべく医師と薬に依存しないようにして導き出したその対処法は、「孤独と飢えを味方にする」という考えをベースに、自分と暮らしをシンプルにすることだった。体験者ならではのリアルかつ具体的、実践的なパニック障害克服法。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
長嶋/一茂
1966年1月26日、東京都生まれ。88年、立教大学卒業後、ヤクルトスワローズにドラフト一位入団。93年、読売巨人軍に移籍。96年に現役引退後、K‐1リポーターを皮切りにスポーツキャスターを務める。同時に俳優としても活動。2002年公開の初主演映画「ミスター・ルーキー」で報知映画賞新人賞、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。05年、読売新聞グループ本社社長室スポーツアドバイザー、読売巨人軍代表特別補佐に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)