池上彰の「おい、マジか。池上彰の『ニュースを疑え!』」を読んだ。
★★★★★
トランプの過激に聞こえる発言には実は裏があるそうだ。
「日本は核武装すべきだ」というトランプの言葉が独り歩きしているが、p.107によると、前提として「アメリカの国力が衰退の道を進めば」とあることを知った。
つまり、トランプが大統領ならばアメリカの国力が衰退することはないので、日本は核兵器を持つ必要がないという真意なんだそうだ。
これはトランプも悪いかもしれないが、ちゃんと前提を考慮しないで伝えないメディアも責任があるんじゃないか?
同様にイスラム教徒入国禁止、パリ協定脱退も前提や裏があり、それを知るとトランプはそこまで過激じゃないのかも…?と初めて感じた。
この本を読んでがっかりしたのは、小池百合子だ。
小池百合子はなんで難解な横文字を使うのか?
インシャラー(神の御心のままに)、アウフヘーベン(止揚)なんて知らない。いったい何人の人が理解できるんだろう。
ラポールなんて英検1級の勉強してなかったら知らなかった単語だ。
自分の主張が反発を呼ぶので、わざと分かりにくくしている古いタイプのザ・政治家というイメージを持った。
p.60
教育勅語と天皇の写真(御真影)は、学校に設けられた奉安殿に納められていました。奉安殿が火事で焼けたりしたら大変です。過去には明治時代に長野県で、昭和時代(戦前)には沖縄県で、それぞれ奉安殿の火事で御真影が焼けてしまった責任をとって、校長が割腹自殺しています。実に神格化されたものだったのです。
そんなに最近まで本当に神だと思っていたのか…。
ずっとむかしの話だと思っていた。
p.67
見事な肩透かしです。そう理不尽は公人なのか私人なのか、立場が曖昧だから明らかにすべきだという質問に対し、一般論としての意味の説明に終始しています。
内閣総理大臣夫人は公人か私人かという質問に対して真正面から答えていると思うんだけどれども、池上彰はどこがひっかかるのか?
7番に答えていないということ?
p.74
やっぱりゆかりのアラブから、緑にしたのかな
この答えを完全にはぐらかされているのに、池上彰は気にならないのか…?
p.75
小池:お気に召さない方はたくさんいらっしゃると思いますね。私の前任のおふたりはどこからか背後から鉄砲で撃たれて任期途中でおやめになりました。
猪瀬にしろ舛添にしろ自分で墓穴掘ったと理解しているが、「背後から鉄砲で撃たれる」というのは誰かの策略にはまったということだろうか?
期待して小池に投票したが、リーダーシップがないのか豊洲移転が決まらなすぎでちょっと後悔している。
p.80
半藤:ことに1920年代末の世界平和・国際協調を重視する時期から、それを全否定する時期への転換点と現代の相似は、驚くほどです。第二次世界大戦へと向かった1930年代とくらべて、いまは国際的にな繋がりも強くなり人的な移動も増えたので、そう同じことにはならないとは信じつつも、もしかするとという恐れがある。トランプ大統領の登場は、考えている以上に、世界の転換点になることの現れなのかな、と思います。
戦争→平和の大切さを知る→平和→平和の大切さを忘れる→戦争のループを繰り返すのだろうか。
p.264
アメリカ国民は税金に敏感です。
脱税には厳しい態度を取ります。
結局、節税で税金逃れしていたトランプを大統領に選んだのだから、「アメリカ国民は税金に敏感」という理解は大げさだということになる。
「おい、マジか」。そもそもニュースを疑ってかからなければならない、厄介な時代になった。まずは嘘を嘘と見破れるだけの幅広い情報と常識を持った上で、驚くようなニュースが飛び込んできたら「待てよ」と疑ってかかつことも必要。情報源がどこなのか、他の情報機関が追いかけているのか、まずは「ニュース」といわれるものを疑うことから始めよう!事実はフェイクニュースより奇なり、トランプの嘘ニュースから安倍政権ベッタリ新聞まで、 もう騙されない情報術が詰まった一冊。「週刊文春」連載の「池上彰のそこからですか!?」を大幅に加筆、修正。小池百合子(東京都知事)との対談も収録。