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私は負けない  「郵便不正事件」はこうして作られた 2015年29冊目

私は負けない  「郵便不正事件」はこうして作られた ★★★★★


どうして冤罪が生まれるのか。
なぜ嘘の自白をしてしまうのか?
それを知り、検察の異常性、強力な権力、被疑者の為す術のなさに驚いた。
こんなことがまかり通っていいのか?


郵政不正事件があまり分からなくても、PC遠隔操作事件は結構している人が多いのではないだろうか。真犯人が分かるまでに4人が誤認逮捕されて、内2人がやってもいない罪を自白している。
PC遠隔操作、被告に懲役8年 「悪質なサイバー犯罪」:朝日新聞デジタル


本書に出てくる法制審議会はその後どんな結果を出したかというとこちら。
司法取引の導入決定 法制審答申、可視化を義務付け  :日本経済新聞

 初めて義務化される可視化は、殺人や傷害致死といった裁判員裁判の対象事件と、検察の独自捜査事件が対象。

これって村木さんの件は適応されないのでは?
それから証拠開示はどうなった?

日本の司法はおかしい、だから闘い続ける 周防正行監督に裁判の問題点を聞く(東洋経済) 赤かぶ

この審議会は全会一致が原則でした。僕らが反対したら審議会は答申を取りまとめられないまま解散になり、何ひとつ現状と変わらないということになった可能性もあります。少なくとも、今回の案でほんのわずかでも制度は変わる。そのほんのわずかの積み重ねで、数十年後には大きく変わっているかもしれない。その可能性に賭けて妥協しました。

しょうがないか。


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ここから本書

わたしも自分が経験するまでは、何でやってもいないことを自白するんだろうと思っていました。しかし、今はよくわかります。誰もが事件に巻き込まれる可能性がある。巻き込まれれば、二人に一人は自白する。そして有罪率は九九パーセントです。

p.37

真実は誰にもわからない。だから、いろいろな人たちのはなしを重ねていって、1番色が濃く重なりあうところを真実だとするしかなし、と言うわけです。それが本当の真実かどうかは、自分たちにとって大事ではないと告白しているようなもので、こういう間隔で人を罪に問う仕事をするのは、とても危険ではないか、と感じました。

p.87

いくら事実を語っても受け入れられない。自分の知らない情報をどんどん教えられて混乱していく。自分以外は皆が村木の支持を認めていると言われ、記憶に自信がなくなる。そんな中で、検事が望む調書を作らなければ、家に戻れないのではないかと、次第に追い詰められていく

p.142

偽りの証明書を作ったり使ったりした人が「やりました」と言ったら釈放されて、何もやっていない人が「やっていません」といえば釈放されない。なんだかへんだなあと思いました。

まったく身に覚えのない「郵便不正事件」で逮捕された著者が、不当・巧妙な検察の取り調べを乗り越えて「無罪」を獲得。
164日の勾留にも屈しなかったのはなぜか? 今なお制度改革に闘い続けるのはなぜか?
事件を振り返り、法制審議会の議論に緊急提言する。

冤罪が生まれない“信じられる司法制度"にするためには、〈取り調べの可視化〉〈証拠開示〉〈身柄拘束〉3大課題の改革が絶対に必要です!
二度とこんな経験はしたくありません。そして誰にもこんな思いを味わってほしくないと思っています。そのためにどんな刑事司法改革が必要か……。
この本がそれを皆さんと一緒に考えるきっかけとなれば幸いです――「はじめに」より

事件の発端となった上村勉・元係長との特別対談、周防正行監督のインタビューを収録

男たちが虚偽供述に追い込まれる中、なぜ彼女だけが454日を闘い抜くことができたのか?
法制審に緊急提言! 事件を振り返り、司法改革に必要な3大課題を訴える

【目次】

はじめに

第一部

第一章 まさかの逮捕と二〇日間の取り調べ
第二章 一六四日間の勾留
――コラム「冤罪の温床となっている“人質司法"」
第三章 裁判で明らかにされた真相
――コラム「“特捜神話"に毒されたマスメディア」
第四章 無罪判決、そして……
――コラム「検察への、国民の監視が必要」
終章 信じられる司法制度を作るために

第二部

第一章 支え合って進もう
夫・村木太郎さんインタビュー
第二章 ウソの調書はこうして作られた
上村勉×村木厚子対談(進行 江川紹子)
第三章 一人の無辜を罰するなかれ
周防正行監督インタビュー
おわりに

解説 真相は今も隠されたまま 江川紹子
巻末付録
1 事件年表
2 上村勉・被疑者ノート