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弱いつながり 2017年32冊目

「弱いつながり」を読んだ。


弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫)

弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫)

★★★☆☆

ネットは「強いつながり」。

確かにいまはSNSを使って遠い昔の小学生時代のクラスメイトと繋がることができる。

昔だったら忘れ去られたかもしれないしがらみに絡め取られて、何かに所属していることをより強く意識する時代なのかもしれない。

それじゃ息苦しい。

もっと偶然と出会うために外に出ようという趣旨。


「弱いつながり」というのは「リアルでのつながり、実際的な経験によるつながり」と理解した。


p.9
つねに思うのは、人間は環境がつくるということ。お金持ちと付き合っていれば、自然とどうやったら金が入るのかがわかり、自分もお金持ちになる。

ぼくたちは環境に規定されています。「かけがえのない個人」などというものは存在しません。ぼくたちが考えること、思いつくこと、欲望することは、たいてい環境から予測可能なことでしかない。あなたは、あなたの環境から予想されるパラメータの集合でしかない。
そして、多くのひとは、「自分が求めること」と「環境から自分が求められると予測されること」が一致するときこそ、もっともストレスなく、平和に生きることができます。

親が子どもに医者になってほしくて子どもも医者になりたいなら、たしかにストレスがなさそうだ。


p.127

いま、すごい勢いで、世界中の人たちの生活水準が均質化されつつあることを実感できます。たとえそこで文化の多様性が失われるとしても、それはやはり歓迎すべき動きです。それは、アジアやアフリカの人々が、貧困や病気といった苦しみから今急速に開放されつつあることを意味するからです。

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グーグルが予測できない言葉を手に入れよ! 統制されたネット時代に「かけがえのない生き方」は可能か?著者初の挑発的人生論

人間関係を大切にするな! 友人に囚われるな!

「かけがえのない個人」など存在しない。私たちは考え方も欲望も今いる環境に規定され、
ネットの検索ワードさえもグーグルに予測されている。
それでも、たった一度の人生をかけがえないものにしたいならば、環境を意図的に変え、
グーグルに与えられた検索ワードを裏切っていくしかない。
それを可能にするのが身体の移動であり、旅であり、弱いつながりなのだ――。
人生に自由と強度を与える「偶然性」と「ノイズ」へ向かう道筋を示す。

目次
0 はじめに――強いネットと弱いリアル
1 旅に出る 台湾/インド
2 観光客になる 福島
3 モノに触れる アウシュヴィッツ
4 欲望を作る チェルノブイリ
5 憐れみを感じる 韓国
6 コピーを怖れない バンコク
7 老いに抵抗する 東京
8 ボーナストラック 観光客の五つの心得
9 おわりに――旅とイメージ