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おいべっさんと不思議な母子 2014年11冊目

おいべっさんと不思議な母子 ★★★★☆


タイムスリップものだと分かり、なんでもありの話だと思い読む気が削がれた。
しかしアマゾンレビューの評価が高かったのでこらえて読み進めた。
終盤、「あれ、芝居を見に行かないの?どういう芝居なんだろう?」と思っているところにどんでん返し。そして登場人物同士の接点が明らかになる。
やられた。
まんまと著者の思いどおりになってしまった。

押し付けがましくない人生訓にあふれている。
小中高生にぜひ読んでもらいたい一冊だ。


p.118

誰もが、理由もわからず「みんながそう言ってる」というだけで盲目的に従ってしまう。

p.152

「あたなたくらいの年齢の子どもたちは、いろんな失敗をするものよ。ときには、今回のあなたみたいに、調子に乗って、羽目をはずしすぎてしまうこともある。運が悪い人は、それでも大人に見つからなかったり、誰かに怒られたりしないで、それが楽しい思い出になっちゃうのね。だからそれを繰り返す。繰り返しても、繰り返しても、見つからないし、怒られない不運な人はどうなるかわかる?」

p.184

『お前が今死んでも、世の中は何も変わらない。でも、お前が生きていれば、世の中は大きく変わる。お前は今のおまえにできることをするために、この世に生まれてきたのではないぞ。今のお前にはできない、もっと大きなことを将来のお前はできるようになっている。そのために生まれてきたんだ。そのことを忘れちゃいかんぞ。だから、何があっても命を粗末にしてはいけない。どんなに卑怯者だと笑われても、生き延びなければならんぞ。』

p.216

「子どもができるようになったととよりも、できないことがばかりに目が行くようになると、子どもはその期待に答えようとして、どんどん失敗できなくなっていくわ。」

「子どもが生まれたばかりのときは、明るくて、元気で、のびのび育ってくれればそれでいいって思ってるの。ところが、お母さんの不安が習慣化すると、いつの間にか、全然違うことを子どもに要求して育てているのね」

内容紹介
ベストセラー『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』で全国に感動の輪をひろげた小説家・喜多川泰さん。
新境地に挑むべく書き下ろされた今回の新作は、小学生&中学生という子どもたちの世界と、その親世代の生き方をテーマにした力作。
ちょっとファンタジックな雰囲気を感じさせる内容に、思わず「ん?」と驚く読者がいるかもしれません。
おいべっさんとは何か?
不思議な母子はどこからやってきたのか?
驚きのエンディング!

「おいべっさんに幽霊が出たみたいだぞ」。
小学生たちの間でそんな噂話が広がっていた新学期の初日、6年3組を担任することになった日高博史のクラスに転校生がやってくる。
石場寅之助……色あせたTシャツに袴のようなチノパン姿。
伸びきった長い髪を後ろに束ねた出で立ちと独特の話し方は、クラス中の視線を集めただけでなく、いじめっ子たちとの争いも招いてしまう。
いっぽう、反抗期をむかえた博史の娘、中学校3年生の七海は、友だちと一緒に起こした交通事故から仲間はずれにされてしまった。
そのあと七海がとった行動は?
寅之助はどうやってクラスに馴染んでいくのか?
クラスのいじめっ子黒岩史郎の母親・恵子が流した涙の理由は?
さまざまな人間模様が交差しながら展開していく。
そして雷が鳴る夜、おいべっさんで起こったこととは!
内容(「BOOK」データベースより)
このシンプルな物語はきっとあなたに「生きる力」を与えてくれます。ベストセラー『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』の著者が挑む新境地の書き下ろし作品。
著者について
喜多川泰(きたがわ・やすし) 1970年、東京都生まれ。愛媛県西条市に育つ。東京学芸大学卒。98年、横浜市に学習塾「聡明舎」を創立。人間的成長を重視した、まったく新しい塾として地域で話題となる。2005年には作家としての活動を開始。その独特の世界観は多くの人に愛されている。作品に『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(小社)、『賢者の書』『君と会えたから…』『手紙屋』『手紙屋 蛍雪篇』『上京物語』『スタートライン』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「福」に憑かれた男』(総合法令出版)、『心晴日和』(幻冬舎)、『母さんのコロッケ』(大和書房)がある。執筆活動だけではなく、全国各地で講演を行い、「親学塾」も全国で開催中。現在も横浜市大和市にある聡明舎で中高生の指導にあたっている。