スポンサーリンク

自殺直前日記 改 2016年34冊目

自殺直前日記 改 ★★☆☆☆


山田花子という漫画家をご存知ですか ?

1992年5月、24歳で永眠した彼女は、『ヤングマガジン』『月刊漫画ガロ』などの漫画雑誌で活躍していました。
生きづらさを抱えた登場人物たちを執拗に描くことで評価されましたが、繊細すぎて統合失調症を患い、高層住宅
の11階から飛び降りることで命を絶つのです。彼女の死は読者の心に重いしこりを残しました。
それから約4年後の1996年、山田花子が自殺の直前まで綴っていた日記が、関係者の手によって一冊の書籍として
出版され、ベストセラーになりました。皮肉にも、彼女の存在はこの本を通じて、生前よりもより多くの人に知れ
渡ることになったのです。

Yahoo!知恵袋を見ていたら右のランキングに『山田花子はなぜ自殺したのですか?』といった質問があって、びっくりして検索してみたら同姓同名の漫画家のことだった。

「若くして自殺した山田花子は日記に何を書いていたのか?」、興味を持ったので図書館で借りてきた。


あらゆる行動も優しく差し伸べられた言葉さえも裏に読み、相手を蔑み、自分を蔑む。
親や妹さえも。


無理だよ。
現代でも過去でも多分未来でも著者が安らぎを感じる時代はないよ。



何かがおかしい…
なぜそんなにもネガティブなのか…?
お父さんやお母さんの子育てもいたって普通で異常な点は感じ取れなかった。


先天的としか思えない。



しかし、山田花子 (漫画家) - Wikipediaを見ると後天的なのか?と思い始めた。

wikiにでてくる「やっぱりおおかみ」という絵本。
ひとりぼっちのおおかみの子供が仲間を探して歩くが何処にも入れず、「やっぱりおれはおおかみだから、おおかみとして生きていくさ」というストーリー。
山田花子に写し鏡だ。


なんの確証もないが、人格形成に悪い影響を及ぼしたんじゃないか?と思わずにはいられない。
よく言われるように子供に与える絵本や見せる映画は注意深く選ばないといけないようだ。



あと本書では妹を天敵と呼び疎ましく蔑んでいたけれども、山田花子 (漫画家) - Wikipediaではとても仲が良かったようだ。


とても嫌いなら一緒にバンドを組んだりなどはできないと思うので、そうなると本書は本音ではないのでは?
まるでそう演じたいと思った架空の自分を書いているのでは?と思った。
それとも違う人格が書いた?


p.11

特に心身に障害はなくても、この世ではいくら努力しても、生きていき難い人達がいることを知った。

父親の回顧。


プライドは高いが外に吐き出せない弱い心だったので、他人を拒否し妬み蔑みを日記に書き留めていく。

ガス抜きのようで、実はより内に閉じこもり心を病むのを加速させたように見えた。


本書は山田花子の、そのベストセラー『自殺直前日記』の復刻版です。
前著では、編集上の都合で割愛された100箇所以上の文章(四百字詰め原稿用紙換算約90枚)を追加し、新たに編集
し直しました。

ではなぜ今、山田花子なのか。

彼女が世を去って20年以上経ちますが、山田花子という作家は未だに忘れられていません。漫画の作品集は入手可能
なものが現在5冊あって、読み返しても古くならず、どれも読み継がれています。

山田花子は、その人生が熱心なファンの手により映像化されたり、原画展が行なわれたりと、絶えず引き継がれてきて
いる印象があります。逝去と同時に、彼女を愛した多くの人たちのこころのなかに、生きはじめています。

それは彼女が目をそむけたくなるような世の中の現実に、ただひとり果敢に立ち向かっていったからなのでしょうか。
彼女は結果、こころの地獄に押しつぶされてしまいましたが、皮肉にもその軌跡は、多くの若者たちの胸を打ち、現在
も作品を生き続けさせているのです。

本書は山田花子ファンはもちろん、今の時代に “生きづらさ” を感じている、多くの人たちに読んで頂きたい一冊です !