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パニック障害の治し方がわかる本―突然の恐怖・不安に襲われる

パニック障害の治し方がわかる本―突然の恐怖・不安に襲われる ★☆☆☆☆

左は2011年出版

2003年出版
薬による治療を勧める本。
パニック障害の条件がページを跨いで載っており分かりづらい。
また言葉が足りなくて矛盾を生んでしまう点をあった。
パテントを持った製薬会社のつくった”グローバル・スタンダード”を盲信しすぎという点と、勉強不足という点であまりお勧めできない。
★1つ

p.2 はじめに
また、現在、世界的には、パニック障害にかぎらず、どのような病気の治療であっても、大規模な研究を行った上で効果があったという”証拠(エビデンス)”をもつ治療を行う、「エビデンス・ベイスド・メディシン(証拠に基づいた医療 EMB)」という概念が主流となっています。
 しかし、我が国におけるパニック障害の治療では、精選化や心療内科においてすら、いまだにベンゾジアゼピン系薬物が中心という、”グローバル・スタンダード(世界標準)”からは遠くかけ離れたことが広く行われています。

えー!。これが書かれたのが2003年。
2012年の今、自分の担当医から渡される薬はベンゾジアゼピン系薬物であるメイラックスソラナックスである。

p.44 青班核がエラーを起こす
青班核が誤作動してノルアドレナリンが分泌されると、大脳辺縁系にその以上興奮が伝わります。大脳辺縁系は、視床下部を司っているため、興奮は更に視床下部に伝わります。視床下部には自律神経の中枢がありますので、自律神経のバランスが崩れ、自律神経症状(動悸、息切れ、めまいなど)が出てくるというわけです。
 また、大脳辺縁系は、不安や恐怖、怒りなどの感情に深く関与しているので、ここおから予期不安が起こるのではないかといわれています。

大体の本に書いてある。

p.53 疲れている人も要注意
コーヒーや炭酸飲料は控えめに
カフェインや二酸化炭素パニック発作を誘発するといわれています。

このほか、経口避妊薬、気管支拡張剤などの薬が発作の引き金になることもありますので、注意が必要です。

この本でも炭酸飲料は控えめにと。

p.72 パニック障害は治るか
最近のデータによると、治療後6年から10年後では約30%が健康を取り戻しており、約40から50%は症状が残っているものの改善しています。

6年から10年後って!それで約30%。
未来は明るくないようだ。

p.76 パニック発作の種類
パニック発作は、状況依存性パニック発作、状況準備性パニック発作、予期しないパニック発作の3つに分けられます。

  • 状況依存性パニック発作とは、ある特定の状況に直面したときや、それを予期したときに何時もおこるものをいいます。例えば、人前で話すことに強い不安を感じている人が、そういう場面に出くわしたり、そうしなければならないと思っただけでパニック発作を起こすような場合です。
  • 状況準備性パニック発作は、きっかけになるものはありますが、必ずしもそのときに起こるとはかぎりません。たとえば、電車に乗っているときに起こりやすいという状況があっても、乗っていても起こらないときもある、というような場合です。
  • 予期しないパニック発作は、なんのきっかけもなく突然起こるもので、パニック障害では、この予期しないパニック発作が反復して起こります。

p.77 パニック発作の識別が大切
パニック障害の条件は、予期しないパニック発作が起こることです。そのため、発作が状況依存性や状況準備性ではないかどうか、しっかり見極めなければなりません。

俺は決まった場所でしかパニック発作は起こらない。
つまり該当するのは、パニック障害じゃなくて状況依存性パニック発作だ
広場不安や過呼吸はなく、決まった場所でのみ発作が起こるので、担当医に今までに確認したことがあるが、「パニック障害です」と言われた。担当医は信頼できるのか?

p.80 息が詰まり、呼吸が速くなる
ハァハァと呼吸が荒く速くなり呼吸困難に陥る、めまいや動悸がある、などは過換気症候群に似ています。しかし、パニック障害の原因は二酸化炭素不足ではないので、過換気症候群のように吐いた息を吸っても治りません。

二酸化炭素不足ではない!?
ええええええええええ。新事実。

追記(2012/09/06)
呼吸が荒くなるのは過換気症候群でないというのなら、なんなのか?
これについては何も書いていない。
というか事実なのか?
実験データなどの論拠、メカニズムを書いてないので信じられない。

p.87 発狂するのではないかと恐れる
パニック障害は、精神疾患の一つですが、自分で自分をコントロールできず、知らない間にとんでもないことをやってしまう、ということはありません。どんな症状が出て、自分がどう行動したかをきちんと覚えていますし、思考の道筋も立っています。パニック発作で発狂した人はいません。心配無用です。

p.91 繰り返し起きた時を”障害”という
パニック発作が1回起きたからといって、パニック障害とはいいません。何回か繰り返しておき、本人が苦痛でたまらない、日常生活に支障をきたすほどひどい、というときに障害になるわけです

p.76、p.77の状況依存性パニック発作、状況準備性パニック発作との説明と矛盾するんだが。これら2つの説明では発作が何度も起こる。しかし予期しない発作ではないのでパニック障害ではないと言っていた。

ここをこちらで勝手に著者の意を汲んで正しく書くと
予期しないパニック発作が1回起きたからといって、パニック障害とはいいません。”ということだろうか。ハッキリ書いて欲しいな。
そうじゃないと状況依存性パニック発作、状況準備性パニック発作も何回か繰り返して起これば、パニック障害ということになり、p.77の「パニック障害の条件は、予期しないパニック発作が起こることです。」に矛盾することになる。

p.100 行動の変化
パニック障害と診断されるには、予期不安が一ヶ月以上続くか、そのために行動に大きな変化がみられることが、一ヶ月以上続くことが条件になります。

さっきまでのパニック障害の定義はなんだったのか?
パニック障害の判定が色々あるのか?
ここだけを読めば自分がパニック障害と宣告された事に対して納得がいく。

p.124 パニック障害の条件
パニック障害と診断される条件としては、予期しないパニック発作が繰り返し起こる、最初の発作後一ヶ月以上にわたって予期不安が続くか、行動に大きな変化がみられる、パニック発作が体の病気や薬物などによって引き起こされたのではない、他の精神障害には当てはまらない

またパニック障害の条件が出てきた。
これがまとめなんだろう。
パニック障害の条件をスッキリさっぱりまとめて書けばいいものを。
わざわざページを跨いで小出しにするから分かりづらい

やっぱり俺はパニック障害じゃない。パニック発作が起こる場所が決まっている。
床屋、歯医者は実際になった。
実際にまだ経験自体がないが、以下は発作が起こるのではないかと思う状況。
会議、朝礼などの格子状に並んだときの中程にいる場合。

p.128 パニック障害かどうか、チェックしてみよう<M.I.N.I>

このチェック法だと自分はパニック障害ではなかった。

p.148 ベンゾジアゼピン系薬物とは何か
現在、世界的にはSSRIや三環系抗うつ薬を中心に用いて、効果が現れるまでの2から4週間の間、パニック発作が出たときのみ服用する(頓服)のが一般的になっていますが、日本ではいまだにベンゾジアゼピン系薬物しか使わない精神科医がいるようで、困ったものです。

おいおい、自分はもう11週間ベンゾジアゼピン系薬物のみを処方され服用しているのだが……
そのまさしく困った精神科医が担当医だったとは。
どうしよう。

追記(2012/08/29)
SSRIを勧めているが、SSRIの危険性もまたあることを忘れてはいけない。
心の病は食事で治す - How Many Books Do You Have?より

p.54 セロトニンは作らないが、効率よく使うSSRI
SSRIによってこんな皮肉なことが脳内で起こる。SSRIによって発生したセロトニン過剰を克服するため、セロトニン受容体が劇的に減少していたのであるこの損失は一時的か恒久的なものかは、だれもわからない。


また新版 不安・恐怖症 - How Many Books Do You Have?より

SSRIに関してはそんなに安全なのか?
この著者を鵜呑みには出来ない情報がある。
抗鬱薬SSRI副作用で暴行傷害殺人事件多発 - YouTube
【隠蔽】マスコミが流通させた抗うつ薬SSRIの副作用で暴力犯罪多発 - YouTube


このほかに
脳内薬品が心を操る PROZAC SSRI 1/4 - YouTube
巨利をむさぼる 精神医療業界 第3章:病気の売り込み - YouTube

などSSRIの危険性が明らかになっている。

抗うつ剤SSRI の死角 副作用に攻撃性・衝動性も - YouTubeに書かれている説明によると、

1999年、全日空61便ハイジャック犯は、機長を殺害したが、精神鑑定の結果無期懲役に減刑された。抗うつ剤大量服用による心神耗弱が無期懲役への減刑理由となった。
 1999年アメリカの「コロンバイン高校銃乱射事件」の犯人のひとりもまた、犯行直前に、大量のルボックスSSRI)を服用していた。製薬会社に対して遺族から告訴。薬との因果関係­は立証されなかったものの、2002年にこの薬はアメリカ国内では販売中止になっている。
 アメリカでは、すでに2004年の段階で、SSRIがその副作用として攻撃性を誘発するか可能性があることを注意書きに明記する命令が製薬会社に出された。

この著書は2003年出版だが、2002年の時点でSSRIルボックスは販売停止されている。(その後再販)
結局、製薬会社のつくった”グローバル・スタンダード”を盲信してSSRIを勧めるこの著者は、ベンゾジアゼピン系薬物を処方する医者となんら変わらないことに気がついていない。
勉強不足ではないだろうか。

p.179 心を安定させる主栄養素

  • ビタミンB群 脳や神経の働きを正常に保つ
  • ビタミンC ストレスに多する抵抗力を高める
  • イノシトール 脳細胞や神経の働きを正常に保つ
  • カルシウム イライラを鎮め、心を安定させる
  • マグネシウム イライラを鎮め、心を安定させる
  • DHA 神経細胞の働きを活性化し心を安定させる

DHAは見逃していた。今度iHerbで買うときには考慮しよう。

p.180 不安や発作が起こったら
「これはパニック発作だ。死ぬことは絶対にない。発狂することもない。すぐに治まる」と自分に言い聞かせます。

p.186 発作が起こったら
発作が起きたからといって、慌てたり騒いだりしてはいけません。患者の不安が増して、ますます症状が酷くなります。そばにいて、手を握ったり背中をさすったりして気持ちを落ち着かせてあげましょう。
 腹式深呼吸をするように促すとともに、発作で死ぬことはないし、すぐに治まると言い聞かせ、安心させてあげます。

この本では腹式深呼吸を勧めている。

追記(2012/09/06)
しかし、この主張とは全く逆の主張がある。
パニック障害と過呼吸 - How Many Books Do You Have?より

p.28 過呼吸のとき深呼吸するのは逆効果
深呼吸は、こと過呼吸パニック発作には逆効果です。深呼吸をすると、酸素を沢山吸って、余計に苦しくなってしまうからです。

深呼吸(腹式呼吸)は逆効果と述べている。その理由(メカニズム)について、明確に書かれており、気になる方はパニック障害と過呼吸 - How Many Books Do You Have?を参照して欲しい。

 しかし、先ほども書いたが、こちらの本では発作時の呼吸が荒く速くなり呼吸困難を過換気症候群と診ていない。
肝心な、じゃあ何なのか?そして、その理由(メカニズム)が書かれていないので、自分はこの著者の主張が信用するに足りないと感じた。
腹式呼吸大きな間違いの可能性があると思っている。

内容(「MARC」データベースより)
最近増えているパニック障害について、その正体、どこへ行けばいいか、治療法、日常生活、家族の接し方などをイラスト、漫画を多用して最新情報でわかりやすく解説する。