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ぼくの靴音

ぼくの靴音 星?

昔自分がまだ健常だったとき、音楽番組で椅子に座っている堂本剛を見た。
後ろを向いたり、足をパタパタ動かしたり、服や髪をいじったりと「なんか落ち着きのない人だなぁ」と思った。
健常から見たらそんなものだ。
目があり口があり手があり足があれば健康だと思っている。

いざ自分がパニック障害と診断され、パニック障害について調べるにつれ有名人にも幾人かいることを知った。その一人があの堂本剛だ。
ライトを当てられ、多くの人間が動いていて、コンクリートで密閉された空間。
精神的に束縛されて恐怖を感じている状態だったのかもしれない。
その状態で逃げださず、なんとか誤魔化して番組を成立させるために我慢していたいたかも知れないと思うと、健気であり、強い人だと思った。

堂本剛 - Wikipediaより

自ら過去6年に及ぶ過換気症候群過呼吸症候群パニック障害)との闘病中であることを告白した。

なお、その後の記者会見でも「6年前(1997年頃)から病気と闘っている」と発言。

仕事をしながら、18歳から闘っているのか。
なんて強い人なんだろう。

美 我 空(びがく)
2009年春、新たにアーティストネーム『剛 紫(つよし)』として新しいプロジェクト『美 我 空(びがく)』を始動した。
自分を見直すためプロジェクトで、見直すときがきたらまた始まるプロジェクトであると堂本は語っている。

パニック障害は治ったのかどうかTVを見ない自分には分からないが、上のような内省を見ると2009年の時点ではまだ治っていないような気がする。
以上wikipediaから。

この本は、1999年から2005年のエッセイをまとめた本だから、ちょうど闘病中ということになる。
内容は、あまりにもピュアでナイーブでネガティブで、今の自分にとっては引っ張られてしまう気がしたので「ありのまま」を読んだところで一旦本を置いた。
しばらく時間をおいてからパラパラとページを飛ばし、パニック障害につい述べている「自分の人生を生きよう」、「心から感謝しております」だけを読んだ。

p.7 物語の始まり
堂本剛という人間は、超が付くほどネガティブな動物です。

内省をやめて前向きにならないとこの病気は快方に向かわないと思う。
ただ、パニック障害で併発しやすい鬱も発病していたら、ネガティブになった方が良いかもしれない。
長嶋一茂パニック障害から鬱発症)の著書乗るのが怖い―私のパニック障害克服法 - How Many Books Do You Have?によると、ポジティブに考えれば考えるほど、ネガティブな考えが浮かび上がってくる。
なら最初っからネガティブに考えていた方が良いという理由だ。

p.7 物語の始まり
僕のように、自分の性格に息切れを感じている人は数え切れないほどいるでしょうが、僕は、最近、こんな自分でも好きだと想える時があります。それは、こんな言葉が浮かんだとき。”強い人間にならなくても良い。弱くたって、ここぞという大切な瞬間に強くなれたら、それで良いんだ”とか、”強くなった分だけ、自分の痛みや他人の痛み気づけなくなるのは嫌だ。柔らかい心を失うことが強さなら、弱いままでよい。弱い自分に感謝感謝だ。”とか…。

どこかで聞いたことのある”ありふれたフレーズ”だ。
だから、このピュアなフレーズが外向きの嘘っぱちなのかと最初は思った。
しかし、少し読み進めるだけで本物だと確信した。

p.117 自分の人生を生きよう
彼女は、心の病に悩まされているに違いない。僕には、直ぐ解った。何故なら、僕自身も悩まされていたことがあるからだ。
 人によって、様々な症状が現れるらしい。例えば、人混みに入るのが嫌。電車が嫌。高速道路が嫌、飛行機が嫌。部屋の電気を消せない。人の優しさに腹が立つくせに、独りは寂しい。涙が勝手に流れる。体温調節が出来ない。めまい。手足の震え…。中でも厄介なのは、不安と恐怖、そして呼吸困難だろう。一体何に対しての不安なのか、恐怖なのか、解らない事も多く、ただ不安なだけ、ただ怖いだけ。密閉された場所や人混みでは、それに呼吸困難が加わり…。こんな事が、いきなり前触れもなく起こったとしたら、それはもう、誰だって苦しいに決まってる。

典型的なパニック障害の症状だ。
「悩まされていたことがある」と過去形を使ったと云うことは、完治したようだ。
後半の「…」は、自分自身が体験したことだと思われる。

p.183 心から感謝しております
実は、僕は人前が苦手で、怖くて仕方がない。人の視線や空気などを敏感に感じてしまうと、過呼吸(簡単に云ってしまえば、息が苦しくなってしまう状態)になりやすかったりして。自分が”楽しい!最高だ!”と感じているときにも、過呼吸はおそってくる。手足が震えたり、平衡感覚がなくなったり、体温調節がおかしくなったりすることもある。

このエッセイが時系列順なら、先ほどの完治とはほど遠い状況だ。
p.117で過去の話のように書いたのは何故だろう。

いずれにせよ、それでもライブが出来たり、仕事こなせているのは凄い。

100人に1人が罹患しているといわれるパニック障害うつ病より認知度が低い。
知らない人の方が断然多いだろう。
そんな人からしたら、パニック障害を患っている人は詐病(病気の振り)に見えるのも分からなくはない。
だって骨は折れていなし、血は出てないし、歩けるし、喋ることも出るから。

でも本人は本当に苦しい。
過呼吸は本当に死ぬんじゃないかという苦しみだという。
その苦しい症状を押さえるために処方される薬には副作用があり、太ってしまったり、強烈な眠気に襲われたり、集中力が落ちたりもする。

そこにパニック障害を知らない人の「またか」「仕事が止まるんだよ」「我がままか」「みんな苦しいんだよ」「甘えだ」といった言葉の刃が耳に届き、うつ病や自殺といった二次被害につながる可能性もある。

それを避けるために、パニック障害が広く認知されることが必要だ。


出版社 / 著者からの内容紹介
6年間にわたって綴った、本音と、まごころ。
ドラマに音楽に大活躍のKinKi Kids堂本剛。彼が『Myojo』誌上に6年間連載したエッセイが1冊に。ささやかな幸せ、悩み、涙、葛藤…日々の思いを赤裸々に綴った、熱い心の成長録!